グーグルの内部的なミス? 一部サイトのインデックス消滅(すでに復旧)【SEO記事14本まとめ】
グーグルの内部的なミス(かトラブル)が原因で、一部のサイトがグーグル検索のインデックスから消えてしまう事故が起きていた。
4月12日(木)には問題が解消されたということだが、経緯を解説しておく。
そして今回は、主にグーグルSEOに関する次のようなさまざまなトピックを中心に、いつもより少し多目に情報をお届けする。
- グーグル検索では“鮮度”が重要?
- rel="prev/next"のサポート、とうの昔にグーグルが終了していた!?
- グーグルvs検索スパム、激闘の記録
- 低品質ページ→リダイレクト→高品質ページで低評価も引き継がれる?
- 3月のオフィスアワー ―― 検証後のインデックス送信、URL検査ツールのHTML、しごと検索関連ほか
- ダイナミックレンダリングで広告表示しないのはクローキング?
- サーバーサイドレンダリングはグーグルSEOに役立たなくなる?
- Search ConsoleとGoogleデータポータルの連携でデータが食い違う可能性あり
- 2019年第1四半期のAMP新機能――定番のフォームのマスクや無限スクロールなど
- スマホ向けLP最適化に欠かせない9つの施策
- 低品質コンテンツがわずかに存在していても検索では問題にならない。検索トラフィックがないことは価値がないことを意味しない
- info:検索のサポートをGoogleが終了、正規URLのチェックにはURL検査ツールの利用を推奨
今週のピックアップ
グーグルの内部的なミス? 一部サイトのインデックス消滅(すでに復旧)
あわてて何かする必要はない (Google SearchLiaison on Twitter) 海外情報
一部サイトがグーグルのインデックスから消える事故が発生していた。グーグル側で発生した問題により、4月5日(金曜日)あたりから数日間、その状態が続いていたようだ。
グーグルの対外関係アカウントがTwitterで報告している。
金曜日からインデックスの問題が発生しており、一部のサイトに影響を与えていることを、グーグルは認識しています。この問題はほぼ解決されており、サイト管理者さま側で特に何かしていただく必要はありません。(4月8日)
一部のページに影響があったインデックスの問題に関して、グーグルは引き続き対処しています。すでにさらなる改善を施しており、現時点でまだ問題が残っている部分に関しても12時間~24時間以内に解消できると期待しています。(4月9日)
インデックスの問題は、あと8時間ほどで、ほぼ完全に解決するはずです。一部のコンテンツに関してはさらに12時間~24時間ほど復旧に時間を要する場合があります。(4月10日)
We're aware of indexing issues that impacted some sites beginning on Friday. We believe the issues are mostly resolved and don't require any special efforts on the part of site owners. We'll provide another update when the issues are considered fully resolved.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2019年4月7日
We are still resolving the indexing issue that has impacted some pages. We've made further improvements and hope any remaining issues will be done within the next 12-24 hours. Will provide a further update when the issue is fully resolved.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2019年4月8日
The indexing issue should be almost completely resolved within the next eight hours. Some documents might take an additional 12-24 hours to restore. We'll provide a further update when the issue is fully resolved.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2019年4月9日
ヘルプセンターの「Search Consoleにおけるデータ異常」ページにも、本件に関する記載がされている。
2019年4月5日
検索インデックスの内部的な管理が原因で、ウェブサイトの一部のページがインデックスから数日間欠落してしまっていた可能性があります(サイト管理者が何もしていなくても)。本件は現在解消に向かって対応中であり、サイト管理者が何らかのアクションをとる必要はありません。
実際のところはSearch Consoleの問題というよりはインデックスシステムやデータセンターの問題のようだが、Web担当者と直接つながっているチャネルがSearch Consoleなのでここに記載するのが適切だったということなのだろう。
4月5日からの週末あたりで、
- 検索トラフィックが激減していた
- グーグルで検索しても(あるはずの)自サイトのページが出てこなかった
という状況があったのならば、この問題の影響を受けていた可能性がある。
グーグルは「特に何もする必要はない」としているが、「インデックスから落ちたURLを再クロールさせなければ!」と考えてTwitterでそう発言しているWeb担当者もいる。
ページの情報が本当にシステムから消えてしまったのならば、グーグルは改めてそれらのページをクロールしてインデックスする必要がある、それならば、ただ待つよりはSearch Consoleの「URL検査」を使うのが効果的だろう ―― そう考えてのことだろう。
グーグルの金谷氏は、状況に関して次のように解説している。
現在 Google 側に技術的な問題が発生しているため、いくつかの URL を検索結果で確認しにくくなっている場合があります。ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、現在の状態は URL 検査ツールで確認できます。いずれかのデータセンターから配信されている場合「インデックスされています」と表示されます
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya @ 本日沖縄で検索イベント! (@jumpingknee) 2019年4月7日
つまり、検索でヒットしない状況が「実際にインデックスから消えてしまっている」とは限らず、「Search Consoleではインデックスされていると示されるが、実際の検索結果には表示されない」場合もあるということだ。検索サーバー群の一部からはそのインデックスを参照できない状況だと想定されるが、これに関してはグーグルのデータセンター側でのデータ浸透を待つしかない。
本記事の執筆時点では、この問題の詳細は明らかになっていない。何が原因だったのか、データが消えてしまったのか一時的に使えなくなっただけなのか、Web担当者は本当に何もせず待っているのがいいのか。
われわれが現時点でできることとしては、次の2点だろうか。
あなたのビジネスにとって重要なページがインデックスから消えてしまっていないか、Search Consoleの「URL検査」で調べておく。
→ 単に表示されないのではなくインデックスが消えてしまっていないかを確認
もし重要なページがインデックスから消えたままだったりまだインデックスされていなかったりするのならば、Search ConsoleのURL検査の結果からインデックス登録をリクエストする。
→ インデックスが消えてしまっている場合には、スムーズに(再)インデックスされるかもしれない。
→ URL検査ツールには出てくるのに検索結果には出てこない場合には、再処理を早められるかもしれない。
もしかしたら、それぞれのWeb担当者がそうしたことをすることでグーグルのシステムに負荷がかかり、問題の復旧にかかる時間が延びてしまうのかもしれない。とはいえ、ビジネスに重大な影響があるのならば、そうも言っていられないのが現実だろう。
いずれにせよ、ビジネスに大きなダメージがないのであれば、グーグルが言うように、何もせず慌てずに待つのがいいと思われる。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報
「グーグル公認SEO代理店」とバッジを出してるのは規約違反の可能性大?
Google の SEO パートナーは存在しませんので (金谷 武明 on Twitter) 国内情報
金谷氏によるツイッターでの注意喚起を紹介する。
Google Partner バッジですが、基本的には「検索エンジン最適化(SEO)サービスを宣伝するウェブサイトなどには」バッジを表示することができません。いくつか違反する例を見かけましたのでご注意ください。少なくとも Google の SEO パートナーは存在しませんので。https://t.co/CHDzSUzibV pic.twitter.com/1Vwpvaa7Uc
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年4月4日
グーグルの認定制度として「Google Partner(グーグル パートナー)バッジ」というものがある。これは、グーグル広告サービスに関する認定試験に合格し、グーグル広告に精通している代理店に与えられる資格証だ。あくまでも、グーグル広告に関する制度である。
ところが、そのバッジを使って「グーグルの SEO に関してもグーグルから公式認定されているかのように示す」という、逸脱した使い方をしている代理店が存在するらしい。
バッジを示して「グーグル認定パートナーとしてSEOサービスを」などと言っていても信じてはいけない。むしろ倫理面に問題があると判断するべきだろう。そうした企業を見つけたら、正面から指摘するのではなく、金谷氏にこっそりと報告しよう。
金谷氏の発言で大事なところを繰り返しておく。
Google の SEO パートナーは存在しませんので
Google の SEO パートナーは存在しませんので
Google の SEO パートナーは存在しませんので
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グーグル検索では“鮮度”が重要?
新しい記事、新しいリンクが必要 (Cyrus on Twitter) 海外情報
米国の著名なSEOコンサルタントである、サイラス・シェパード氏が次のような所見をツイッターに投稿していた。
観測したところ、公開後2年~3年ほど経つと、大多数のブログ記事は95%検索結果(の上位)に出てこなくなる。たとえ初期に成功した記事であっても、多くの場合は同様の結果になる。
グーグル検索において、コンテンツの鮮度が落ちていくのは事実だ。鮮度を落とさないためには、次のどちらかが必要になる。
- 新しい記事
- 新しいリンク
どちらもできないのならば……残された選択肢は「あきらめる」というものだ。
コンテンツやクエリのタイプにも依存するので絶対にとはいえないが、シェパード氏が指摘する現象は事実だと筆者も感じる。次々と新たにページが公開されるようなトピックのコンテンツは、古いものよりも新しいものが検索結果で有利なように思う(もちろん、新しければ良いというものではなく、コンテンツの品質や関連性はもっと重要なのだが)。
ユーザーの身になって想像するとわかりやすいだろう。内容がほぼ同じであったとしても、2005年に公開された記事と2019年に公開された記事を並べられたとき、新しいほうを選んでしまうのではないだろうか?
検索順位を保持するには、最新の状態を提供できるように記事を更新したり、継続的にリンクが張られるようにプロモーション活動したりすることが大切なのかもしれない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
rel="prev/next"のサポート、とうの昔にグーグルが終了していた!?
そういう大事なことは早く言ってもらわないと…… (金谷武明 on ツイッター) 国内情報
複数のページに分割された一連のコンテンツの関係性を示すときに使う link rel="prev/next"
のサポートをグーグルが終了していたことが明らかになった。サポート終了予定ではなく、すでに数年前からサポートしていなかったようだ。
複数ページにまたがった一連のコンテンツの関係性を示すページネーション(rel=”next” / rel=”prev”)ですが、Google 検索においてサポートを終了しました。『ユーザーは検索をするときに「すべて表示」ページを好む傾向に』ありますが、これまで通り分割していただいても問題はありません。 https://t.co/BnQm1DGFs7
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya @ 本日沖縄で検索イベント! (@jumpingknee) 2019年3月21日
グーグル内部での情報共有がうまくいっておらず、公表されていなかったらしい。
とはいえ、ほとんどのサイトで検索において問題は発生しないだろう。今までどおりページ分割してまったく問題ない。
rel="prev/next"
がなくても、分割したページをグーグルはきちんとクロール、インデックスする。クエリに対して関連性があれば、何ページ目かにかかわらず検索結果にも表示する。
すでに実装している rel="prev/next"
をあえて削除する必要もない。グーグルが利用しなくなっただけであって、ほかの検索エンジン(たとえばBing)は利用するし、rel="prev/next"
を使う機能を提供するブラウザもある。
もう少し詳しい事情や(あるとするならば)対応に関しては、金谷氏がオフィスアワーの初めの方で説明している。
蛇足かもしれないが、検索に与える影響はないといえども、サポートされていないrel="prev/next"
をエンジニアに依頼して手間を割いて実装してもらっていたとしたら、ウェブ担当者としては気まずい思いをするかもしれない。グーグルのせいだとして納得してもらえればいいのだが。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルvs検索スパム、激闘の記録(2018年版)
2018年のウェブスパムレポートを公開 (ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
グーグルはウェブスパム対策に絶えず取り組んでいる。2018年に行った取り組みについて、ウェブマスター向け公式ブログが報告した。
ハイライトを抜き出してみる。
目立っていた3種類のスパムは次の3つ:
- 不正なハッキングに関するスパム
- ユーザー生成スパム
- リンクスパム
- ユーザーから受け取った検索スパムの報告は18万件超で、うち64%に対処
- 1億8,600万件を超えるメッセージをウェブサイトの所有者あてに生成し、そのうち9,600万件をSearch Consoleに送信
送信したメッセージは多かった順に次のとおり:
- Search Console の新規ユーザーへの歓迎――大半
- モバイル ファースト インデックスの開始
- ウェブマスター向けガイドライン違反に対する手動対策関連――約400万件、全体の約2%
このほかにも、新たに提供したツールや機能、リソース、イベントなども元記事では紹介されている。
このコーナーの読者がスパム行為をしているとは思わない。それでもレポートには目を通しておこう。正しいSEOを施策することに役立つ情報も多いはずだ。
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低品質ページを高品質ページにリダイレクトしたら低評価も引き継がれるのか?
心配なし、最終ページが評価の対象 (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
グーグルが低品質だと判断したページにリダイレクトを設定して、高品質なページに飛ぶようにしたら、グーグルによる最終的な評価はどうなるのだろうか?
リダイレクト元コンテンツの低品質評価が引き継がれ、リダイレクト先コンテンツの高品質評価から差し引かれてしまうのだろうか?
それとも、評価はリセットされるのだろうか?
どうやら、後者だと考えていいようだ。グーグルが評価の対象にするのは、リダイレクト先のページにあるコンテンツだとのことである。つまり、リダイレクト元ページの低品質評価を引き継ぐことはしない。
質が低かったり内容が古くなったりした複数のページを、新規に作成した1つのページにまとめることもあるだろう。そうした場合に、旧ページの低い評価を引きずってしまったのでは、サイト管理者としてはいたたまれない気持ちになるに違いない。グーグルの処理は正しいといえる。
ただし気を付けてほしい。ウェブスパムとして判断されているサイト全体をリダイレクトによって新規ドメイン名のサイトに移転した場合、通常は移転先のサイトもスパム判定される。リダイレクトによってスパム判定から逃れることはできないのだ。
あと気になるのは、リダイレクト元ページに「書かれている内容が間違いばかり」「ゴミコンテンツ」「ネットから消えるべきページ」といったネガティブな意味でのリンクが集まっていた場合にどうなるかだろうか。グーグルは最終的なリダイレクト先ページの内容を評価し、かつ(元はネガティブな意味合いだった)リンク評価もリダイレクト先ページに引き継がれるとしたら……。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
3月のオフィスアワー ―― 検証後のインデックス送信、URL検査ツールのHTML、しごと検索関連ほか
いくつかの重要なお知らせが冒頭にあり (ウェブマスター オフィスアワー) 国内情報
3月のオフィスアワーが開催された。今回も、金谷氏とあんな氏が、一般のウェブマスターから事前に寄せられた質問に回答してくれた。次のような質問が取り上げられている。
- 「検証」とインデックス送信は、両方必要か?
- URL検査ツールのHTML
- AMPページの構造化データ
- 求人情報 baseSalary の指定方法
- テキストファイルのサイトマップ
- スニペットの画像が表示されなくなった
- WordPressとブログの同時投稿ツールは有効か?
- 検索パフォーマンスのレポートの正確性
- Search Consoleに表示されるリンク
- わかりやすいURLのランキングへの影響
- アルバイトなのにフルタイムと記載される
- リダイレクトミスの回復に時間がかかった
- サイトリンクにリニューアル前の古いリンクが表示
- 別々のURLのモバイル対応
- サービス終了したブログからの移転
- 複数のイベント情報のマークアップ
- ダイナミックレンダリングのスピードへの影響
筆者自身も学ぶことの多い内容がたくさんあったように思う。
また、Q&Aの前には、金谷氏からいくつかお知らせがある。非常に重要なものも含まれているので、必ず視聴しておこう。
- すべてのWeb担当者 必見!
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