令和のグーグル検索では、広告を出していても検索順位は上がりません!【SEO記事12本まとめ】
平成から令和へと移り変わらんとする今でも繰り返し出てくる「グーグルにいっぱい広告を出してる企業は、検索ランキングでも優遇されてるのでは?」という話題。グーグルのダニー・サリバン氏も金谷氏も、この件に関してはきっぱりと否定しているし、筆者もそれをまったく疑っていない。
平成最後のこのコーナーの記事では、その理由として最も重要な、時代が移りゆくとしても変わらないグーグルの方針を解説する。
ほかにも、今とこれからのSEOに役立つ次のような情報をまとめてお届けする。
特に、海外SEO情報ブログからピックアップした「Google Discoverのレポート」に関しては、ぜひゴールデンウィーク前に一度はチェックしておいてほしい。
- 2019年4月はグーグル検索に内部トラブルが続出
- 301と302のリダイレクトが混在しているとグーグルは混乱してしまう
- リダイレクトされているサイトからのリンクはどちらを否認するのか?
- robots.txtではnoindexを指定できる(グーグルは公式にサポートしてないけどね)
- 新Search ConsoleでURLパラメータ機能は使えるようになるのか?
- 画像をCDNから配信するときはサブドメインを割り当てるべし
- JavaScriptサイトのためのSEO動画をグーグルが公開
- グーグルマイビジネスでわかりやすい短縮URLを作成可能に
- 直帰が多いページの滞在時間とスクロール量をGTMで正確に計測する方法
- Google DiscoverのパフォーマンスレポートがSearch Consoleで利用可能に
- Google、更新版ウェブレンダリングサービス (WRS) を実際の検索でテスト中
今週のピックアップ
令和のグーグル検索では、広告を出していても検索順位は上がりません!
平成もずっとそうだったけどね (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
Q: グーグルの検索ランキングは、
- Google広告(旧アドワーズ広告)
- Googleアナリティクス
などに影響を受けるのか?
A: どれをどう使っていても、何の影響もうけない。広告出稿金額によって順位が変わることはないし、Googleアナリティクスのデータを元に順位が調整されることもない。
こうしたことに関しては、グーグルも筆者もこれまで何度も同じように繰り返し言ってきている。にもかかわらず、この話題は今でも出てくる。
平成でずっとそうだったように、令和になっても広告出稿やその金額によってグーグル検索のランキングが影響を受けることはない。
グーグル検索の広報役として活動しているダニー・サリバン氏が、非難にも似たツイッターでの問い合わせに答える形で、この点をまた断言している。
私たちの検索結果は広告とは完全に分離されている。
(中略)
検索チームと広告チームも別々だ。すばらしい検索結果を提供することだけに検索チームは気にかけている。
Googleアナリティクスもグーグル検索とは別々だ。Googleアナリティクスを検索には使っていない。すべてのサイトがGoogleアナリティクスを利用しているわけでないのだから、意味がないだろう。Googleアナリティクスはアクセス解析ツールを代表するものではない。
Our search results are completely disconnected from ads. Our "How Search Works" site explains more about this and search generally:https://t.co/O65v1PTehr
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2019年4月20日
Our search & ad teams are also completely separate. All the search team cares about is producing great results....
Google Analytics is also separate from Google Search. We don't make use of that. It wouldn't make any sense, since not all sites use it. It's not representative. And we just don't use any ads signals for search.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2019年4月21日
サリバン氏とほぼ同じタイミングで、グーグルの金谷氏も同じような内容の投稿している。
Google では検索の掲載順位は販売しておりません
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年4月20日
これがその疑問の証明にはならないかもですが、Google 広告を利用していることで自然検索のランキングが上がる、といったことはありません。
よかったらご一読下さい。https://t.co/6Fw0vs87yi#wcan
リンク先ページでは、検索の掲載順位をグーグルは販売していないことが説明されている。
とはいうものの実際のところ、次のように言う人は常に存在する。
グーグルといっても、いち営利企業に過ぎないよね。その主要な収益源である検索連動広告に多くのお金を払う顧客のサイトを優遇しても不思議はない。
つまり、広告出稿の有無や広告費の多寡がグーグルの検索順位決定に影響していてもおかしくない。
そう思いたくなる気持ちはわかる(事実、そうした検索エンジンも存在するそうだ)。
だがよく考えてほしい。検索ユーザーが満足する検索結果を提供すれば、グーグル検索を利用するユーザーが増え、彼らはずっとグーグル検索を使い続けるだろう。そうすれば検索広告の収益は安定し、増え続けるはずだ。
逆に、お金をだしている広告主にとって都合のいいように検索結果を操作したとしたら、確かに一時的には収益が増えるかもしれない。しかし検索ユーザーからみるとどうなるだろうか。「自分の検索意図との関連性の高い検索結果」ではなく「お金で買われた検索結果」を見せるような検索サービスを、あなたは使い続けたいだろうか?
これがグーグルの根底にある思想だ。グーグルは長期的な視点でビジネスを考えている。短絡的な思考に基づいて収益を上げることばかりに意識を向けていたとしたら、現在のような超巨大企業になれたはずがない。
アルファベット傘下になったいまでも、少なくとも筆者は、そうした観点でグーグルを信用しているし、この点に関しては疑ってはいない。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報
2019年4月はグーグル検索に内部トラブルが続出
SC内での通知機能が欲しい (Google Webmasters on Twitter) 海外情報
2019年4月はグーグル検索に内部トラブルが続出する月だったようだ。
グーグル内部の技術的な障害が原因で一部のサイトがインデックスから消えてしまうという事故が4月上旬に発生したことを前回お伝えした。
この件は(当初の予定よりは時間がかかったものの)復旧したのだが、この直後にグーグルニュースにもインデックス障害が発生した(こちらもすでに解決済み)。
We're aware of some indexing issues with Google News content. It appears to involve a limited number of publishers. We're actively diagnosing the news issue now. This is not related to last week's indexing issue, which was resolved.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2019年4月16日
また、Search Consoleのデータにも問題が発生していた。こちらはSearch Console のカバレッジレポートや「拡張」レポート(モバイルユーザビリティ・AMP・イベントなど)のデータが欠損する現象が発生していたというものだ。また URL 検査ツールも最新の状態を正常に反映できなくなっていたそうだ。
Search Console is still recovering from the indexing issue we reported on last week. As a result, index coverage and enhancement reports were not updated recently & URL Inspector might not reflect live status, at the moment.
— Google Webmasters (@googlewmc) 2019年4月15日
Search Consoleの障害も、この記事が公開される頃には完全に復旧しているはずだ。とはいえ、Search Consoleのレポートの数値に急激な減少が見られたとしたら、サイト側の問題ではなくグーグル側の問題である可能性が濃厚だ。
今回の一連の障害に際して、グーグルはそうした事象が起きていることをツイッターでアナウンスしていた(検索のインデックス障害に関してはヘルプページにも記載)。だが全員がツイッターを見ているわけではない。できれば、Search Console内で直接、しかも速やかに案内してもらえると、Web担当者としてはありがたいし、無用な混乱を防ぐことができるように思う。
グーグルのダニー・サリバン氏もこうした要望には賛同の意を示している。グーグル内部での障害発生時にはSearch Console内で適切な通知が掲載されるようになることを期待したい。
+ @JohnMu and agreed, this would be useful.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2019年4月17日
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
301と302のリダイレクトが混在しているとグーグルは混乱してしまう
そもそもリダイレクトの繰り返しを避ける (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
リダイレクトの種類として、HTTPの仕様で次のように定められている。
- 301リダイレクト ―― 恒久的なURL移転(URLが永久に変更されたことを意味)
- 302リダイレクト ―― 一時的な移転(しばらくした後、元のURLに戻ることを意味)
あるURLへのアクセスに対して複数のリダイレクトが数珠つなぎになっていて、そのなかに301と302が混在している場合、どうなるだろうか(たとえば「あるURL→301リダイレクト→別のURL→302リダイレクト」といった状態)。
これはグーグルに矛盾したシグナルを送ることになる。結果としてグーグルは、転送元と転送先のどちらのURLをインデックスし検索結果に表示するかの決定に困る。グーグルはそうした場合、リダイレクトに従うのではなく、「rel="canonical"」「サイトマップ」「リンク」などその他のシグナルに頼って正規URLを判断するそうだ。
グーグルにおいては、一時的な移転であったとしても302が長期に渡って設定されていると最終的には301と同等の処理になる。とはいうものの、一連のリダイレクトで両方を同時に使うのは避けるものだと覚えておくほうがよさそうだ。
そもそも、リダイレクトの繰り返し自体が推奨できない。リダイレクトのたびに遅延が発生して表示速度を損ねる。またグーグルはリダイレクトを5回まで追跡するが、それを超えると404として処理してクロールをストップする。リダイレクトは1回で正規URLに転送するのが大原則だ。
特に、運用歴が長い大規模サイトでリニューアルを何度も経験していると、管理者が認識していないリダイレクトの繰り返しが発生しやすい。たとえば、Chromeにはリダイレクトを追跡する拡張があるのでこうしたツールを利用するのもいいだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
リダイレクトされているサイトからのリンクはどちらを否認するのか?
正規URLが否認対象 (John on Twitter) 海外情報
自分のサイトに対するリンクを否認したい。
Search Consoleのリンクレポートのリンク元のサイトには exapmple-1.com が出ているのだが、そのサイトを確認したら、exapmple-2.com にリダイレクトされている。
否認ファイルに記載するべきは exapmple-1.com のURLなのだろうか? それとも exapmple-2.com なのだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏によれば、否認するべきリンクは正規URLのもの、つまりここでは exapmple-2.com からのリンクだということだ。
もっとも多少の手間がかかるかもしれないが、両方のサイトからのリンクを否認しておくのが安心だとも言える。
Sorry -- I missed this :). Marie's recommendation of just disavowing both is probably easiest. On our side, we see links between canonical URLs, so when there's a redirect involved, you'd need to check which one is canonical. Doing both saves you the extra work :)
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2019年4月18日
- ホントにSEOを極めたい人だけ
robots.txtではnoindexを指定できる(グーグルは公式にサポートしてないけどね)
実質的には機能しているのになぜ? (ary "鯨理" Illyes on Twitter) 海外情報
robots.txtに関する豆知識を紹介する。
robots.txtで disallow
ディレクティブを指定すれば、検索エンジンのクロールをブロックできる。これはrobots.txtの基本的な機能であり、知っている人も多いだろう。
だが、robots.txtで noindex
ディレクティブを指定するとグーグルではその対象のインデックスを抑制できることを、あなたは知っていただろうか。robots.txtの noindex
ディレクティブは、HTMLの noindex robots
metaタグと同様に機能する。
例を示そう。robots.txtとして次のような内容を記述するとどうなるだろうか。
User-agent: googlebot
disallow: /cat/
noindex: /dog/
この場合は、次のような指示だと解釈される:
- グーグルに対して(
User-agent: googlebot
)- /cat/配下のクロールを拒否し(
disallow: /cat/
) - さらに/dog/配下のURLのクロールは許可するものの、インデックスを拒否する(
noindex: /dog/
)
- /cat/配下のクロールを拒否し(
つまりdogディレクトリ内のページは検索結果に出さないように命令できる。
しかし実は、グーグルはrobots.txtの noindex
ディレクティブを公式にはサポートしていない。公式にはサポートしていないが、実質的に機能し続けている。しかも長い期間にわたって。
なぜ公式にサポートしていないのかの理由を、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は次のように説明している。
技術的には、robots.txtはクロールのためのもので、metaタグはインデックスのためのものだ。robots.txtのnoindexとmetaタグのnoindexはインデックスの同じ段階で適用される。だから、2つ存在することに合理的な理由がない。
Technically, robots.txt is for crawling. The meta tags are for indexing. During indexing they'd be applied at the same stage so there's no good reason to have both of them
— Gary "鯨理" Illyes (@methode) 2019年4月18日
もっともな理由だ。とはいえ「特定の条件下ではrobots.txtの noindex
は非常に便利だ」という意見もある。これに対してイリェーシュ氏は理解を示し次のようにもコメントした。
言いたいことはわかった。robots.txtのnoindexを人々がどのように使っているか調査してみる。大多数が無理矢理にでも利用しているなら、(公式にサポートするように)承認を頼んでみる。
Alright. I'll run a study to see how people are using it. If the majority are screwing themselves with it, then I'll go ahead for approvals
— Gary "鯨理" Illyes (@methode) 2019年4月18日
筆者もrobots.txtの noindex
を利用していた時期がある。だが公式サポートしていないと知り利用をやめた。実施的には機能しているのだから、グーグルが公式にサポートを表明してくれれば助かるウェブ担当者も多いように思う。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
新Search ConsoleでURLパラメータ機能は使えるようになるのか?
コメント (John Mueller on Twitter) 海外情報
新バージョンのSearch Consoleでは、既存の機能が強化されたり新しい機能が追加されたりしている。一方で廃止された機能もある。
URLパラメータ機能は新Search Consoleでは使えない機能の1つだ。URLの判定においてパラメータ名ごとにどう扱うかを指定できる機能なのだが、廃止されてしまったのだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏は「URLパラメータは、個人的にとても気に入っている機能だった」としたうえで、「なくなることはないだろう」とコメントしている。しかも旧バージョンそのままではなく、発展させた機能として提供するような含みをもたせている。
What do you use it for? I don't think it would be going away (I really like it, but I'm apparently biased :)), though it might evolve rather than get moved 1:1.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2019年4月18日
URLパラメータは上級者向けの機能ではあるが、有用なツールだったと筆者も考える。新Search Consoleの新生URLパラメータ機能に期待したい。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
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