Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

ヤフーのSite Explorerと検索を使いこなして被リンクに関するデータを活用するこれだけの方法

ヤフーは、Yahoo! Site Explorer日本語版サイトエクスプローラー)および高度な検索コマンドを通じて、現在ウェブで入手できる中で最も豊富なリンクに関するデータを提供してくれている。

ただ、こういったツールがあり、それを話題として取り上げたすぐれたブログやリソース(123)もあるというのに、ヤフーのデータをどう活用すればいいのか、SEOを職業としているすべての人が熟知しているというわけではなさそうだ。

さらに悪いことに、リンクの計測や定量化、レビューといった作業の重要性に気づいてない人がいる可能性もある。この記事では、このような問題をある程度解決し、さらにやるべきことがあるかどうかを考えてみようと思う。

それじゃ、簡単なアンケート調査から。

さて、投票が済んだところで、ヤフーはリンクに関してどんなデータを提供しているのか見ていこう。

ヤフーを通じてリンク情報を得るには2つの方法があるんだ。1つはサイトエクスプローラーを使う方法で、独自のインターフェイスを通じてリンクデータを閲覧できる。もう1つが通常のWeb検索エンジンを使うやり方で、こちらは、リンクをベースとしたクエリにさまざまなパラメータやオプションを追加して調べられる。

Yahoo!のサイトエクスプローラー

サイトエクスプローラーには、次のような基本的な機能しかない。

  • 指定したURLに対するリンクをリストアップする

  • URLの代わりにドメイン名を指定することもできる(例:「southernfood.about.com」「www.seomoz.org」「reddit.com」など)

  • 配下のサブドメイン名すべてを含んだ、ドメイン名全体のリンク情報も得られる(例:「impressrd.jp」と指定すると「www.impressrd.jp」「web-tan.forum.impressrd.jp」「i.impressrd.jp」などのサブドメイン名のページも検索対象となる)

  • オプション指定によって、サイト内リンクを除外できる

※Web担編注 自分のサイトを「管理サイト」として登録すれば、これ以外にもGoogle Webmasterツールのような機能が提供される

サイトエクスプローラーの使い方は簡単だ。調べたいURLを入力してボタンをクリックして、「被リンク元のページ」をクリックするだけでいい。あるいは、Yahoo! Searchで「link:」あるいは「linkdomain:」コマンドを使って通常通り検索すると、Site Explorerにリダイレクトされる。

※Web担編注 Yahoo! JAPANではWeb検索からサイトエクスプローラーへの自動リダイレクトはされない

検索結果のページでは、サイト全体の被リンクやそのページの被リンクを切り替えて表示したり、サイト内リンクを除外したりすることもできるよ。

サイトエクスプローラー最大の欠点は、非常に重要なデータが悲しいくらい欠けていることだ。たとえば、次のようなデータは手に入らない。

  • 順位
    SEOをやっている人間は、検索結果では重要度の高いリンクの方が低いリンクより前に表示されるのが当然だと思っているのに、ヤフーの関係者が公式に述べているところによると、表示されるリンクは「順不同」だそうだ(確かに、検索結果は価値/人気/重要性などから見て、高いものから低いものへと並んでいない)。

  • nofollow属性のリンクが含まれている
    これは本当に残念な不備だと言わざるをえないんだけど、通常のリンクに交じってnofollow属性のリンクもリストアップされているんだ。しかも、両者が見分けられるようにはなっていないから、検索エンジンが実際にどのリンクをランキングの評価に使用しているのか、SEO担当者は自分で1ページずつ調べなくちゃいけない。

  • ターゲットURL
    調べたいページのURLをファイル名まで指定して「このURLへのリンク」を選択しなければ、あるリンクが、そのドメイン名およびサブドメイン名上のどのページに対して張られているのかわからない。

  • アンカーテキスト
    アンカーテキストを表示しないため、そのページにリンクしているキーワード/フレーズ/画像の代替テキストがわからない。

  • 重要性の評価指標
    あるリンクまたはドメイン名について、価値/重要性を示す手がかりがない。まぁ、こんなところにグーグルのPageRankを持ってこられても確かに困るんだけどね。ヤフーには、リンクグラフに基づいた「webrank」という独自の評価指標があったんだが、さっさと(たしか2004年だったと思う)使用をやめてしまったようだ。

こういった欠点はあるけれども、少なくとも、サイトへのリンクという観点から、どんなサイトやページがそのURLやドメイン名にリンクを張っているか、大まかな情報が得られるだけでも価値のあるツールだ。もっと詳しく調べたいと思ったら、個々のリンクをクリックしてみて、さらにデータを集めればいい(ただし、これは時間のかかるプロセスだけど)。

Yahoo! Search

ヤフーでは、サイトエクスプローラーがリンク検索の主力ツールということになっているんだけど、実は、通常のクエリ検索システムで、はるかに強力な機能が提供されているんだ。たとえば、以下のようなリストを手に入れることが可能だ。

  • 個々のページあるいはドメイン名全体に対するリンクのリスト
    「link:http://www.example.com」あるいは「linkdomain:example.com

  • 特定のドメイン上にないページのリスト
    「-site:example.com」あるいは「-site:.co.uk

  • 特定のキーワードを含まないページのリスト
    「-keyword」あるいは「-intitle:keyword」あるいは「-intext:keyword

  • URL/ドメイン名に特定のキーワードを含まないページのリスト
    「-inurl:keyword

  • トップレベルメイン(TLD)で絞り込んだリスト
    「site:.com

  • 地域で絞り込んだリスト
    「region:europe

  • 特定のキーワードを含むページに限定したリスト
    「+keyword」あるいは「intext:keyword」(本文中に出現)あるいは「intitle:keyword」(title中に出現)

  • 複数のページあるいはドメインに対するリンクを含むページのリスト
    「linkdomain:example.com, linkdomain:example.co.jp

こうした検索コマンドの全リストと、その使い方については、アン・スマーティ氏がSearch Engine Journalに投稿したすばらしい記事「1歩先を行くリンク検索:競合相手のバックリンクを調べるための検索コマンド)」をお薦めする。

Yahoo! Searchを使ってリンクを調査する場合には、通常のリンク検索クエリに多少手を加えなければならない。単に「linkdomain:example.com」(ドメイン名に対するリンクを検索)、または「link:http://www.example.com」(個々のページに対するリンクを検索)といった形のクエリを使っただけでは、自動でSite Explorerにリダイレクトされてしまう。Yahoo! Searchからデータを得ようと思ったら、これらのクエリにいくつかパラメータを追加しなければならない。

Yahoo! SearchにもSite Explorerと同じ欠点があり、リンクのターゲットページ、アンカーテキストが示されず、重要性を示す指標もない。

同じことを何度も言うつもりはないんだが、Site Explorerと比べた場合、Yahoo! Searchの方が確かに勝っている唯一の点はクエリを絞り込めることで、その反対に唯一劣る点は、TSV形式でファイルをエクスポートできないことだ。

僕はヤフーのリンクデータをどう活用しているか

僕に言わせれば、リンクはSEOの基本中の基本で、最適化および解析のプロセスから切り離せないものだ。現在利用できるものの中では、ヤフーのデータが最も一貫性があって利用価値が高い(グーグルの「link:」クエリは2003年に使えなくなったし、MSNも今年に入ってこの機能を使えなくした)から、次のような作業を行うとき、僕はそのデータを大いに活用している。

  • サイトが獲得しているリンクのおおよその数と強さを調べる(リンクの強さや弱さが検索順位および検索トラフィックに及ぼす影響を明らかにするため)。

  • リンクの相対的な増加/減少を時系列に沿って追跡する(SEOmozのSEO Analyticsが、ヤフーとYahoo! Site Explorerの両方の数値を追跡するのも、これが理由だ)。

  • 問題を引き起こす可能性のあるリンク(有料リンク、スパムリンク、低品質のリンクなど)や、検索順位の低下を招く危険性のあるリンク(そのリンクが存在することによって、順位の低下を招く場合だけでなく、そのリンクの価値が失われている場合も含めて)を見つけ出す。

  • 404エラーページに対して張られているリンクを見つけ出す。

  • サイト内のあるページについて、他のページと比較した相対的なリンク人気を把握する。

  • ここからのリンクが欲しいと思うドメイン名またはページが獲得しているリンクを調査する。

  • クライアントよりも検索順位の高い競合相手にリンクを張っているサイトの中から、自分の方にリンクしてくれそうなところを見つける。

  • 理想的とは言い難いアンカーテキストを使っていて、修正を求める余地のあるリンクを見つける。

  • サイト内のリンク構造を調査して、問題点または品質向上の可能性を見つけ出す。

  • リンクパートナー間または1企業が所有している複数のサイト間のリンクをチェックする。

  • ヤフーのデータを役立てられる作業なんて、このほかにも100種類以上ある(冗談抜きで、SEO関連の作業をしているとき、僕は1日に3回以上、ヤフーを使っている)。

みんなに質問:

  • Yahoo! Site Explorerおよびヤフーのリンク検索を、君はどんな風に利用してる?

  • 君はこのデータを使ってどんな作業をしてる?

  • どんな機能が欠けている(あるいは、貧弱だ)と思う?

  • ヤフーはSite Explorerを使って何を手に入れていると思う?(誤解しないでほしい。僕はこれが気に入ってるよ。ただ、ビジネスとして捉えた場合、ヤフーの得るもの分からないんだ)

これは僕にとって非常に重要なツールなので、ほかの人たちがこのサービスをどんなふうに利用しているのか、本当に知りたくてたまらないんだ。

用語集
PageRank / SEO / TLD / Yahoo! / nofollow / アンカーテキスト / サイトエクスプローラー / ドメイン名 / リンク / 検索エンジン / 被リンク
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ファネル
ファネル(funnel)とは、ろうと、じょうごのこと。主にマーケティング領域で使 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]