内部リンクにトラッキングパラメータを付けるのはSEO面でリスクあり【SEO記事12本まとめ】
SEOを考慮するのであれば、内部リンクにはトラッキング用のパラメータを付けないほうがいい場合もある――サイト内のユーザー行動を分析したい場合でも。その理由をグーグルが解説している。
ほかにも、次のようなSEOネタを今週もまとめてお届けする。あなたの仕事とスキルアップに役立ててほしい。
- Search Consoleから緊急警告! 検索結果のクリックが著しく減少しました
- 3万ページを削除したら、検索ランキングへの影響はいかに?
- Fetch as Googleを使いすぎるとペナルティを受ける!?
- リンク否認ツールの間違った使い方: ×見覚えのないリンクを否認する
- サイトの長期的な成功は「ランキング要因の研究」ではなく「UX改善」が必要
- figcaptionタグはalt属性の代わりになる?
- URL検査ツールでPCサイトのスクリーンショットを取得できない
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今週のピックアップ
内部リンクにトラッキングパラメータを付けるのはSEO面でリスクあり
canonicalより優先されるかも (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
SEOを考慮するのであれば、内部リンクにはトラッキング用のパラメータを付けないほうがいいようだ。
サイト内でのユーザーの行動を把握するために、「どのページの」「ページ内のどの部分からの」リンクをユーザーがたどったのかを判別するパラメータをサイト内リンクのURLに付けている人もいるかもしれない。たとえば次のようなものだ。
特集ページの本来のURL:
https://example.com/feature
特集ページへのリンクのURL(トップページのカルーセルから):
https://example.com/feature?from_page=front&from_block=carousel
特集ページへのリンクのURL(ログイン後のマイページから):
https://example.com/feature?from_page=mypage&from_block=logged_in
このようにしておくと、リンク元ページのPV数やリンク先ページのPV数などとあわせて分析することで、
この部分からこのページに移動している人が多いよね
ここにリンクをおいても意外とクリックされないんだね
といったことを分析できる(Googleアナリティクスのutm_***パラメータを使っている人もいるかもしれない)。
しかしグーグルによると、内部リンクにはこうしたトラッキング用のパラメータを付けないほうがいいようだ。理由は、rel="canonical"
でパラメータなしの正規URLが指定されていても、グーグルがパラメータ付きのURLのほうをインデックスしてしまうかもしれないからだ。
その背景には、次のような事情がある。
グーグルは、正規URLを決定する手がかりとして
rel="canonical"
を重視している。しかしグーグルは、
rel="canonical"
を「指示」ではなく「重要度の高い情報」として扱う。正規URLの判断においてグーグルは、内部リンクのURLも重要視している。
こうしたことから、
- サイト内の他のページに対して、パラメータ付きURLでリンクしている
- しかしリンク先ページでは、正規化したいパラメータなしのURLを
rel="canonical"
に指定している
という状況になると、正規URLを判断するための2つの情報に食い違いがあるため、どちらのURLを正規URLとして扱うべきなのかグーグルが判断しづらくなってしまうのだ。
一般的には、rel="canonical"
で指定したURLが正規URLとしてインデックスされるだろう。だが必ずしもそうとは限らず、内部リンクで使われているパラメータ付きのURLが正規URLとしてインデックスされてしまうこともありうる(旧Search Consoleの「URLパラメータ」を使えば制御できることにはなっているが)。
また、こうしたパラメータ付き内部リンクは、別の問題も引き起こす場合がある。クロールに関するトラブルだ。
あとから分析するには、リンク元ごとにパラメータを変える必要があるのだが、そうすると、グーグルが認識するURLのバリエーションが非常に多くなってしまう。そうなると、クロールのリソースを浪費してしまうため、ページ数が非常に多い超巨大サイトではインデックス効率に悪影響を及ぼす可能性もあるのだ。
こうしたことから、内部リンクのクリック計測に関しては、パラメータではなくたとえばイベントトラッキングで計測するほうが良いだろう。
- アクセス解析担当者に伝えましょう
グーグル検索SEO情報
Search Consoleから緊急警告! 検索結果のクリックが著しく減少しました
慌てずに冷静に対処 (Vance Moore III on Twitter) 海外情報
あなたのサイトの検索結果でのクリック数が1週間で48%減りました。
こんなアラート通知がSearch Consoleに送られてくることがあるようだ。登録してあるサイトの検索トラフィックが著しく落ちたときに知らせてくれるもので、通知を受け取ったサイト管理者がキャプチャをツイッターに上げていた。
@rustybrick have you seen these notices before? pic.twitter.com/JtUahH9Ue7
— Vance Moore III (@VanceIII) February 20, 2019
日本語に直すと次のようなメッセージだ。
https://www.example.comのプロパティで週間のクリックが48%減少
貴サイトのパフォーマンスレポートをSearch Consoleが分析したところ前々週と比較すると先週のクリックに大幅な減少が見られました。この減少は「◯◯」のクエリの減少によるものだと思われます。
- サイトのクリック: -14(-48%)(対前週比)
- クエリのクリック: -4(-100%)(対前週比)
このクエリのクリックの減少の主な原因はインプレッションの減少だと考えられます。
こうしたアラート通知を日本でも受け取ったという情報は筆者は得ていない。もし届いたら教えてほしい。
とは言うものの、この通知は本当に必要なのだろうか? というのも、これを受け取ったからといって、何か対処するための動きができる可能性は低いと思われるからだ。
もちろん、他のページよりもより良い、検索ユーザーに興味をもってもらうページにする努力はするべきだ。しかし、アルゴリズムの変更やグーグル側の事情によるトラフィック変動に関して、こちらですぐに何かできることは少ない。
また、グーグルの変動は一時的なものも多い。そのため、パニックを起こして変な対応をするほうが良くない結果になることもある。
検索トラフィックの急激な落ち込みをSearch Consoleが検知して教えてくれること自体は、ありがたい。しかし、その原因が明確にわかり、対応策を検討して実施できるのでなければ、参考情報の1つとして扱うほうがいいのかもしれない。
通知を送るのならば、そうしたことまで情報として含めてくれるようになると、本当にありがたいのだが……。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
3万ページを削除したら、検索ランキングへの影響はいかに?
悪影響が発生する場合もある (reddit) 海外情報
7万5,000ページあるサイトの3万ページを削除すると、検索ランキングに影響が出るのか?
この質問に、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は次のように回答した。
ページの削除がランキングの下落を起こすとしたら、ほとんどの場合は次のような理由による。
- 削除したページに検索トラフィックがあった
- 削除したページは(サイト内の)ほかのページにリンクしていたが、削除したことでどこからもリンクされていない孤立したページを作り出しPageRankの流れをなくしてしまった
質問者がどういった理由でどんなページを削除するつもりなのかが定かではないので、ランキングに本当に影響が出るかどうかはわからない。だが、大量のページを削除するときに考えられうる悪影響として大規模サイトの管理者は知っておいてもいい情報だ。
もちろん、もしあなたが低品質なページを大量に削除しようとしているのならば、こうしたことは気にする必要はない。ランキングへの悪影響はないだろうから、ぜひ進めてほしい。
ちなみにこの質問者は6か月をかけて自動処理で徐々にページを削除していく計画だそうだ。影響をコントロールしながら削除を実行できるので、このやり方をイリェーシュ氏は支持している。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
Fetch as Googleを使いすぎるとペナルティを受ける!?
受けない (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
検索順位が下落してしまいました。
その直前にFetch as Googleをたくさん使った記憶があるのですが、そのせいでペナルティを受けたのでしょうか?
こうした質問を、ヘルプフォーラムでときおり見かける。
Fetch as Googleの実行と、それに続くURLのインデックス送信は、たとえ過度にやったとしてもそれが原因でペナルティを受けることはない。グーグルのジョン・ミューラー氏も英語版のオフィスアワーで明確に否定している。
これは、新バージョンのSearch ConsoleでFetch as Googleの代替として提供されるURL検査ツールにもあてはまる。
ただし、Fetch as GoogleでもURL検査ツールでも、インデックス送信には上限がある。上限を超過すると一定期間利用できなくなる。また連続で実行すると、「異常なネットワークが検出された」となり、人間が操作していることを証明するための認証(CAPTCHA)を要求されることもある。この点は注意が必要だ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
リンク否認ツールの間違った使い方: ×見覚えのないリンクを否認する
いいえ。答えはこちらで (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
見覚えのないリンクが自分のサイトに対して張られていたら、リンク否認ツールを使って否認すべきなのだろうか? ―― グーグルの答えは「NO」だ。
リンク否認ツールのこうした使い方(誤解)に関して、グーグルの金谷氏がツイッターで啓発した。
質問: 私のサイトへのリンクのほとんどは設定した覚えのないものです。このような場合もこれらのリンクに対処する必要がありますか?
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) February 13, 2019
回答:いいえ。理由は記事をご覧ください!
Google ウェブマスター向け公式ブログ:リンクの否認ツール Q&A https://t.co/hO8RmTjwVE
金谷氏の示した記事では、その理由を次のように説明している。
Google では、それぞれのリンクに適切な重みづけをしており、通常の状況においては、リンクに関する追加情報をお送り頂く必要はありません。このツールの使用が想定されるのは、 主に、ご自身で設置または依頼して作成した、 Google の品質ガイドラインに違反するリンク を理由に Google から 不自然なリンク に関する警告が届き、最大限努力したにも関わらず削除できないリンクがある場合です。
自分もしくは契約していたSEO業者が張ったものでないかぎりは、不自然なリンクを否認する必要はない(たとえ身に覚えがないものであっても)。「グーグルが無効化するので、検索結果に悪影響を及ぼすことはない」からだ。
……そう言われても、グーグルを100%信用できるかと問われれば、疑う人も少なからずいることだろう(SEO関係者には特に)。
その場合は、もちろん否認して問題ない。ただし、次の点には注意しておいてほしい:
否認作業に労力をかけるだけの価値があるかどうかを考えてからにしよう
評価されるべきリンクまで誤って一緒に否認してはいけない(否認によってむしろ順位が下がることもある)
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ソーシャルもやってます!