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広告代理店さんがアトリビューションを取り入れる場合

広告代理店さんがアトリビューションを取り入れる場合

田中 ちょっと視点が変わりますが、広告代理店さんでこうしたアトリビューションをやろうとすると部署がわかれているのでややこしいと思いますね。

有園 そうですね。

田中 アトリビューションはやる方が大変だと思いますが、お客さんにとってアトリビューションはとても得なことだということを伝えたいです。

有園 伝えたいですね。

田中 アトリビューションは新しい概念で、捉えどころのないフワフワしたものと思われがちです。しかし、やり尽くしたものもあれば、まだ手をつけていないもの(ディスプレイ)もある。これらを適切に組み合わせたら、もっと改善できるし結果も出せるでしょう。それを実現するのがアトリビューションだよということを強烈に謳っていきたいです。

有園 そうですね。代理店さんの話が出ましたけど、実は、代理店さんからもアタラにお問い合わせがあります。代理店さんに対してアトリビューションの勉強会をさせていただいたり、代理店さんからのご依頼でクライアントの情報を分析してシミュレーションしてお返ししたり、ということをやり始めてます。

田中 そうですか。

有園 代理店さんのなかにも、「アタラと一緒に仕事をやりたい」というスタンスのところもあれば、「やりにくい」という声もあるかと思いますが、部署を横断的に考えてアトリビューションについて前向きに捉えようという動きは代理店さんの中でもかなりでてきていると感じています。

田中 それは本当に思いますね。先日、ある代理店さんに聞いて「ほ~う」と思ったことがあります。

有園 ぜひ聞かせてください。

田中 その代理店さんはサーチをかなり大規模にやっていて、ビッグクライアントも沢山もってらっしゃるのですが、「アトリビューションとか出てくると、また面倒臭い事になると思います?」って質問したら「そうではない」と。

有園 へぇ~。

田中 「サーチとディスプレイを組み合わせる」と言う考え方は広告代理店の得意分野なんだと。広告代理店は、いろんな集客手段を組み合わせてどういう風に集客していこうか考えるのが仕事なので、アトリビューションの概念は好きだよと言っていました。そういう考え方をしてくる代理店さんもいるんだなというのが驚きでした。

有園 なるほど。ある意味、アトリビューションは代理店さんの本領発揮みたいなところがありますよね。複数媒体を扱えるからこそできることがありますね。

田中 そうなんですよね。だから余計に、広告代理店さんがどんな組み合わせをするのか見てみたいって思っています。代理店さんからもアトリビューションに対して前向きな言葉をかけていただくんで、一斉に声をかけられると大変ではありますが、きっと盛り上がると思います。

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アトリビューションを解明する

田中 あと、アトリビューションについては、日本で誰も解明していないというところが良いですよね。

有園 解明?

田中 「ビュースルーコンバージョンって本当にあるんだっけ?」とか、「ディスプレイって本当にサーチに貢献してる?」とか、みんな気になっているけれど誰も解明していないじゃないですか。これを解明できたら楽しいですよね。

有園 なるほどなるほど。多分、そういうことをきちんと調査してリリースを出している広告代理店さんや会社は日本ではまだないですよね。アメリカのほうだとけっこうありますが。

田中 アメリカにはありますね。実績あるはずなのに、小出しにしているかんじではありますが。もっとデータを出してくれたら良いのにって思いますよ。

有園 まだアトリビューションという言葉だけではちょっと響かないときもありますが、アトリビューションに関連するニーズの高まりという点では、広告主の方は段々と高まってきたと思います。媒体社さんの反応はどうですか?

田中 媒体社さんはまちまちですね。ただ、RSSのアドネットワークは専門系の媒体社さんが多いので、専門系の媒体社さんは単価が高いからCPC換算すると広告主さんは、「ちょっと高いよね」と必ず二の足を踏んでしまうんです。

有園 そうですね。

田中 でも、メディアさんに、「実は、それは間接効果を出したら結構なボリュームのコンバージョンを出していたことが分かると売りやすくなりますよね?」と聞けば「そりゃそうですね」という風になります。これは喜ばしいことです。

有園 はい。

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第三者配信エンジンの魅力

田中 そもそも、三年位前には同じことをやるためには第三者配信エンジンが必要なんですけど、「第三者配信でやりましょう」と言うと「嫌だ」と言われましたね。

有園 ちょっとそこに、それを入れたくないみたいな。入れたくない理由って何なんですかね?

田中 いろいろあると思うんですけど、一番大きかったのは掲載可否確認。特にアメリカの第三者配信でいうと自由にばんばん入れ替えられるって方式が主流なのでチェックできないところがあったりするので。

有園 では掲載可否の管理ということですね。いわゆる枠管理みたいなのはどうなんですか?

田中 枠管理はあらかじめ何枠と決まっているので、たとえば30枠あって10枠が第三者配信になるかどうかというのはあまり問題じゃないですね。

有園 ということは、変な広告は出したくないというところの確認は人間がしなければならないのでしょうけれど。

田中 はい。でもそれはベンダーとメディアさんでちゃんと紳士的にやれば解決します。全部事前に可否をとっておくとか。

あとは第三者配信でやると全部見えてしまうということがあったりします。

有園 全部見えるんですか?全部見えるというのは、クリック数とかインプッション数とかという話ですか?

田中 それもそうですし、たとえばフリークエンシーとかもわかるので。ただ多いフリークエンシーが駄目だというわけでもないので、そこはちゃんと言えばいいですし。なので、間接コンバージョン見て、もっと価値上げていきましょうよという話をして、第三者配信をしましょうと言うと、まあ90%は大丈夫です。

有園 そうですか。なるほど。では、見えてしまうということよりも効果を見せる方が大事だという風に媒体社さんの意識も変わってきているわけですね。

田中 かなり変わってきています。

有園 媒体社さんによって反応はまちまちだけれども増えてきていると。たとえば、10社に話をするとどのくらいですか?

田中 9社はOKです。

有園 なるほど。それで間接効果を出していきましょうというのも皆その方向で動いていると。

田中 そうですね。

有園 大手も結構そうですか?

田中 大手もそうですね。

有園 新聞社さんであったりとか、日本で一番大きなYahoo! JAPANさんであったりとかはまた違うかもしれませんが。

田中 Yahoo! JAPANさんとかはまだですけれども、他の媒体社さんはもうほとんどOKじゃないですかね。あまり駄目と言われたことがないんですよ。ポリシー的にまだ受け入れていないというところはありますけれども「ここだけだったらどうですか」という話をすると「それはOKです」と言われます。

有園 それは中面みたいな話ですか?

田中 そうですね。「中面だったらいいですよ」というのは出てきてますね。なので、今は拒否されることがない状態ですね。

有園 実は、私もとある媒体社さん、大手のニュースペーパーなんですけど、アトリビューションの勉強会をしてほしいと言われてお話をさせていただいたことがあります。そういう意味では、媒体社さん側でも温度が上がってきていますね。

田中 そうですね。

有園 媒体社さんとしてもアトリビューションをやることで広告の間接効果をきちんと出せるようになり、売り上げを上げていけるんじゃないかという思いが出てきているんでしょうね。

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