HCD とは 意味/解説/説明 【Human-Centered Design】
「Human-Centred Design」(人間中心設計)の略称。機械やシステム構造を設計の中心にするのでなく、利用する人間を設計の中心に据えるという考え方。User-Centred Design(ユーザー中心設計)もほぼ同義だが、ユーザーだけに留まらず、多くのステークホルダにも対応する視点が、HCDでは強調されている。
たとえば、次のような設計が、HCDでは不適格な例としてあげられる。
- 表裏を確認しないと正しく入らないUSB端子
- 高い位置に配置されたボタン(注意書きが読めない、低身長の人が押せない)
- 『トイレは空いています』というランプ(点灯時に空いているのか使われているのか曖昧)
HCDは、こうした使いにくさを改善し、広くユーザーに“快適な体験”を提供することを目的としている。システムが使いやすくなることで、生産性の向上、ユーザーの快適さの向上・ストレス回避、アクセシビリティ向上、リスク軽減などが見込める利点がある。
ISO 9241-210:2010およびJIS Z 8530:2019の「インタラクティブシステムにおける人間中心設計」では、「システムの利用に焦点を当て、人間工学(ユーザビリティを含む)の知識および技法を適用することによって、インタラクティブシステムをより使いやすくすることを目的とするシステムの設計および開発へのアプローチ」と定義されている。
HCD-Net
https://www.hcdnet.org/
ISO - ISO 9241-210:2010 - Ergonomics of human-system interaction - Part 210: Human-centred design for interactive systems
https://www.iso.org/standard/52075.html
ISO 9241-210 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_9241-210