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アトリビューションがネット広告に革命をおこす: Fringe81田中弦氏×アタラ有園雄一氏 対談

各広告チャンネルの本当の効果を把握して管理することでコンバージョンを増やす「アトリビューション」

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アタラ合同会社が運営する、Attribution Management/Modelingについての最新情報サイト「Attribution.jp」より、Web担の読者向けにコンテンツをお届けする。

特別対談です! 先進のインターネット広告テクノロジーソリューションを輩出し続ける革命家ゲバラ隊長ことFringe81の代表 田中弦さんをお迎えし、独自のアトリビューション・メソッドを編み出すアタラCOO有園雄一と、アトリビューションを中心にした様々なトピックについて語り合います。

対談バナー

アトリビューションがインターネット広告業界に革命をおこす

この記事の内容
  • アトリビューションとは何か
  • アトリビューションとアトリビューションマネジメントの違い
  • リスティング広告の課題
  • アトリビューションの果たす役割
  • アトリビューションは難しい?!
  • 広告代理店さんがアトリビューションを取り入れる場合
  • アトリビューションを解明する
  • 第三者配信エンジンの魅力
  • 間接効果と直接効果はどっちが偉い?
  • 松井とイチローはどっちが偉い?
  • コンバージョンのきっかけは何か
  • ラストクリックだけを評価していませんか?
  • アトリビューションモデルとは
  • インプレッションは間接コンバージョンとして評価する?
  • 経路を評価するか、媒体を評価するか
  • 媒体のコスト効率を図る
  • クリックした人はいつ買うの
  • 純広告に価値はあるか
  • リスティング広告の過剰投資を防ぐ
  • アトリビューションを日本に広めるために
  • 人間にしかできないこと
  • インターネット広告の未来

アトリビューションとは何か

有園 本日は、Fringe81代表の田中弦さんをお招きしていろいろお話を伺っていきます。

田中 アトリビューションについて語る会、はじめましょうか。

有園 よろしくお願いします。

田中 はじめに、いったいアトリビューションって誰が言い出したんですか?

有園 誰が言い出したのかは私にもわかりませんし、誰が言い出したって明確な誰かがいるわけではないのかもしれませんね。

田中 そうなんですね。

有園 ただ、私が知っている限りでは、2009年ごろにサンノゼで開催されたSES(Search Engine Strategies)というイベントでレノボさんやクリアセーリングというベンダーなどがアトリビューションについてのセッションでディスカッションを行っていて、その頃から注目がたかまり始めたのはたしかだと思います。

田中 そうでしたか。2009年なんですね。

有園 実は、そのときのイベントに参加した訳ではありませんが、当時グーグルに勤務していて社内でも話題になっていたことを記憶しています。SESは検索業界のイベントなのですが、サーチに携わっている人たちのなかで、コンバージョンにつながったものを分析するのは、いまでいうラストクリックを評価対象にしているのですが、そのラストクリックに至る前の媒体への接触が検索を誘導していて、そこがとても重要ではないのか?という問題提起になったと理解しています。

田中 へぇ~。

有園 たとえば、日本ではテレビCMに検索ボックスが入っていて、見て気になるものを検索した場合やバナーをクリックしてブランド名を覚えて、そのあとに検索するなどがありますよね。

田中 ありますね。

有園 指名検索をしてリスティング広告をクリックすることはありますが、その前にバナー広告がリスティング広告のクリックを後押ししているのではないかと考えられていました。

田中 はい。

有園 リスティング広告は何かに誘発された結果であって、リスティング広告のクリックを誘発したバナーやその他のほうが、リスティング広告より重要なのではないか、そこに予算を振り分けたほうがいいのではないか、ということについて調べて、問題提起をして、実際にやってみたら良い結果が出たんです、というような話しをレノボさんも発表したんだと思いますね。

田中 おもしろいですね。

有園 アトリビューションという言葉ですが、英語で貢献度合いを、「1コンバージョンは何から発生したのか」「貢献は何のお陰なのか」というのを意味する言葉が“attribute(アトリビュート)”と言います。そこから“attribution(アトリビューション)”といわれるようになっただけではないかと思います。誰がアトリビューションやアトリビューションマネジメントという言葉を言いだしたのかは、わかりませんけど。

田中 最初はサーチのほうから「実はね」と言う感じになってきたんですか?

有園 SESではそうですね。

田中 グーグルとかヤフーは、彼らはディスプレイネットワークをもっているんで、サーチとディスプレイの相関関係どうなっているんだっけ、というところが判明してくると、両方儲かってきますよね。

有園 そういう売り手側の戦略というものが働いていたかもしれませんね。

写真1-1

アトリビューションとアトリビューションマネジメントの違い

田中 ところで、アトリビューションとアトリビューションマネジメントってちょっと違うんですよね?

有園 違うといいますと?

田中 僕の理解だと、アトリビューションはどこがどういう風に寄与していますねってことを分析することで、アトリビューションマネジメントはアトリビューションの結果を受けて、予算をディスプレイにもってきたり、媒体AとBがあったら、実はBのほうが貢献していたので予算を媒体Bに傾けましょうとしたりというような予算管理のことなのかなって思っていました。その認識って合っていますか?

有園 合っていると思います。

田中 アトリビューションの定義が、サーチの数だけ増やしましょうという定義だったり、アクセス数を増やしたい場合、一番効率の良い広告の組み合わせは何なのか、という定義だったり、ディスプレイと、サーチのワードと組み合わせなどを分析してコンバージョン数を増やしていくのがアトリビューションマネジメントだと思っている人もいるのかなと思っていました。いろいろな立場によって違うので定義が難しいですよね。

有園 マネジメントというくらいですから、何かをマネジメントしているわけで、そのときに予算配分であったり、メディアプランであったりを見ていくと田中さんはイメージされているわけですね?

田中 そうですね。

有園 私自身も、そのような理解でアトリビューションという言葉をつかっていますね。アトリビューション分析といったら、1コンバージョン発生したときは、どこの何がどのくらい貢献したのかを考えてやっています。

田中 はい。

有園 アタラの話をしますと、アトリビューション分析をやった結果にもとづいて、シミュレーションをして、バナーAとバナーBがあったとして、バナーBのほうが効果が高いと判断されるならば、バナーBに予算を振り向けましょうというようなシミュレーションまでして、実施して結果を見て、結果が良ければまたやりましょうというようなPDCAサイクルを回していけるようにするのがアトリビューションマネジメントであると言っていいのではないかと思っています。

田中 そうすると、今度は、そもそもアトリビューションマネジメントってやったほうが良いんだっけ?という話になりますよね。

有園 そうですね。

田中 いまって、サーチやっている人はサーチの人、ディスプレイやっている人はディスプレイの人という感じに分かれていて、Googleディスプレイネットワークはその真ん中くらいの位置づけで、それぞれが分断していますよね。

有園 おっしゃる通りですね。

田中 それを一緒に、予算管理して予算の振り分けを考えたりするようになれたらお客さんにとってお得なのでは?ということですよね。僕は明らかにお得だと思っているんですが、有園さんはどうですか?

有園 私もそのほうがお得だと思っているのでアトリビューションに携わってその分析を仕事としているわけですが、お客様のなかにはそのこの課題をきちんと把握されていないケースもあるかもしれませんね。

田中 そうですね。

有園 ただ、アトリビューションって言葉は誰が言い出したのかわかりませんが、ここ3~4年で耳にする機会は増えましたね。海外事情にも詳しい田中さんは、広告を配信する側としていまの流れをどう感じていますか?

田中 自分の立場を無視すると、アトリビューションっていったい誰が得なんだって思ったときがありました。重要なのは、お客さんにとって得かどうかってことじゃないですか。

有園 おっしゃるとおりです。

田中 そうすると、サーチとディスプレイが分断していると、それぞれが個別に最適化するしかなくて、特に大手広告主さんのリスティング広告の個別最適化ってほとんどやり尽くした感がありますよね。

有園 ありますね。

田中 そうなると、リスティング広告の最適化というと、さらなるものが必要になりますよね。

有園 はい。

田中 だから、バナー広告を実際に見た人、クリックした人がどれだけサーチの刈り取りに貢献できたかを見ていこうよって話が出てきたのかなって思いました。それで、結局はコンバージョン数がめちゃくちゃ増えましたって話になると良いなって思っています。どうも増えそうだって感じが僕とアタラさんの共通理解としてあるのかなって思っています。

有園 ありますね。

写真1-2

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