Googleアナリティクス セグメント100選

人材紹介サイトへの出稿のROIを、応募件数以外のデータでも分析するには(第55回)

人材紹介サイトへの出稿をトライアルで使用してみて、その効果や有効性を確かめる方法を解説する。

人材紹介サイトへの出稿をトライアルで使用してみて、その効果や有効性を確かめたい

人材募集は企業にとって重要な活動の1つだ。さまざまな方法を併用しているだろうが、即戦力を獲得したい場合は、年中活用できる「人材紹介サイト」を利用している会社も多いに違いない。

ここではそういう「人材紹介サイト」のような外部のサイトから自社サイトへ誘導し、そこで応募を受け付ける場合について考えてみたい。

通常は、複数の「人材紹介サイト」で、複数の職種の人材募集を行っているだろう。この場合、人材募集全体では、自社サイトへの流入である参照元も多岐にわたり、応募職種が多いため閲覧開始のランディングページも多数あるはずだ。

今回は、2つの職種で、ある1つの「人材紹介サイト」をトライアルで使用することにして、その効果や有効性を確かめるために、トライアルに関わる部分だけで絞り込んで分析する以下のセグメントを紹介しよう。

  • 特定の人材募集サイトから訪問し、かつランディングページが今回関係する複数のページになっているセッションに絞り込むセグメント

人材紹介サイトの効果や有効性を確かめるセグメントの作り方

標準に用意されているセグメントには今回紹介するセグメントは存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。

まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。

図1:「+セグメント」をクリックする

「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示されるので、左上にある「+新しいセグメント」(図2赤枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。

図2:セグメント機能(グリッド表示)
注:一覧表示(図2青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図2と同じ見え方にはならない。

新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図3赤枠部分)が選択されているが、今回作成するセグメントでは「条件」(図3青枠部分)を選択しよう。図3はその「条件」を選択した画面だ。

図3:「条件」分類のセグメントの画面

今回のセグメントの条件設定は、図3緑枠部分で行う。

今回作成したいセグメントは「特定の人材募集サイトから訪問し、かつランディングページが今回関係する複数のページになっているセッション」だ。図4のように条件指定しよう。

図4:「特定の人材募集サイトから訪問し、かつランディングページが今回関係する複数のページになっているセッション」セグメントの設定内容

今回はセッションベースのセグメントなので、

  • 「フィルタ」は、「セッション」「含める」図4赤枠部分)

を選択する。その下の条件はまず

  • 「参照元」「完全一致」「example.jp図4青枠部分)

とする。「example.jp」には該当の人材募集サイトのドメイン名を指定する。そのドメイン名のサイトからの流入セッションに絞り込むということだ。

続いて条件を掛け合わせるため、その右端にある「AND」ボタン図4緑枠部分)をクリックしよう。すると下に次の条件指定ができるようになるので、ここでは、

  • 「ランディング ページ」「先頭が一致」「/job/201505a/図4黒枠部分)

などと設定しよう。「/job/201505a/」の部分には、該当するランディングページのディレクトリ名などを指定する。今回は、この人材募集サイトからのランディングページは、このディレクトリ配下に2職種分・2ページ用意しているものとして、前方一致で該当のディレクトリを指定した形になっている。

参照元をさらに絞り込みたいときは?

なお参照元がドメイン名レベルでの絞り込みだけでは甘いならば、さらにURLレベルでも絞り込もう。その場合は「参照URL」というディメンションの条件を付け加える。

図5:「特定の人材募集サイトから訪問し、かつランディングページが今回関係する複数のページになっているセッション」セグメントの設定内容(別バージョン)

この会社の該当2職種の人材募集ページに飛ぶリンクが掲載されている人材募集サイトの掲載ページ(abc.html)が「example.jp/2015xyz/abc.html」のように特定のディレクトリ配下にしかないようであれば、

  • 「参照URL」「先頭が一致」「/2015xyz/」図5赤枠部分)

などとそのディレクトリをさらに指定する設定を1行追加しよう。

これで該当セグメントの名前を「媒体exampleの新規トライアルの応募」とでも名付けて、「保存」ボタン(図3黒枠部分)をクリックする。これで新規セグメント作成作業は終了だ。

人材募集サイトからどのランディングページにやって来ているのかを確認するには?

次にこのセグメントの活用方法を見ていこう。

まずは素直に該当の参照元とランディングページの組み合わせを確認しよう。[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートを表示する。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[集客]をクリックする
  3. メニューが開くので、[すべてのトラフィック][参照元/メディア]を順にクリックする

次に「セカンダリ ディメンション」(図6赤枠部分)をクリックし、出てきたプルダウンメニューから、「ランディング ページ」を選択する。

図6:セカンダリディメンションでランディング ページを選択

プルダウンメニューの検索ボックスに「ランディング」とでも入力すれば(図6青枠部分)、候補は図の2つに絞られるので、「ランディング ページ」(図6緑枠部分)の方を選択しよう。

すると「参照元/メディア」と「ランディング ページ」の組み合わせのレポートになるので、ここに先ほど作成したセグメント(図6赤枠部分)を掛けよう。

図7:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートに該当のセグメントを追加で掛けた画面

今回は該当の人材募集サイトからは2つの職種の応募にリンクが張られており、組み合わせとしては2種類(図7青枠部分)、つまりレポートでは2行に絞られているということだ。

ここで見るべき指標は、集客量の評価軸として「セッション」数が1つ。そして成果、つまりコンバージョンがどれだけあったか、というのが成果指標として重要だ。

ここでは実際に応募フォームから応募完了した場合を想定しているが、コンバージョンを見るためには、別途目標の設定が必要だ。目標設定については、下記の記事を参照してほしい。

また成果には直接結びつかなかったが、訪問の質がよかったかどうかは、「新規セッション率」「直帰率」「ページ/セッション」「平均セッション時間」といった指標を見ていこう。応募はしなかったが、直帰率が低く、さまざまなページを見てくれたなら、本気度の高い人を連れてきているということになり、人材募集サイトの評価は上がるということになる。

応募者が、ランディングページから他のどういうページを閲覧したのかを確認するには?

次に[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当のセグメントを追加で掛けよう(図8赤枠部分)。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サイト コンテンツ][すべてのページ]を順にクリックする
  4. 今回作成したセグメントを「適用」する(図8赤枠部分)
図8:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当のセグメントを追加で掛けた画面

ここは当然のことながら、先ほどの図7のランディングページの2つ(図8青枠部分)が上位にあるはずだ。そしてコンバージョンに該当する応募完了ページなどの応募プロセスで通過するページ群もあるはずだ。

つまり、このレポートで見るのは、それ以外の図8緑枠部分、

  • ランディングページから他のどういったページを回遊したのか
  • どういった内容のページを応募の意思決定のために閲覧したのか

ということだ。

ちなみに今回の例では、会社概要や事業内容など、サイトの他のページを回遊させることができるようになっているランディングページを想定している。

1枚のランディングページで応募まで完結させる方法もあるが、それだと今後に役立つようなデータを収集できない。

今回のように、ランディングページからのリンクで、会社概要などさまざまなページへ移動できるようにしておけば、データから応募者の関心がどこにあるのかを想像できるし、今後、より応募者にアピールするように募集内容を工夫することもできる。


Googleタグマネージャでユニバーサル アナリティクスを実装する方法を詳しく解説する講座(2016/4/19)申し込み受付中。詳細とお申し込みはこちらから

用語集
Googleアナリティクス / グローバルナビゲーション / コンバージョン / セグメント / セッション / ディレクトリ / ドメイン名 / リンク / 直帰率 / 訪問
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

BI
Business Intelligenceの略。 ビジネスに関連するデータ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]