Attribution.jp分室

リスティング広告の課題

リスティング広告の課題

田中 そこで広告主さんは「アトリビューションマネジメントやって本当にコンバージョン増えるの?」って話が出てくるのかなぁと思います。

有園 そうですね。アタラとしては、アトリビューションの普及を課題としています。そこで、Attribution.jpというアトリビューション情報サイトを開設して情報発信をしています。

田中 いつからでしたっけ?

有園 2010年11月30日ですね。アトリビューションを日本へ導入したほうがいいよねって話になるきっかけとして、アタラの代表である杉原が海外の情報を収集したりアメリカのSESなどのイベントに参加したりするなかで「アトリビューション」という言葉をよく聞くなと。日本にも導入したほうがいいよねってことになって、アタラを起業するころからアトリビューション情報サイトを作る予定でいたわけです。

田中 へぇ~。

有園 私自身もアタラ代表の杉原と以前にグーグルで一緒に仕事をしていたので、アトリビューションという概念が出てきているということは認識していました。お客様のなかにはリスティング広告をたくさん出している企業がいます。リスティング広告を月額数千万円単位で使っている企業は、なかには億単位の企業もいますが、そうした企業はキーワードを100万単位で出稿しているわけですが、そうした企業は改善をやり尽くしています。

田中 やりきっている感はありますね。

有園 リスティング広告で可能性のあるキーワードはほぼいれていますし、自動化ツールもいれて最適化をやりつくしています。

田中 そうですよね。

有園 もちろん、細かい微調整や改善の余地は残りますが、人間ができる範囲はやり尽くしてしまっていますよねという状況が多いのです。それでも、コンバージョンは増やしたい、やれることは頭打ちであってもコンバージョンを増やし続けなければならないというミッションを背負っている担当者は多いのです。

田中 なるほど。

有園 企業としては常に伸びていかなければならない。そうなってくると、リスティング広告だけではもう伸びない、というときに何ができるかという話になります。

そういう状況の中で、たとえば、とある外資の大手コンシューマー向けパッケージグッズを提供している企業が、グーグルでいうコンテンツターゲットをうまく最適化して出稿した結果、リスティング広告よりもCPAが安くなったという結果がでました。

田中 へぇ~。コンテンツターゲットでリスティングのCPAを上回れるんですね。

有園 私がグーグルにいた頃に同じチームの人間がこの案件を担当していたのですが、試行錯誤した結果、コンテンツターゲットも効果的だという結論に至りました。そうすると、検索連動型広告だけではなく、他のものにも可能性があるのではないかという流れができていきましたね。

田中 おもしろいですね。

有園 あとは、検索ボックスにキーワードを入力して検索すると検索結果がだーって出ますよね。

田中 はい。

有園 検索で来たときにはリスティング広告でお客様を捕まえることはできなかったけれど、自然検索結果からあるサイトへ飛んだ先に自社のアドセンス広告枠が出ていてクリックをしてもらえれば、そこで捕まえられることもあると。その流れでグーグルは儲かります。

田中 儲かりますね(笑)いいなぁグーグルは。

有園 でも、うまく組み合わせることで広告主にとっても効果があれば双方共に良いのではないかと。リスティング広告で行き詰まっているお客様にとってアトリビューションというのは次のソリューションとして選択肢になるんだろうなって思い始めたきっかけとなる出来事です。

田中 そうでしたか。個別でも最適化できた、となると次は組み合わせ、ですね。

写真1-3

アトリビューションの果たす役割

有園 つまり、検索連動型広告とそれ以外のコンテンツターゲット広告への予算配分を最適化する余地があるな、と。そのような流れで、お客様のニーズが検索連動型広告以外にも向いてきたことを感じました。

田中 いま有園さんからサーチ由来のアトリビューションについてお話いただきましたが、いままで僕はサーチの世界の人間ではなかったのです。ディスプレイ広告のソリューションをやっていますので、広告主さんからは、「純広告やアドネットワークの出稿ってどうやって改善するんですか」という質問が来ますし、アドネットワークをやっていることもあって、メディアさんとのお付き合いが多いのですが、「いまは純広告がなかなか売れないんです」って言う話はよく聞くのです。どのくらい売れないのかと言うとセルスルーレートで言うと50%~30%あまっている、ということもよくあります。

有園 なるほど。

田中 じゃあアドネットワークに在庫を出すといっても純広告の部分を全部出してしまうと売り上げが低減してしまうんですね。純広告が100%売れたら問題ないのですが、なかなか高くて売れないとか原因はいろいろあります。お客さんにも「どうせバナー広告はコンバージョン数でないでしょ」と言われてシュンとなっちゃうみたいな話をたくさん聞いてきたので。

有園 聞きますね。

田中 今日本のインターネット広告市場において、サーチが2000億円くらいでしたっけ?

有園 そうですね。最近はもう少しいっているかもしれませんが。

田中 ディスプレイはまだ2800億円くらいあると思いますが、そうするとディスプレイのほうから影響を受けて、実はコンバージョンって出ているんだってことが立証できると、つまり、間接効果としての効果や改善する余地があることを伝えられると、もう少しディスプレイへの出稿金額も増やせるかもしれませんね。

有園 たしかに。

田中 広告主の皆さん、サーチはやり尽くした感がありますが、サーチをバナーと組み合わせたときにもっと効果が出ることを伝えられるといいなと。それは、アトリビューションを通じて伝えられると違ってくるのではないかと思いました。バナーの効果はまだまだあるぞと。

有園 田中さんは媒体社さんと話していてバナー広告の販売に悩んでいる、という話を聞くなかで、もっと媒体やバナーの価値を立証していきたいということでアトリビューションに興味をいただいたわけですね。

田中 はい。いろいろ調べていくうちに、バナー広告とサーチは密接な関係にあることに気づき、これは両方見なければならないなと思ってきたわけです。

アトリビューションは難しい?!

有園 ところで、私の場合、去年の今頃と比べるとアトリビューションという言葉も浸透してきて、かなり日本での理解が広まってきていると思います。田中さんはお客さんや代理店、市場でどう思われていると思いますか。

田中 うーん。広告主さんに「アトリビューションの話をしましょう」といくと「まだわからん」と言われる状況だと思います。しかし、「コンバージョン数をもっと増やすための方法を考えませんか?」と提案すると少しは聞いてもらえます。リスティング広告をやり尽くしていても、ディスプレイとサーチは関連性があるので、これらをうまく組み合わせてやるとコンバージョン数がもっと増えるかもしれません。それを一緒に考えませんか?と言うと相手は「そうかもしれないね」と聞く耳をもってくれます。

有園 そうですね。

田中 アトリビューションマネジメントと言うとまだまだ難しいと思われがちです。

有園 はい。

田中 どちらかというと「各チャネルの予算管理をちゃんとやりましょう。そうするとコンバージョン数が増えますよ。そうなると嬉しいですよね」と言うのが一番刺さります。

有園 うちはAttribution.jpというサイトを運営している関係もあって、アトリビューションに関する問い合わせがきます。アトリビューションという言葉を知っていて、言葉の意味もある程度は理解されている方が多いです。

田中 そうでしょうね。

有園 ただ、お客さんにとって「アトリビューションのモデルが何か」というような詳細な話しは気にならないようです。

田中 そうですか。

有園 田中さんがおっしゃったようにアトリビューションを「予算の最適化をするソリューションなんです」と言い方を変えて伝えると分かりやすいようですね。

田中 うちはCPA系やBtoB系のクライアントさんがいるので「本当にコンバージョンが増えるのか」というのは皆さん謎に思っていて「やってみてください、増えましたよね」というとやはり喜ばれますよね。

有園 「増えましたよ」となると喜ばれますよね。

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