Web担当者になったら知っておきたい「基本」が学べる Web担ビギナー

Step 1-5 プロジェクトとサイト構築・運用フロー

Web担として求められていることを把握するStep 1。5回目の1-5では、サイト構築・運用を行うプロジェクトとワークフローを解説します。

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クイズ

企業のサイトの構築は、制作部門だけで進めてよいでしょうか?

企業のWebサイトを作るときに「こんなデザインに」「こういうコンテンツを作ろう」と、いろいろなアイデアが出てくるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。実際にサイトを作り始める前に、企業活動として「ちゃんと」「組織として」Webサイトを作るように、「プロジェクト」にしましょう。

そうでないと、

  • がんばってサイトを作ってほぼ完成という段階で偉い人にダメだしされる
  • チームの人や社外の協力者と摺り合わせが足りず、イメージしていたものと違うものになってしまったり、何度も修正が必要になったりする

なんてことが起きてしまいます。

あなたのプロジェクトでは、戦略やワークフローが共有されていますか?

企業のWebサイトは、1人で作れるものではありません。正確には、1人で作れないことはないですが、あなたの部署には部長がいるでしょうし、会社には社長がいますし、ビジネスを動かしている他部署の人もいます。そうした人たちが納得したうえで、ターゲットのユーザーニーズに応え、想定したビジネス成果につながるサイトを「ちゃんと」作る必要があります。

期間とゴールを定め、複数の人が協力して進める案件を一般的には「プロジェクト」と呼びます。Webサイトを構築・運用するにも、通常、さまざまな立場、役割の人が集まったプロジェクトが発足されます。このプロジェクトメンバーでWeb戦略を策定し、目的に合ったサイトを構築して、改善をしながら運用を行っていくわけです。

  • Webサイトは1人ではなくプロジェクトで構築・運用する

会社の組織でいえば、

  • 情報システム部
  • 経営企画室
  • 事業マーケ室
  • 広報部
  • 営業部

など、さまざまな部署から人が集まる可能性があります。

実際に制作に関わる人も、

  • ディレクター
  • デザイナー
  • プログラマー
  • システムエンジニア
  • (ネットワーク)サーバ管理者
  • コンテンツ執筆者
  • コンテンツ編集者

など、さまざまな役割の人が携わります。社内だけではなく、外部パートナーに委託する役割もあるかもしれません。

こうしたさまざまな立場をもった人がその役割を存分に果たしながら、Webサイトの構築、運用を行っていきますが、その工程(ワークフロー)には7つのフェーズが考えられます。

Webサイト構築・運用のためのワークフロー

詳細はStep 2で解説しますが、次の7つのフェーズのうち、1~5を構築フロー、6・7を運用フローと分けることもできます。ただし、ここで取り上げる7つのワークフローは標準的なものになります。こちらを参考に、自社にとってBESTなワークフローを考えてみてください。

1プロジェクトの発足関係者の選定、会議方法、プロジェクトにおける承認体制の明確化などの体制、運営方法、おおまかなスケジュール・コスト概算など、与件の整理
2プロジェクトの方向性の決定現状の調査・分析、目的の明確化、あるべき姿の策定
3Web戦略の策定達成すべき目標をはじめとした戦略を決定、やるべき姿の策定(やるべき事とやらない事を明確にする)
4サイト設計戦略に基づいた開発仕様、デザインを作成
5サイト制作・開発プログラミング、コンテンツ制作、テスト
6運用準備・運用開始運用マニュアルの作成と関係者への周知
7運用・効果測定・改善効果を測定し、分析して、改善

なお、各フェーズで決めたことはドキュメント化し、プロジェクトメンバー内で納得と共有ができているかを確認しながら進めることが大切です。もし、自分の役割などでわからないことがあったら、あやふやなままにせず、きちんと上司やプロジェクトメンバーに聞き、それをドキュメントにしてまとめておきましょう。

たとえば上記の4で作るはずの設計書があいまいなまま、5のサイト開発を始めると、結局やり直しが生じてしまうことが多いからです。新人だからと遠慮せず、新人だからこそ新しい発想で疑問をぶつけていきましょう。逆に、経験者には気づかない課題の発見につながるかもしれませんよ。

  • プロジェクトを円滑に進めるためには情報の共有が必要
  • ワークフローを知り、疑問点は確認しておくことが重要
◇◇◇

Step 1-5では、サイトを構築・運用するためのプロジェクトやワークフローについて紹介しました。Step 2-1からは、実際にサイトを構築(リニューアル)することを前提にして解説していきます。

  • Webサイトは1人ではなくプロジェクトで構築・運用する
  • プロジェクトを円滑に進めるためには情報の共有が必要
  • ワークフローを知り、疑問点は確認しておくことが重要
ポイント
1-5「プロジェクトとサイト構築・運用フロー」のポイント
  • Webサイトは1人ではなくプロジェクトで構築・運用する
  • プロジェクトを円滑に進めるためには情報の共有が必要
  • ワークフローを知り、疑問点は確認しておくことが重要
復習ミニテスト

Q1-5-1 なぜプロジェクトが必要か?(単一選択)

  • 1. 企業活動として、組織の中でWebサイトを作るため
  • 2. 会社らしいカッコ良いWebサイトを作るため
  • 3. 上司のニーズを知るため

1. 企業活動として、組織の中でWebサイトを作るため

Q1-5-2 サイト構築・運用のための7つのワークフローで正しいのは?
(単一選択)

  • 1. 1)プロジェクトの発足、2)プロジェクトの方向性の決定、3)サイト設計、4)サイト制作・開発、5)Web戦略の策定、6)運用準備・運用開始、7)運用・効果測定・改善
  • 2. 1)プロジェクトの発足、2)プロジェクトの方向性の決定、3)運用・効果測定・改善、4)サイト設計、5)Web戦略の策定、6)サイト制作・開発、7)運用準備・運用開始
  • 3. 1)プロジェクトの発足、2)プロジェクトの方向性の決定、3)Web戦略の策定、4)サイト設計、5)サイト制作・開発、6)運用準備・運用開始、7)運用・効果測定・改善

3. 1)プロジェクトの発足、2)プロジェクトの方向性の決定、3)Web戦略の策定、4)サイト設計、5)サイト制作・開発、6)運用準備・運用開始、7)運用・効果測定・改善

もっと学び、成長するために

プロジェクトの内容を整理し、まとめておくための資料「プロジェクト概要シート」をご用意しました。ワークフローの「1 プロジェクト発足」時にご使用ください。

ダウンロードはこちら
本記事の監修者

濱田 優(はまだ ゆう)

株式会社キノトロープ 執行役員
制作部 部長 プロジェクトマネージャー/システムコンサル

千葉県出身。2006年、オンデマンドCDサービス、音楽配信、CD全国流通・海外プレスの事業を立ち上げ。事業を売却し、全都道府県を巡る日本一周旅行へ。
プログラマとして再出発し、書籍を2冊(『Zend Framework 2徹底解説』(秀和システム)、『JUnit速効レシピ』(秀和システム))出版。
現在は、システムコンサルとして事業会社様の問題解決を行うほか、大学や専門学校での講師、セミナー等での講演も務める。
2020年、キノトロープの連結子会社、株式会社フューチャープランの代表取締役社長に就任。

Twitter:@hamadayuu1

デザイン:三苫慧子
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