初代編集長ブログ―安田英久

直帰率47.5% 入口は20ページが8割。アクセス解析とサイト改善の「WEB改善ソリューションフェア」レポート

石井氏が惜しげもなく披露したアクセス解析とサイト改善の考え方やノウハウ。

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Web担のなかの人
集客力を飛躍的に向上させるGoogle Analyticsアクセス解析の極意
秀和システム
978-4798023779
\1,890

株式会社HARMONYは10月16日、「WEB改善ソリューションフェア」と題したセミナーイベントを開催した。石井氏が執筆した書籍『集客力を飛躍的に向上させるGoogle Analyticsアクセス解析の極意』の発売を記念したイベントだ。朝9時30分から始まり17時30分までのまる1日、Web担でもおなじみの石井研二氏(HARMONY副社長兼COO)が講師となって、「アクセス解析」「広告効果測定」「サイト改善」「成果アップ」を解説するセミナー+ワークショップが開催された。

会場の様子

セッションごと有料のセミナーにもかかわらず、満席で申し込みは締め切られるほどの人気だったこのイベント、会場では次の5つのセッションが行われた。

  • アクセス解析市場の最新動向
  • サイト改善レポート実践活用術
  • Google Analytics 活用術 実践編
  • 広告効果測定市場の最新動向
  • ECサイトのための広告効果の改善ワークショップ

それぞれについて、レポートしていこう。

アクセス解析市場の最新動向
~「ツールを覚える」時代が終わろうとしている

1セッション目はアクセス解析市場の最新動向を解説し、石井氏のノウハウを伝える内容。

石井氏によると、アクセス解析で問題だったことの1つは、自社のデータを見られるけれども、他社との比較ができないこと。社内でアクセス解析レポートを提出しても、経営陣に「これは多いのか少ないのか」と聞かれて返答できない状況だったという。石井氏が長らく提供してきているアクセス解析サービス「サイトグラム」では、「他社参考データ」という形で、比較対象となるデータを提供していたという。セッションではまず、サイトグラムで分析している年間12億PV全体のデータが紹介された。

  • 直帰率は47.5%、つまり半数の人は1ページしか見ずに帰っている
  • 入口ページは上位20~30ページで全体の8割を占める(入口ページが全部で1000ページあっても)
  • トップページが入り口となる率は20数パーセントに過ぎない
  • トップページが入り口となった場合の直帰率は高くはないので、トップページを除いて計算すれば、直帰率は47.5%よりもさらに悪くなると思われる。

つまり、現状では多くのサイトで「トップページがサイトの入口」と考えていたら、訪問者の7~8割が、待ちかまえている場所以外のページからサイトに入ってきて(検索エンジン経由など)、かなりの率が直帰していると考えられる。

だから、まずは20~30ページくらいの主要入口ページを調べて、そこで訪問者をもてなせばいいのだという。

トップページ以外の19ページを対象に直帰率を改善

具体的には、Google Analyticsで[コンテンツ]>[閲覧開始ページ]を表示し、入口回数が多いページの上から見ていって、直帰率の高いページをどう改善すればいいかを考える。それを20ページ分繰り返していけば、良い結果を生む。

Google Analyticsの「閲覧開始ページ」
Google Analyticsの表示数を変更
Google Analyticsでは、表の下の「行を表示」で多くの行数を表示して作業するのが基本となる

たとえば、ある私立高校のサイトでは、資料請求ページを見ている人は1日あたり3~4人だった。そのサイトでは「資料請求」のボタンはページ上部のグローバルナビ部分にしかなかった。訪問者はページを開いたら、求めている「コンテンツ」を探してページを下にスクロールしていくもの。コンテンツを見た人が「なるほど」と思った時点のスクロール状態では、他のアクションを誘導するリンクは「プライバシーポリシー」「ページ上部へ戻る」くらいしかない。そこで、ボタンをコンテンツ左下部にも置いたところ、資料請求ページを見る人の数は1日あたり20~30人に増えたという。

ユーザーは、クリックしたいときにクリックしたい場所にアクション喚起のボタンがあればクリックするものである。ページを改善するということは、訪問者が抱えている悩みや問題を解決する提案を出すということ。Web担当者がその「提案」をわかっていなくても、営業チームは日々そういった提案を顧客に対して示しているはず。社内でそういった素材をヒアリングしてみるのもいいだろう。

アクセス解析のトレンドとして、この先にやってくるのは成果

現状のアクセス解析は、サイト内でのユーザーの動きを見ることが中心になっているが、アクセス解析を活用してサイト内での目標地点(コンバージョン)への道筋を改善していったとしても、それだけは足りない。そもそも、ゴールにたどり着きやすい人をサイトに連れてくるという部分からコンバージョンまでの道のり全体を「カイゼン」しなければ、「成果」「ゴール」を改善できないのだという。

サイトのどこを見るべきか

また、現在のアクセス解析では、「来ている人」の解析が中心であり、そこには「来てほしいわけではないのに来てしまっている」人の解析が含まれている。そこだけでなく、「来てほしいのに来ていない人」を探して、その人たちを集めるアクションも必要なのではないかと石井氏は言い、その方法としてこんな方法を提案する。

  1. サイト訪問に使われている検索キーワードを一覧で出す
  2. 各事業部にそのリストを渡し、「本来サイト訪問に使われるはずのキーワードで、このリストにないものを出してくれ」と頼む

こうすると、来てほしいのに来ていない人を探せる。そうすれば、Web担当者は今後どういったコンテンツを増強するべきかなどのアクションを考えられるのだという。

◇◇◇

アクセス解析でみるべき指標や、何のためにアクセス解析をするのかといったことまで包括的に改めて理解できる内容であった。

もちろん石井氏は、同社が10月からスタートしたASP型のアクセス解析/広告効果測定サービスの「サイトグラムDays」では、こういった一連の流れ全体をサポートしていることを強調することは忘れていない。

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