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アクセス解析データをどう活用するか - 『検索エンジン最適化の初心者ガイド』改訂版#10-3

順位の上下や、トラフィックの増減に対して、どのような点を確認してどう対処すればいいのだろうか。

今回は、測定/追跡したデータを実際のキャンペーンで役立てる方法をお伝えする。

データをキャンペーンに役立てる

数字はただ知るだけでは役に立たず、正しく解釈して軌道修正に利用してこそ価値を発揮する。以下では、データポイントを追跡することでわかる方針転換を促すシグナルのうち、目にすることが特に多いものの例と、そのシグナルをきっかけにどのようなアクションを改善/実行すべきか説明する。

検索エンジンが表示するページ数とリンク数の変動

重要なアドバイスしておこう。「site:」クエリや「link:」クエリで正確な数字が返ってくることはまずないので、トラフィックの減少を伴わない限りは、大幅な増減を示す変動を気にしすぎないように。

たとえば、ヤフーでは日によって「SEOmoz.org」というドメイン名へのリンク数が80万件から200万件の間で変化する。一日で数十万件ものリンクが付いたり消えたりするはずがないのは明らかだが、ヤフーのインデックスにこのような変動があると、こういった数字を見ても実際のリンクの増減に関する手がかりはほとんど得られないことになる。

インデックスされているリンクやページの数が大きく落ちて、しかもその検索エンジンからのトラフィックが同様に落ちている場合は、実際にリンクジュースが失われたか(今までトラフィックや検索順位に大きく貢献していた大事なリンクがまだあるか確認しよう)、ペナルティ、ハッキング、マルウェアなどのせいでインデックスから消された可能性がある。アクセス解析ツールやグーグルのウェブマスターツールなどで徹底的に調べて、考えられる問題を特定すること。

どこか1つの検索エンジンからの検索トラフィックが急減

どこか1つの検索エンジンからのトラフィック量が、広範な検索クエリについて大幅に減っている場合、考えられる原因はわずかしかない。

  • 検索品質かサービスガイドラインの条項に違反したせいで、その検索エンジンからペナルティを受けている。この記事で、検索エンジンのペナルティを特定し対処する方法を確認しよう。

  • 検索エンジンのクローラのアクセスを間違ってブロックしている。robots.txtファイルとmeta robotsタグをダブルチェックして、その検索エンジンのウェブマスターツールで問題がないか調べよう。

  • その検索エンジンが順位決定アルゴリズムを変更して、それが自サイトに不利に働いた。最もありがちなのは、何らかの形で自サイトへのリンクの価値が減るケースで、手作業によるリンク構築キャンペーンで質の低いリンクを集めたサイトではよく起きる。

原因として特に可能性が高いものを特定して、しっかり調査しよう。グーグルのウェブマスターヘルプフォーラムや、Cre8asit ForumsHighRankingsといったフォーラムが役に立つだろう。

複数の検索エンジンで検索トラフィックが急減

サイトでクローラをブロックしたか、インデックス化を禁止した可能性が高い。原因は、robots.txtやmeta robotsタグの問題かもしれない。あるいは、レンタルサーバーや稼働率の問題や、DNSの名前解決の問題など、さまざまな技術的問題が考えられる。

システム管理者や開発者やレンタルサーバー事業者と話し合って、ウェブマスターツールのアカウントと分析を見直し、問題の特定に役立てよう。

個々の検索語における順位の変動

ある語句(あるいは複数の語句)の検索における順位の上下動は、1日のうちに数え切れないほどのページで数え切れないくらい発生しているから、通常は何も気にすることはない。順位決定アルゴリズムは変動し、競合サイトはリンクを獲得したり失ったりし(ページ最適化の手法を実施するかも)、検索エンジンが複数のインデックスの間を行き来することさえある(またクロールやインデックス化、順位決定のプロセスでミスをすることもある)。

順位が大きく落ちた場合は、ページ上の要素に過度な最適化やガイドライン違反がないか(クローキング、キーワード詰め込みなど)注意深く見直し、最近リンクを得たか失ったかチェックしよう。

新しいコンテンツの順位は、一瞬急上昇して一時的に良く見えるようになった後、急落するのが普通だ(SEOの世界ではこれを「freshness boost(新参者のにわか景気)」と呼ぶ)。

小さな変動にあわてないことだ。大きく順位を下げた場合は、決断を下す前に少なくとも数日は待ってみよう。新しいサイトを運営しているとか、リンク構築作業と積極的なマーケティング活動に取り掛かったばかりとかいう状況なら、急上昇や急落もよくあることなので、そうしたことも想定しながら取り組みを続けること。

リンクの測定指標が上がったのに検索順位が上がらない

多くのサイトオーナーは、ページの最適化やリンク獲得といった「古典的な」SEOをやると、すぐに効果が出ることを期待できるものだと思っている。でも、残念ながらそうはいかない。特に、非常に競争率の高いキーワードで争っている新しいサイトやページ場合、順位が上がるのには時間がかかるし、すばらしいリンクを多数獲得したからとって絶対に検索順位の1位を取れるとは限らない。

検索エンジンは、リンクを張ってくれたすべてのページをクロールするだけでなく、インデックス化して処理もしなければならないことを覚えておこう。検索エンジンはデータの新しさを確保するために、メインインデックスとは別にデルタインデックス(差分インデックス)を使っていることがほぼ間違いないので、目指す数値や順位を手に入れるまでに、取り組みから数日または数週間かかることもある。

用語集
DNS / SEO / metaタグ / robots.txt / アクセス解析 / インデックス / キャンペーン / キーワード詰め込み / クローキング / クロール / ドメイン名 / リンク / 検索エンジン / 検索エンジン最適化の初心者ガイド
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