インターネット広告創世記 ~Googleが与えたインパクトから発展史を読み解く~

【決定版】インターネット広告30年史:Google上陸から四マス(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)超えまでの全軌跡

インターネット広告の歴史をGoogleの視点から紐解く連載。黎明期のメディアレップ誕生から検索連動型広告、SNS、AI台頭まで、27名の証言で30年の歩みを解説。運用型広告の仕組みや業界の変遷を辿ります。

四谷志穂(Web担編集長)

7:05

インターネット広告創世記〜Googleが与えたインパクトから発展史を読み解く~

杓谷

杓谷

総勢27名へのインタビューをもとに、約30年に及ぶインターネット広告の歴史を描き出した本連載の全57話の内容を各部ごとにご紹介致します。総勢27名の当事者による貴重な証言をもとに構成した、全57話からなるインターネット広告30年史。その全容を、各部のハイライトとともにダイジェストでご案内します。

『インターネット広告創世記』について

電通の『日本の広告費』の調査によれば日本のインターネット広告費は、2021年にテレビ・新聞・雑誌・ラジオの「マスコミ四媒体」を初めて追い抜き、日本の総広告費の約半分を占める最大の広告媒体となりました。インターネット広告費の調査が始まった1996年からわずか20数年で社会経済の中核へと急成長した一方、詐欺広告やプライバシー問題といった課題も山積しており、その信頼性の確立が急務となっています。

インターネット広告が日本人にとって「最も身近な広告」となった今、インターネット広告がどのような仕組みで動き、なぜ現在のような形に辿り着いたのかを広く共有することは、これからのインターネット空間の健全な未来を築くために不可欠だと考え、本連載を企画しました。

本連載では、インターネット広告市場の約9割を占める「運用型広告」の仕組みを確立し、業界標準を作ったGoogleに焦点を当て、インターネット広告の歴史を振り返ります。ナビゲーターには、Googleの日本法人初期メンバーとしてGoogle広告の黎明期を指揮した佐藤康夫さんを迎え、総勢27名の当事者による貴重な証言を収録しました。単なる年表形式の記録ではなく、現場の熱量を伝える「大河ドラマ」のような物語として、インターネット広告がいかに発展し、社会を変えてきたかの核心に迫ります。

第1部インターネット広告登場前夜編 1982年〜1996年

インターネット広告の歩みを正しく理解するには、歴史の転換点となった出来事の前後の様子を描き出すことが必要です。また、本連載のナビゲーターを務める佐藤康夫さんの視点をより深く共有していただくためにも、まずはインターネット広告が誕生する前の広告業界がどのような姿だったのか、そこから物語を始めていきたいと思います。

第1部は、佐藤さんが旭通信社(現ADKホールディングス)に入社された1982年から物語がスタートします。「大手総合広告代理店」が主導した伝統的な広告業界のビジネスモデルの最盛期から、インターネット広告市場が本格的に立ち上がる1996年までを、一人の広告人の歩みを通して描き出します。

第2部メディアレップ編 1996年〜2001年

1996年、大手総合広告代理店が中心となってインターネット広告を専門に取り扱う広告会社「メディアレップ」が誕生し、日本のインターネット広告市場が本格的に立ち上がりました。第2部では、未知の領域に挑んだ先駆者たちの足跡を辿りながら、Googleが日本に上陸する直前までの黎明期特有の熱気と山積する課題を浮き彫りにしていきます。

第3部検索連動型広告編 2001年〜2007年

2002年、Googleの「AdWords」とOvertureの「スポンサードサーチ」が、ついに日本市場への上陸を果たしました。第3部ではYahoo! JAPANという巨大な舞台で繰り広げられたGoogleとOvertureによる前代未聞のA/Bテストを通じて、検索連動型広告の画期的なメカニズムと、Googleの検索連動型広告の「一体何が優れていたのか」を浮き彫りにしていきます。

第3部検索連動型広告編 2001年〜2007年

第4部スマートフォン編 2007年〜2021年

第4部で描き出すのは、Googleが確立した広告モデルの「モバイルシフト」と、業界全体への波及効果です。同社は米DoubleClickやYouTubeなどのM&Aを通じて外部の卓越したテクノロジーを統合し、デバイスの変遷に合わせて広告の最適解を再構築しました。また、Google出身のタレントたちがFacebookやTwitterなどへ移籍したことで、培われた知見や手法が「業界の標準」として移植され、今日のデジタル広告市場が完成していく様子を明らかにします。

第4部スマートフォン編 2007年〜2021年

YouTube
ナビゲーターの佐藤康夫さんGoogle退任
プログラマティック広告
SNS - Facebook・Twitter
モバイルシフト

本連載はこれまで「Googleの視点」で歴史を辿ってきましたが、大手総合広告代理店の視点に立つと、そこには全く別の物語が見えてきます。特別編では、メディアレップCCIやD2Cの立ち上げに尽力した藤田明久氏の歩みを紐解きます。インターネット広告がマスコミ四媒体を凌駕した今、先駆者が培った知恵や教訓には、私たちが学ぶべき多くのエッセンスが凝縮されています。前例のないAI時代を前に、これからの広告のあり方を探る指針として、伝統的な代理店が築いた「知の集積」に改めて耳を傾けます。

インターネット広告が歩んできたこの二十数年の軌跡は、単なる技術革新の記録ではなく、多くの先駆者たちが「広告の可能性」を信じて挑み続けた情熱の物語でもあります。私たちが毎日目にするインターネット広告の裏側には、常に新しい価値を模索し、時には壁にぶつかりながらも未来を切り拓いてきた現場の熱量がありました。

今、AIという未知の領域へと足を踏み入れる私たちは、再び大きな転換点に立っています。テクノロジーがどれほど進化しようとも、広告の核心にあるのは「信頼」に他なりません。本連載に刻まれた歴史の断片が、これからのインターネット空間をより豊かで健全なものにするための確かな道標となることを願っています。

◇◇◇

2026年1月15日をもちまして、本連載は無事に完結いたしました。これまで温かく見守り、並走してくださった読者の皆様に、心より感謝申し上げます。連載中に設けておりました情報提供フォームも、あわせて受付を終了いたしました。
現在、2026年6月の刊行を目指して書籍化の準備を進めております。さらにパワーアップした内容を皆様にお届けできる日を、どうぞ楽しみにお待ちください!

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