国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
海外&国内SEO情報ウォッチ

【鈴木謙一が選ぶ】2020年のグーグルSEO 10大トピック 見逃してないかチェック!【SEO情報まとめ】

2020年のグーグルSEO情報から、特に印象的だった 10 大ニュースを振り返る。CWV、コアアップデート、検索セントラル、Search Console、MFIなどなど、見落としたネタがないか最後に確認だ

海外&国内SEO情報ウォッチのコーナーも、今回が2020年最後の投稿だ。このコラムで今年取り上げたグーグルSEO記事やWeb担当者向け記事から、押さえておきたい10大ニュースをピックアップする。

鈴木謙一が選ぶ、2020年のグーグルSEO総ざらい10大トピック

2020年も、このコーナーをご愛読いただき、誠にありがとうございます。2021年も引き続きよろしくお願いします。

みなさん不要な外出を控え、適切な消費を進めて経済に貢献しながら、来年また笑顔でお会いしましょう。

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コア ウェブ バイタルの導入
2020年はコア ウェブ バイタル元年

2020年のトップニュースはなんと言ってもコア ウェブ バイタル(Core Web Vitals、CWV)だ。

コア ウェブ バイタルは、ウェブにおけるユーザー体験(UX)の向上を目的としてグーグルが策定したもの。全体として「ウェブ バイタル(Web Vitals)」という枠組みがあり、そのなかでも特に重要だとして定めたものがコア ウェブ バイタルの3指標だ(それぞれの指標の意味については日本語での解説を参照)。

  • LCP: Largest Contentful Paint(最大コンテンツの描画)
  • FID: First Input Delay(初回入力遅延)
  • CLS: Cumulative Layout Shift(累積レイアウト変更)
Core Web Vitals

コア ウェブ バイタルの改善によって、PV指標を10%以上向上させたYahoo!ニュースの成功事例も紹介した。

ユーザー体験の向上と一口に言ってもいろいろな施策があり、コア ウェブ バイタル以外にもUXに関係する観点や指標は数多くある。しかしグーグルは、調査やChromeの実利用データをもとに、

  • UXで注目すべき切り口を代表していて
  • 測定可能で
  • ユーザー中心の成果につながる

すべてのサイト管理者が測定すべき指標として、まずは3つのコア ウェブ バイタル指標を定めたのだ。

グーグルはこれらの指標をどんどん見直していくそうだが、まずは現在のコア ウェブ バイタル改善に専念して取り組むといいだろう。

コア ウェブ バイタルは、2021年5月からGoogle検索の順位決定に含まれる予定だ。

挿絵
(画像は11月27日記事より)

ちなみに3指標のなかでもCLSは、今までにはなかった新しい指標だ。簡単にCLSを改善できる2種類の施策をこのコラムで紹介した:

今から準備を進めておけば、UXを改善でき、SEOにも役立つという意味で二重にお得だ。

挿絵
(画像は12月11日記事より)
★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

ランキング要因としてのページ エクスペリエンス シグナル
2021年はコア ウェブ バイタルが順位に影響する

Google検索のランキング要因としてグーグルが近年取り入れ始めたのが「ユーザー体験」だ。

検索エンジンといえば「コンテンツ」で評価するものという認識の人がまだいるかもしれないが、すでにグーグルは、さまざまな要因を組み合わせて検索結果をつくっている。たとえば次のようなものだ:

  • コンテンツやサイトそのもの
  • 検索との関連性
  • ユーザー体験
  • セキュリティ

グーグルでは、ランキング要因としてのユーザー体験要素をページ エクスペリエンス シグナルと名付けて整理した。

現在グーグルのランキング要因になっているページ エクスペリエンス シグナルは4つあり、2021年5月を予定しているコア ウェブ バイタルを含めて5つの指標をまとめたものとなる:

Google検索のページエクスペリエンスシグナル
・コアウェブバイタル
 読み込み(Largest Contentful Paing(LCP)
 インタラクティブ性(First Input Delay(FID)
 視覚的安定性(Cumulative Layout Shift(CLS)
・モバイル フレンドリー
・セーフ ブラウジング
・HTTPS
・煩わしいインタースティシャルがない
Google検索セントラルの図をもとに編集部で作成

コア ウェブ バイタルを含めて、ページ エクスペリエンス シグナルは影響度が大きいランキング要因ではない。クエリに対する関連性とコンテンツの品質が依然として最重要だ。それでも、コア ウェブ バイタル改善にはメリットが大きい。手間をかけるだけの価値があるだろう。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

2020年のコア アップデートは3回
コア アップデートには特効薬なし

例年どおり、2020年もコア アップデートをグーグルは実施し、その回数は計3回だった:

  • 1月(1月のコア アップデートはこのコラムでは紹介しなかった)
  • 5月
  • 12月

5月と12月のコア アップデートはかなり大きな変動を引き起こした。

毎度のことになるが、コア アップデートに関しては特効薬のような対策はない。たとえば、次のようなことは常に見直しが必要だ。

  • ユーザーが求めていることを確実に提供できているか?
  • 最新の状態に情報は更新されているか?
  • 信頼性のある情報だということをユーザーに示せているか?
  • 専門家が作ったコンテンツであるか? または専門家の監修があるか?

こうしたことも含めて、コア アップデートについては公式ブログ記事を何度でも繰り返し読んでおきたい:

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ウェブマスターセントラルから検索セントラルへ
名称変更&リソース整理

SEO担当者として正しい情報をちゃんと把握しておかなければいけない人にとって、2020年は大きな変更があった年だった。というのも、グーグル公式の情報が大きく整理・統合・移動されたからだ。

これまでグーグルは、サイト管理者向けの情報・リソース・ツールを「ウェブマスター セントラル」という名称で提供していた。これを「検索セントラル」に変更したのだ。

名称変更にあわせて、各種情報の提供場所も変わった。ヘルプセンターは、Search Consoleに関する情報だけを扱うようになった。一方、Search Console以外のサイト管理に関わるヘルプ記事と公式ブログ記事はデベロッパー向けサイトに移動した。

デベロッパーサイトに移動したリソースのなかで、上級者向け SEO」のセクションは注目に値する。新しい情報ではないのだが、これまではヘルプページに埋もれてしまっていた情報を集約し整理整頓しているからだ。

辻氏も絶賛している。

SEO上級者を目指すなら、ひと通り目を通しておくことを推奨する。

★★★★☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

Search Consoleの改良が続く
でもインデックス登録機能が使えなくなった

2018年9月に新バージョンに切り替わったSearch Consoleだが、2020年も機能改良が続いた。たとえば、このコラムでは次のような機能を紹介した。

ウェブに関する主な指標 レポート

多くの新機能が追加された一方で、「インデックス登録機能」が使えなくなったという動きもあった(12月23日には復旧した)。当初は「一時的な停止で、2~3週間で再開する」とのことだったが、結局2か月以上かかった。インデックス登録機能は日常的に使うツールではないにせよ、停止に困ったサイト管理者は多かったようだ。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

MFIが最終段階に
足かけ3年

2018年3月に開始したモバイル ファースト インデックス(以下、MFI)への移行がいよいよ最終段階に入った。2021年3月にはすべてのサイトがMFIへと移行する(もともとは、2020年9月を予定していたが新型コロナウィルスの影響による混乱を考慮して延期した)。

モバイルファーストの検索インデックスは、移行開始から実に3年の歳月をかけて完成するのだが、完全移行でなにが変わるのかを改めて確認しておこう。

  • これまでMFIに切り替わっていたのは、「移行してもランキングに影響がない」とグーグル側で確認したいサイトだけだった。

  • 2021年3月からは、MFIの準備ができていなくても切り替わる

つまり、順位に影響が出る可能性があるのだ。極端なケースだが、スマートフォンで閲覧できないサイトは検索結果から消えるといったことも可能性としてはありうる。

MFI移行が未完了のサイトは、準備ができていることをいま一度確認しておこう。

★★★★★
  • MFI移行していないすべてのWeb担当者 必見!

SEOとコンテンツ
SEOにはコンテンツが必須の時代が到来している

SEOで成功するには、有益なコンテンツが必須

「何を今さら当然のことを」と思うかもしれない。だが筆者がこの連載コラムを始めた2009年当時は必ずしもそうではなかった。コンテンツよりもテクニック(たとえば、キーワードの使い方やリンクの獲得)が上位表示にはずっと有効だった。

しかし時代は変わった。今のSEOには本当に有益なコンテンツが欠かせない。コンテンツマーケティングやオウンドメディアといった言葉は誰でも耳にしたことがあるだろうし、実際に取り組んでいる人も多いだろう。

このコラムで今年取り上げたコンテンツ関連の記事を再掲載しておく。ぜひ読み返してほしい。

ECサイトで、購入に貢献していないと思われる記事ページを削除したら、サイト全体の売上が下がってしまったという失敗談も興味深いものだった。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

2020年のオフィスアワー
祝! 登録者数40万人突破

金谷氏とあんな氏は我々の質問に2020年もオフィスアワーで回答してくれた。ライブではなく録画での配信になったが有用性に変わりはない。新型コロナウィルスの影響で空白期間があったものの、ほぼ月1ペースでの開催だった。

動画の一覧はこちらで確認できる。

金谷氏たちがオフィスアワー配信用に使用しているYouTubeのGoogle Search Centralチャンネルは登録者が40万人を突破したそうだ。

金谷氏も感激している。

念のために補足しておくと、「ウェブマスター オフィスアワー」とは、グーグルの社員が登場して、一般のウェブマスターからのサイト運営に関する質問に回答したり、ウェブマスターとカジュアルに情報交換したりしていく動画プログラムだ。

グーグル社員に直に聞いてみたい質問があなたにもあればこちらのフォームから送っておこう。来年の回で取り上げてもらえるはずだ。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

インハウス vs. コンサル
両方の経験者が語る

このコラムは基本的に、メイン読者としてウェブ担当者の方々を想定して構成している。とはいえ、SEOコンサルタントの方々にも読んでもらっているようだ。

理想のSEOを施策するには、次のどちらが適しているのだろうか?

  • インハウス(社内)のウェブ担当者
  • SEOコンサルタント

こんな難しい問題に、インハウスからコンサルにポジションを移し両方を経験したJADEの伊東氏が見解を語った

筆者自身はインハウスでもコンサルでもないのだが、SEOに携わる身としては示唆に富んだ内容だった。

挿絵
(画像は9月18日記事より)
★★★★☆
  • すべてのWeb担当者&SEOコンサル 必見!

残りの人気記事トップ3
読まれた記事がほかにもたくさんあり

さて、2020年トップ10記事の最後は、ここまでで取り上げなかったけれどもアクセス数が多かった回のピックアップ記事を3本紹介したい。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

2020年の『海外&国内SEO情報ウォッチ』はこれで終わりだ。みなさんの記事閲覧に感謝したい。2021年は1月8日から更新を再開する(隔週配信のスケジュールどおり)。

大多数の人にとって2020年はさんざんな年だったように思うが、2021年は今年の分も良い年になることを期待したい。では、みなさんすばらしいお年を!

用語集
SEO / アクセス解析 / インデックス / クロール / スマートフォン / ドメイン名 / リンク / 検索エンジン
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