リンクの価値を測るための指標 - 『検索エンジン最適化の初心者ガイド』改訂版#7-2
この記事は、『検索エンジン最適化の初心者ガイド』をセクションごとに書き直していく過程のエントリだ。この構想については、概要を見てもらえば、もっとよくわかるだろう。
リンク構築キャンペーンを始める前に
あらゆるマーケティング活動と同様に、リンク構築キャンペーンにおいて最初に着手する工程は、目標とその目標を達成するための一連の戦略を設定することでなければならない。
しかし、悲しいかな、リンク構築は測定することが最も難しい活動の1つだ。検索エンジン最適化の観点から見ると、特に難しい。各検索エンジンの内部では、正確で数学的な測定基準を使用して各リンクを評価しているが、検索エンジンの技術陣以外の人間がこうしたデータを取り出すことは不可能だからだ。したがって、僕らはSEO担当者として、リンクが持つ価値を評価するための尺度を構築する上で役に立つ、多数の要素を参考にするしかない。
上で挙げた測定しにくいいリンクシグナルのデータに加え、次のような評価基準もある。
関連した検索語におけるページの表示順位
所定のページについて、検索エンジンがどの程度高く評価しているのか判断する最善の方法の1つは、そのページがターゲットとしているキーワードやフレーズ(特にタイトルや見出しで使用しているもの)をいくつか選んで検索してみることだ。関連性の高いクエリで上位に入るページは、そうでないページよりも価値が高い傾向にある。グーグルのツールバーページランク
ツールバーページランクの精度と更新の頻度に対しては、長年にわたって数多くの批判が寄せられている(グーグルは、ツールバーページランクのデータを3か月から5か月ごとにしか更新せず、スパムや過度の分析を防ぐために、数値を故意に操作することもある)。とはいえ、この数値を確認することは今もなお有用だ。ツールバーページランクの高いページは、ツールバーページランクが低いあるいはゼロのページよりも多くのリンク価値を渡す傾向がある。ツールバーページランクの情報が利用できない状態(棒グラフが灰色の状態)になっているページがあったとしても、早計は禁物だ。これらは最後の更新以来、目に見えるツールバーページランクを与えられていないだけで、非常に価値の高いページだという可能性があるからだ。ドメイン名の人気度とオーソリティ
具体的な数字で測るのが難しい評価基準だが、Alexa、Compete、Quantcast、Google Trends for Websitesなどの情報源は、どれもウェブサイトの相対的な人気度を評価するのに役立てられる。人気の高いサイトであればあるほどリンクしてもらう価値も高いという傾向がある。Yahoo!サイトエクスプローラーで調べる被リンク
Yahoo!のサイトエクスプローラー(英語版)は、指定したサイトまたはページに対して張られたリンクを確認するのに役立つツールだ。このツールを使用すれば、相対的なリンク人気度や、リンク元に基づく該当ページの重要度を推定できる。一般的に、獲得しているリンクが強力で重要なページやサイトほど、リンクを通じて受け渡す価値も多くなる。Google Blog Searchで調べる被リンク
Google Blog Searchは、グーグルが管理しているツールの中で、正確な被リンク情報を提供してくれる唯一の存在だ(グーグルで「link:」を使った検索は事実上役に立たず、リンク数を表す数値すら示してくれない)。このツールは、ブログやXMLフィード由来のリンクを示すだけだが、ブログ界においてどのサイトまたはページがオーソリティや注目を集めているのか確認することは、これらのサイトまたはページがもたらすリンク価値を予測する上で有益な判断材料になり得るため、やはり極めて重要だ。リンク元ページ上のリンク数
元々のPageRank公式によると、リンクが引き渡す価値は、ページ上にある他のリンクの存在によって薄まるという(このことは、検証によって最近確認された)。したがって、リンクが少なめのページからリンクを獲得する方が、多数のリンクが存在する同じ(リンク以外の要素はすべて同じという意味だ)ページから獲得するよりも有効だということだ。どの程度の関連性があるかはわからないが(僕らの検証では、重要性は高いと思われるものの、圧倒的というほどでもなさそうだ)、これはリンク獲得を進めていくうえで、必ず意識しておくべきだろう。潜在的な参照トラフィック
リンク構築は、検索エンジンのことだけ考えていればいいというものでは決してない。直接的なクリックスルートラフィックを大量にもたらしてくれるリンクは、検索エンジンが表示順位決定の際に高く評価する傾向があるだけでなく、自分のサイトが対象としている価値の高いビジターを送りこんでくれる(これは、インターネットマーケティングにおける基本的な目標だ)。参照トラフィックについては、サイトの統計データと照らし合わせ、ビジター数とページビューの値に基づいて予測できるのだが、このような数値情報を入手できない場合は、Google Trends for Websites、Compete、Quantcast、Alexaなどのサービスで、少なくともドメイン名全体におけるトラフィックの概要がわかるので、そこからページごとの人気度を推定することが可能だ。
これらの変数は検索エンジンのトラフィックに関係するため、使いこなせるようになるには、時間と訓練と経験を要する。だが、ウェブサイト解析ツール(SEOmozの中ではIndextoolsが人気だが、ほかにも優れたツールが多数ある)を利用すれば、自分のキャンペーンがうまくいっているのかどうか判断できるはずだ。キャンペーンをきちんと管理し、うまく組織化して行えば、検索エンジンのクロール頻度が高まることで検索トラフィックも増加し、参照リンクによるトラフィックの増加にも結びつく。MSN/Liveやヤフーなどに由来する検索トラフィックが増加しているのにグーグル由来のトラフィックに変化がない場合、オーソリティと信用度がより高いリンクを探す必要があるのかもしれない(リンクの評価に関しては、検索エンジンの中でGoogleが最も「厳しい」からだ)。
リンク構築活動の内容は、取り組んでいるサイトの種類によって大きく異なる。小規模サイトの場合、ディレクトリ登録、リンク依頼、相互リンクなど、手作業によるリンク構築が大きな役割を果たすだろう。だが、より規模の大きなサイトの場合、こうした戦術はまったく通用しない傾向があり、より拡張性のあるソリューションが必要となる。次回の記事では戦略のサンプルを取り上げるが、決してすべてを網羅したリストというわけではない(より包括的な概観としては、SEOmozのThe Professional's Guide to Link Buildingを参照のこと)。
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