デジタルアーツは、「ランサムウェア被害」に関する調査結果を発表した。自組織が直接的な被害にあったランサムウェアインシデント126件について、ランサムウェアの侵入原因の調査、およびメール添付ファイル、URLのマルウェア種別などの分析を行った。
ユーザーの個人情報や機密データを不正収集するマルウェアが猛威
2025年3月に警察庁が公開した調査レポート「2024年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、感染経路(侵入経路)について、「脆弱性」「認証情報」「設定不備」の3つにほぼ分かれていた。

従業員アカウントや管理者アカウントを悪用する「認証情報」の流出も、大きな割合を占めていることが分かるが、そもそもなぜ認証情報が流出するのかについて、デジタルアーツはフィッシングサイト経由で窃取された可能性に加え、“インフォスティーラー”などのマルウェアにより窃取された可能性を指摘している。「インフォスティーラー(InfoStealer、情報窃取マルウェア)」は、ユーザーの個人情報や機密データを、Webブラウザーやメールクライアントなどから不正に収集するマルウェアの一種だ。
デジタルアーツの提供するメールセキュリティ「m-FILTER」において、ユーザーが受信した悪性ファイルが添付されたメール(メール隔離/削除数含む)をマルウェア別に分類したところ、上位3つはいずれもインフォスティーラー感染を狙うものだったという。

また、デジタルアーツがさまざまなデータソースから収集した悪性URL(フィッシングは含まない)をマルウェア別に分類すると、こちらもインフォスティーラー、もしくはインフォスティーラーをダウンロードさせるためのマルウェアが上位を占めていたとのこと。

調査概要
- 【調査対象】自組織が直接的な被害にあったランサムウェアインシデント
- 【調査時期】2024年1月~2025年5月
- 【総数】126件(うち侵入原因に言及があったもの38件)
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