HCD-Net通信
「人間中心設計 (HCD)」を効果的に導入できるよう、公の立場で研究や人材育成などの社会活動を行っていくNPO「人間中心設計推進機構(HCD-Net)」から、HCDやHCD-Netに関連する話題をお送りしていきます。
HCD-Net通信

WebサイトのUXデザインを尖らせたいなら、プロダクトデザイン現場の思想から学んでみるのはいかが?

競合の激しい商品で、他社と差別化し自社商品を尖らせるためには、ときには強い意思決定も必要です。

Webサイトで、他社と差別化した尖ったUXデザインを実現するには ―― もしあなたがそうしたことに悩んでいるなら、プロダクトデザイン(製品デザイン)の人たちの経験や知見が役に立つかもしれない。

UXデザインは、もともとプロダクトデザインの現場に端を発する。WebサイトのUXデザインも、その思想から学べるところは多い。

コンセプトをはっきりさせるには、割り切ることです

そう語るのは、東芝テック株式会社で、プロダクトのUXデザインをしている 駒宮 祐子 さん(HCD-Net認定 人間中心設計専門家)です。

とくに、競合の激しい商品(たとえばコピー機や、小売店のレジのPOSシステム)で、他社と差別化し、自社商品を尖らせるためには、ときには強い意思決定も必要です。

プロダクトデザインの世界では、尖ったUXデザインを実現させるためにどんなことをしているのでしょうか。WebサイトのUXデザインにも参考になるそのコツを、駒宮さんに聞きました。

複雑な機能はいらない! 本当にユーザーが求めている機能に割り切る

―― 駒宮さんは、東芝テックでのプロダクトデザインの現場で、長くUXデザインに携わられています。これまでに、どのようなお仕事をされているのですか。

たとえば、新しいコピー機の操作パネルを設計しました。「かんたんUI」というものです。

その操作パネルを搭載した東芝テック機と競合他社機でユーザビリティテストの比較評価をしてみたところ、総合評価で東芝テック機がもっとも良かったんですよ。その要因の1つとしてあるのが、プロジェクトの最初に「かんたんUI」の詳細なコンセプトを詰めたことだと考えています。

そのコンセプトとは、次の3点です。

  • とりあえずコピー
  • 自分宛てスキャン
  • 直打ちファクス

すべてに共通する思想として「思い切った割り切り」があります。

とりあえずコピー」というコンセプトでは、次のような割り切りをしました。

最近のコピー機はプリンタとしての利用が主で、単なるコピー作業はあまりしない。

利用シーンとしては、「会議のときに、急に手元の資料を全員に共有したい」といった状況を想定しています。要は、とりあえずコピーをとりたい、部数だけ設定できればよくて、複雑な設定はいらないというシーンですね。

「とりあえずコピー」のコンセプトが反映された、かんたんコピー機能

自分宛てスキャン」も、かなり割り切っています。

書類をスキャンして自分宛てに送れれば、それでいい。

最近のコピー機にはスキャン機能が付いていることが多いのですが、だいたいは高機能なものです。スキャンの設定を細かく指定できて、スキャン結果はメールやファイル共有やFTPなどさまざまな手段で配信できます。

でも、実際の利用シーンを見ていると、「とりあえず自分に送ってから、自席で落ち着いてメールをだれかに転送」という行動をしています。コピー機で複雑な設定ができる必要はなくて、とにかく自分宛てにスキャンできればいいんですよね。それがユーザーにとっての、本当の「かんたん」なんです。

「自分宛てスキャン」のコンセプトが反映された、かんたんスキャン機能

直打ちファクス」も同様に割り切っていて、アドレス登録などの機能は省略しています。

いまのファクス送信シーンでは、送信先を直打ちできればそれでいい。

というのも、今やもう日常では、ファクスを使うことはほとんどありませんよね。使うのは「なにかの申し込みのときに、受付窓口がファクスのみ」といった特異な状況だけです。となると、アドレス登録なんてしていないはずなんです。

それならば、ファクス番号を手元で見ながら直に打って、確認しやすければそれでいいのです。これも複雑な機能はいらないという判断をしました。

さらに、 - とても活用するヘビーユーザー - 上記のような、ほとんど利用しないユーザー の2極化した利用状況が、営業ヒアリングなどから見えてきました。そこで今回はかんたんファクス開発は見送り、ヘビーユーザーに対して標準ファクスのUI改善を行いました。

実際の利用シーンを見ていると、本当に必要な機能だけが見えてくる。

そこに割り切ることが、ユーザーにとっての本当の「かんたん」につながる。

機能を隠すだけではない本当の「かんたんUI」。思い切って絞り込むことで尖った新しさを創出

―― すごい割り切りですね。どうしてそこまで割り切れたのですか。

後発メーカーなので、尖ったことをしないと、受け入れられない、新しさが出ない ―― そう考えました。弊社はコピー機のシェアが競合他社に比べて低いので、凡庸な製品をつくっていてはなおさら埋もれてしまいます。

またハードウェアは、一度つくったらかんたんには変えられませんが、ソフトウェアやOSはどんどん新しくできます。後からででもいろんなことができるようになるので、他社も次々と新しい機能を取り入れてきます。

となると今のメーカーは、ハードウェアをちゃんとつくるだけでなく、インターフェイスもしっかりと新しいものにしていかないと、この先ユーザーが離れていくだろう――そういう直感がありました。他社も新しいことをしてくるから、もっと新しいものを出しておく必要があるんです。

そこで打ち出したのが「かんたんUI」です。

もちろん、他社からも「かんたんに使えます」というコンセプトのものが出ています。でも実際の製品を見てみると、ちょっと違う印象がありました。というのも、最初はシンプルな画面なのですが、[詳細設定]のようなボタンを押すと複雑な機能が出てくるんですよね。

それに対して弊社では「本当にかんたん使える」点にこだわったコンセプトにしました。複雑な機能をどこかに隠すのではなくて、思い切って機能を絞っていったのです。

差別化と今後のためのコンセプトが、「かんたんUI」。

複雑な機能をどこか隠すのではなくて、思い切って機能を絞っていった。

UXではユーザーを見る。でも競合調査も実は大切

―― お話を伺っていると、競合他社機にも詳しいですね。ユーザーエクスペリエンスの分野では「競合よりも、まずユーザーを中心に見ましょう」という話が多いです。「競合をよく見る」というのは新鮮に感じます。

競合調査は大事です。他社がいったいなにを考えているのか。それに対して自社はどういうアプローチをしていくかという観点ですね。

たとえば弊社でいうと、コピー機の競合他社としては、リコーさん、キヤノンさん、富士ゼロックスさんなど、名だたるメーカーがあり、それぞれアプローチが異なります。

あるA社さんのインターフェイスは、昔から「1画面の情報量が少なくて、階層が深い」というのが基本でした。

また別のB社さんのインターフェイスは、「横長の画面でほとんどの機能が表示されている」というものです。1画面ですべて操作できるけれど、ボタンがいっぱいあって探すのがたいへんです。

しかし、時間が経つにつれて、各社さんのインターフェイスも変わってきます。

たとえばA社さんは、深かった階層を浅くするようになり、そこそこ機能がはいっているモードを追加するように変わってきました。逆にB社さんは、「かんたんUI」のような情報量を絞った画面を出してきました。

要は、お互いのいいとこ取りみたいな感じになってきたんですね。でもA社さんは「かんたんUI」まではつくらない。おそらく、以前から「情報量を絞ったインターフェイス」を基本にしているので、かんたんモードをわざわざつくる必要はないと考えているのではないかと思います。

業界の各社さんのインターフェイスがそうした状況のなかで、「東芝テックの魅力として、どこを尖らせていくのか」を考えてたどり着いたのが、冒頭でご紹介した「かんたんUI」の3つのコンセプトだったんです。

コンセプトを明らかにして、フォーカスすべきところに注力する。そういう考えかたでいかないと、使いやすいものはできません。考えうるユーザーすべてに対して最大公約数のインターフェイスをつくると、だれも幸せにならないんです。「このユーザー向けに」「あのユーザー向けにも」と要素を追加していくと、だれにとってもよくわからないインターフェイスになってしまいます。

「かんたんUI」は、ユーザーにとって「かんたん」が本当に意味しているところはどこなのかというコンセプトがはっきりしていたので、良いインターフェイスがつくれました。そうではなく、コンセプトがぼやっとしていたら、結果としてつくられるインターフェイスもぼやっとしただろうと思います。

割り切るところはしっかり割り切ることが大事です。コンセプトをはっきりさせるには、割り切ることなんです。

すべてのユーザーに向けた最大公約数のインターフェイスをつくっても、だれも幸せにならない。

コンセプトを明らかにして、割り切るとところは割り切って、フォーカスすべきところに注力する。

将来のビジョンを可視化して社内に見せるのも、デザイン部門の役割

―― ほかにはどのようなUXデザインの事例がありますか。

もう1つの事例は、POSシステム、たとえば小売店のレジなどのシステムですね。

POSシステムの国内シェアでいうと、弊社は約50%を占めるトップです。市場の先端にいるということは、つねに新しいものを提案していかなければならないという立場でもあります。

弊社では、社内向けの展示会を年に1回ひらいており、将来に向けたコンセプト製品などを、デザイン部門や設計部門が展示して社内にアピールしています。

メーカーのデザイン部門がもっている役割のなかに、「将来のビジョンを可視化して社内のみんなに見せていく」というものがあります。もちろんプロダクトをデザインするのも仕事なのですが、「将来をわかりやすく示す」のも大切な役割なんですね。

そのため「POSシステムについて、デザイン部門から新しい提案をしよう」ということで、その展示会に向けてコンセプト製品をつくりました。他社にも、どこにもないコンセプトを提案しないといけない。そのコンセプトを導き出すために、UXデザインの手法を、試行錯誤しながら使いました。

将来のビジョンを可視化して社内にわかりやすく示していくのも、デザイン部門の役割!

―― 具体的には、どのように進めたのですか。

まずは、カスタマージャーニーマップをつくりました。

「買い物客が、お店で買い物をする」ジャーニーを、次の4パターンでマップにしたんです。

  • 大型量販店
  • 中型量販店
  • 駅前狭小店
  • 高級店

各マップの時間軸としては、次の4段階にしました。

  • 買い物前
  • 買い物中
  • 会計
  • 買い物後

そうした時間軸で買い物客の行動を描くと、お店の中だけでなく、お店に行くまでやお店から帰ってきたあとまで含めたカスタマージャーニーマップになりました。

POSシステムのデザインだけど、「店員」ではなく「買い物客」が満足できるように

―― カスタマージャーニーマップは店員ではなく買い物客を想定してつくったのですね!

POSシステムは店員が使うシステムですから、通常ならば店員のジャーニーマップをつくるところでしょう。しかしこのときは、店員よりも、買い物客がいかに快適に買い物をできるかという観点から見るほうがよいと考えたのです。

というのも、店員のジャーニーマップをつくると「効率化」「不満」に意識がいきがちなのです。しかし、流通や小売という分野で本当に大切なのは「買い物客がいかに快適か」ということです。買い物客が満足できると、店員もうれしいですからね。

みんながうれしいものを中心において、そこから発想したほうが、より本質に近づけるだろうと考えました。

「使う人」だけ見るのではなく、「関係するみんながうれしいもの」を中心において考える。

―― ユーザーの行動は、どうやって洗い出していったのですか。

「ものを買う」という行動は、だれでもすることなので、特別に被験者を集めるということはせず、デザイン部門のなかでディスカッションして出しました。各人の生活体験をもとにしています。

ディスカッションのなかで「そんな買い物をするの」という、ほかの人の買いかたにびっくりしたこともありました。

―― 驚くような買いかたというのは、どういうものですか。

すごいスピードで買っていくんです。保育園にお迎えに行く乗り換えの10分で、夕食の買い物はぜんぶする。レジ待ちが5分くらいかかるから、もう即決で買っていく、といった感じですね。――じつは、その行動をするのは私なんですけどね(苦笑)。みんな「ええっ」と驚いていました。

ほかにも、たとえば高級スーパーが大好きな人もいました。「高級スーパーに行くと生ハムを買いたくなる」とか「レジで商品を袋を詰めてくれる人がいるんだよ」とか「品ぞろえが他店とちょっと違うから、行くとなんか楽しい」なんて声がありました。

あとは、クーポンやお店のポイントカードを活用する人がいれば、一方「個人情報を出すのは嫌だから、値段が高くてもカードは絶対つくらない」という人もいました。

ジャーニーマップをつくったからといってアイデアが浮かぶとは限らない

―― そうやって集めたユーザーの行動をジャーニーマップにまとめたあとは、どうしたのですか。

ジャーニーマップから、問題点をグルーピングして重要度の分析をしたのですが、そこで行き詰まってしまったんです。

いざアイデアを出そうとすると、新規性のあるアイデアがぜんぜん出てこなくなりました。というのも、問題点をキレイにまとめていけばいくほどに、

  • 生のデータ感
  • リアリティ
  • 魅力

といったものがどんどん失われて、面白味がなくなってしまったんです。普遍的な問題ばかりに見えてしまうという感じですね。

それで、「これでは今までと変わりがない。このやりかたをしては駄目だ」と判断して、もう一度ジャーニーマップに戻りました。すると、新しいアイデアが出始めたんです。

UXデザインのアイデアを考えるときには、ポイントを抽出して整理する前のユーザーの生の声が見える状態にしておくのがいいんですね。

UXデザインでは、ユーザーの生の声に立ち戻るのも大切

そうすることで、新しいコンセプト製品のアイデアが、いろいろと出てきました。たとえば、こんな感じです。

週末に車でお買い物の家族連れには、カートのまま駐車場まで楽に運べて、子供が大好きなセルフでできる専用のレジを用意しよう。

仕事帰りのお母さんは、さっと買ってさっと帰りたい。だから、並んでいる間に電子マネーにチャージできて、クーポン券を探す必要もなく、レジ待ち時間が少なくなるカード専用レジを用意しよう。

「カートtoカートセルフレジ」が家族連れ向きのレジで、「ITエクスプレスレーン」が忙しいお母さん向きのレジ。

忙しい人はセルフレジのほうが向いているように思われるかもしれないが、実際には、忙しくて購入点数が多い方はセルフよりITエクスプレスレーンのほうが早いと考えられるという。というのも、商品のスキャンは店員がするほうが圧倒的に速く、待ち列の原因の1つとしてお客さまが小銭を探すのに時間がかかることがあるからだ。

アイデアは手法からは出ないんだと思います。手法は大事なんですが、アイデアを発想するときは手法と発想を行き来させながらやっていくのが良いようです。

手法を正しく使うことで、ユーザーの生の声が、人のなかに消化されていって、醸成されていきます。そこから出てくるのがアイデアなんだと思います。手法は、血中濃度をあげてアイデアを発想しやすくするためのものなんです。

UXデザイン手法だけでは、良いアイデアは生まれない。

そして、どこかで発想のジャンプが必要なんだと思っています。私はそれを「デザイナーズジャンプ」と呼んでいます。

理屈からは出てこない面白いものをつくり出す「デザイナーズジャンプ」

―― 「デザイナーズジャンプ」とは、どういうものでしょうか。

言ってしまえば、論理を飛び越えて「えいやっ」とアイデアを出すことです。段階をふむのではなく、なにかわからないけど絵を描いてしまうような。

デザイナー的には、「ジャーニーマップをつくって、問題点をまとめて、シナリオをつくって」としていると、絵を描くころにはもう気分が萎えてしまっているんですね。もともとあった面白味が、どこかに消えてしまうという場合があるんです。

なので、「えいやっ」と発想するやり方も併用するんです。話しながらなにか思いついたら、もう描いてしまう。論理立っていなくていい。そこからブラッシュアップしていけばいい。

そうしたことから、理屈のなかからでは生み出されない面白いものができる感じがします。

―― UXデザインの手法というのは、その「デザイナーズジャンプ」を、再現性のある形でできるようにするためにプロセス化してきた歴史があると思っています。そこを、「デザイナーズジャンプのままでもいいじゃん」という割り切りは、新鮮に聞こえました。

そういうこともあっていいと思うんですよ。道は1つじゃなくていい。手法を否定しているわけではないんです。ただ、きっかけのつくりかたは、いくつもある。そのなかには、順序立ててしまうと出せない面白味もあるんです。

とくに「将来のビジョンをわかりやすく示す」といったような場合には、そうした発想も大切なんじゃないかな、と。

―― 「守破離」の「破」ですね。

UXデザインの道は1つではない。あえて順序から外れることで浮かぶアイデアもあるはず。

社内他部署のココロを動かしていくには日々の活動にも工夫を

―― ちなみに、社内の展示会に出したコンセプト製品というのは、その後、どうなるのですか。

単体で製品化されることもありますし、アイデアを分解してさまざまな製品の随所に反映していくこともあります。社内の展示会に出すというのは、将来のビジョンが、やがて社内のあちこちに散らばって、広がっていくという意味もあるんです。

あとは、社内へのブランディングにもなります。設計部門や商品企画部門の人が、

うちのデザイン部門は、面白くて、かつ夢物語ではなく根拠のあるデザインを提案してくれる。

と感じてくれれば、それが社内における信頼感にもつながり、仕事を進めやすくなりますからね。

抜きん出たアイデアを具体的に示せれば、社内へのブランディングになり信頼感にもつながる。

―― 社内を動かしていくのは、たいへんそうに思いますが、いかがでしょうか。

コピー機の操作パネルのときは、「新しいインターフェイスがほしい」という要望が設計部門からあったんです。設計部門からそういう声が出たのは、うれしいことでしたが、それはデザイン部門として継続的に行ってきた活動があってのことなんです。

というのも、10年くらい前から、競合他社のベンチマークはしていて、使いにくい箇所については、設計部門へずっと伝えていたんです。でも、開発の優先度などもあり、なかなか改善できなかったんです。

前述のように、新しいコピー機のインターフェイスの提案を、社内展示会でしてきたのも、継続的な活動の1つです。

さらには草の根運動として、新入社員の研修に、ユーザビリティの項目を組み込んでいます。コピー機の部門に配属された技術者に、当社の機械と他社機をずらっと並べて、1日かけて操作し尽くして、ユーザビリティテストをしてもらうんです。そうすると、当社機の使いにくいところや他社機の良いところを、配属直前のまっさらな状態で、ひととおり体験してもらうことができる。

そういう地道な草の根活動も10年くらい前から行っているのですが、だんだん効いてきたように感じます。

そうした積み重ねが実を結んで土壌ができ信頼感がうまれた結果、設計部門からデザイン部門への声がけにつながったんだと思っています。

信頼と安心を生みだしてくれる肩書きで仕事がスムーズに

―― 駒宮さんは HCD-Net認定 人間中心設計専門家 の資格をとっていらっしゃいます。資格をとって良かったことをお伺いできますか。

名刺に資格が書いてあると、お客さまのところへ行ったときに、よく話題になります。

だいたい「人間中心設計専門家ってなんですか?」から始まるのですが、

人とシステムとのかかわりをスムーズにする、人に視点をおいた設計をする、その仕事を何年もやった実績を証明する資格なんです

といったことを説明していくと、そこから話が広がります。

そうすると、その後に、お客様に提案をするときに「このような理由で使いやすいんですよ」という説明をしても、信頼して納得してもらいやすい印象があります。

社内的な面でも、メリットがあります。というのも、「ユーザビリティや使いやすさについての仕事は、デザイン部門が担当するんだ」ということが明確になるからです。

ビジネス側の人には「デザイン≒ビジュアルデザイン」という認識の人もいますよね。そうした人にとって「デザイン部門」というラベルからは、UXデザインや人間中心設計をやっているところだとイメージしづらいじゃないですか。

でも「HCD-Net認定 人間中心設計専門家がいる」となると、ユーザビリティという観点の仕事もデザイン部門に頼んでいいんだということがわかります。それで、安心して仕事を依頼することができるようになるのだと感じています。

―― ありがとうございました。

取材・文・写真:羽山 祥樹(HCD-Net)
資料画像提供:東芝テック株式会社

「HCD-Net認定 人間中心設計専門家・スペシャリスト」受験者を募集中(申請締切: 12月20日)
あなたも、UXや人間中心設計のプロとして駒宮さんのように活動してみませんか?

現場のエンジニア・デザイナー・ディレクタ-の方、あなたも「人間中心設計(HCD)」の専門家として資格をとりませんか?

人間中心設計推進機構(HCD-Net)が実施する「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」は、日本で唯一の「人間中心設計(HCD)」の資格として、注目されています。

資格認定者の多くは、企業・団体において、

  • 人間中心設計
  • UXデザイン
  • ユーザビリティ評価
  • Web制作
  • システム開発
  • ユーザーリサーチ
  • テクニカルライティング
  • 人工知能
  • IoT

などの業務や研究者として、第一線で活躍しています。

ユーザーエクスペリエンス(UX)や人間中心設計に携わっている方は、ぜひ受験をご検討してみてはいかがでしょうか。

「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」の、今回の受験応募は、11月20日(火)に開始します。受験申請の締め切りは12月20日(木)です。

◆人間中心設計(HCD)専門家・スペシャリスト 資格認定制度
  • 申込受付期間: 2018年11月20日(火)~2018年12月20日(木)
  • 主催: 特定非営利活動法人 人間中心設計機構(HCD-Net)
  • 応募要領: http://www.hcdnet.org/certified/
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