検索順位が1位で表示回数も多いのにクリックされない幽霊クエリの正体は?【SEO情報まとめ】
Search Consoleの検索パフォーマンスで「平均順位が高い」「表示回数が多い」のに「クリックがない」検索クエリが出てくることはないだろうか。そうした「幽霊クエリ」が出てくる背景を解説する。
今週もSEOやサイト運営に役立つ情報をいろいろとまとめているが、今回もおもしろいネタが多い。
特に2ページ目の「Googleマイビジネスのエキスパートが解説」「中小企業のオンラインショップ開業をグーグルが支援」の2つは、なかなか興味深い。すべての人に関係するネタではないのだが、関係する人にはぜひ情報を教えてあげてほしい。
- グーグルから情報を削除する方法
- グーグルでは非HTTPSのページは実質存在しない状態?―― 検索結果1ページ目の98%がHTTPS
- 「インデックス登録をリクエスト機能」が一時的に無効に
- SEO評価の悪用、動画とSEO、上位表示から突然消える など21の疑問にグーグル社員が答えた
- GMB「インサイト」レポートはこう活用すればいい! エキスパートが徹底解説
- 中小企業のオンラインショップ開業をグーグルが支援
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今週のピックアップ
検索順位が1位で表示回数も多いのにクリックされない幽霊クエリの正体は?
画像が怪しい (The Internet Marketing Driver) 海外情報
次のような状況に遭遇したことがあるだろうか?
Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートを見ると検索順位が高くて表示回数が非常に多いのに、クリック数がほとんどないし、そのクエリで検索しても自分のサイトのページは検索結果に出ていない
こうした現象と、その原因をグレン・ゲイブ氏が解説している。ゲイブ氏が例として紹介しているのは、たとえば次のようなものだ:
ウェブ検索で表示回数が300万回近くあるにもかかわらず、平均CTRは実質0%だ。なぜこうしたことが起きるのだろうか?
原因の1つとして疑われるのは、「画像」だ。
クエリによっては、画像がいくつも集まったブロック(画像パック)が検索結果の上部に表示されることがある。さきほど示したCTRが0%の例も、このパターンだったようだ。
また、ナレッジパネルでは、説明文はウィキペディアからの引用だったとしても、画像は別サイトから掲載されることも多い。
さらに、強調スニペットの画像も複数のサイトから選ばれることがある(強調スニペットの説明と画像が別々のサイトからの場合がある)。
あなたのサイトの画像がこうした形で検索結果に表示された場合、Search Consoleでは検索順位や表示回数が検索パフォーマンスに記録される。
画像ブロックやナレッジパネル、強調スニペットは検索結果の上位に表示されるので、Search Consoleにレポートされる掲載順位が高くなるし、表示回数も多くなる。
ところが、検索ユーザーがその画像をクリック/タップすると、移動する先は画像検索結果であって、あなたのサイトではない。つまり、Search Consoleでクリックとしてはレポートされない(そもそも画像をクリックするユーザーは少ないようにも思われるが)。
結果として、順位が高く・インプレッションが多いのにクリックされない幽霊クエリが発生するのだ。
もしこうしたクエリが検索パフォーマンスで見つかったら画像を疑うといい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
グーグルから情報を削除する方法
状況によって削除方法が変わってくる (WMConf Lightning Talks on YouTube) 海外情報
Search Consoleの削除ツールや完全削除など、グーグルから情報を削除するさまざまな方法を、検索アドボケイトのダニエル・ワイズバーグ氏が解説した。
グーグルから情報を削除するといっても、
- 自身が管理しているサイトから削除する
- 自分が管理していないサイトから削除する
や、
- 永久に削除したいのか
- 古くなった情報を削除したいのか
はたまた、
- サイト管理者なのか
- 一般ユーザーなのか
などによって削除方法は変わってくる。状況に応じて適切に情報を削除できるように、視聴しておくといい。
日本語の字幕も用意されている。ワイズバーグ氏は英語で解説しているのだが、YouTubeの設定で日本語の字幕を表示できるので、安心してほしい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルでは非HTTPSのページは実質存在しない状態?―― 検索結果1ページ目の98%がHTTPS
日本でもHTTPSは確実に普及している (Moz) 海外情報
グーグルの検索結果1ページ目に出てくるウェブページのおよそ98%がHTTPS ―― これは、MozCast(モズキャスト)が公開したデータだ。
HTTPS Is Table Stakes for SEO in 2020:
— Cyrus (@CyrusShepard) October 27, 2020
"In the fall of 2020, HTTPS URLs make up 98% of page-one organic results in the MozCast 10,000-keyword tracking set"
- @dr_pete
Via @Moz https://t.co/hi2ZCuX7Oq pic.twitter.com/4BLfcqopSk
MozCastは、Mozが提供するランキングチェックツールで、米グーグル(google.com)における10,000種類のキーワードのランキングを毎日計測している。
MozCastのデータが示すHTTPS率はこのコラムでも過去に何度かとりあげた。
検索結果1ページ目に限っての話になるが、98%のウェブページがHTTPSになっている。
ここから読み取れるのは、次のいずれかだ:
- 98%のウェブサイトがHTTPS化している(サイト全体でHTTPS対応しているのが通常だろうから)
- グーグル検索結果の1ページ目に入るようなサイトは98%がHTTPS化している
- HTTPS化していないとグーグル検索結果の1ページ目にはなかなか出てこない
正解はどれだろうか。グーグルが透明性レポートで公開している『世界各国における Chrome での HTTPS の使用状況』では、次のようなデータが示されている(2020年11月7日時点のデータ):
- Windows版ChromeがHTTPS 経由で読み込んだページの割合: 94%
- Android版ChromeがHTTPS 経由で読み込んだページの割合: 94%
- Mac版ChromeがHTTPS 経由で読み込んだページの割合: 97%
日本に絞り込んで見てみよう(いずれも2020年9月5日時点のデータ、Mac版の国別データは提示されていない)。
Windows版ChromeがHTTPS 経由で読み込んだページの割合は、86%だった。
Android版ChromeがHTTPS 経由で読み込んだページの割合は、79%だった。
少なくとも、ユーザーが閲覧しているページのかなりの部分がHTTPSになっているのは事実のようだ。
MozCastとグーグルの透明性レポートでは、データの取得方法も見せ方もまったく異なるため、単純に比較するわけにはいかない。とはいえ、傾向としてHTTPS普及率は確実に上昇しているのは確かなことだ。日本では2017年くらいまでは他の国よりもHTTPS化が進んでいなかったが、その差はすでにかなり縮まっている。
さて、ウェブのHTTPS標準化の波にあなたの管理サイトは乗り遅れることなく、HTTPS対応できているだろうか?
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「インデックス登録をリクエスト機能」が一時的に無効に
困った!ことにはならないはず (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
Search ConsoleのURL検査ツールから使う「インデックス登録をリクエスト」が一時的に無効になっている。理由はインフラの変更ということだ。数週間で機能を再開する予定になっている。
インフラの変更を行うため、URL 検査ツールの「インデックス登録をリクエスト」機能を無効にしました。 数週間以内の再開を予定しています。インデックスについては引き続き通常の方法で行い続けます。通常の方法について詳しくはリンク先をご覧下さい。日本語あります。 https://t.co/hKCnebaPEJ
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) October 14, 2020
10月14日にアナウンスされており、この記事が公開されるときは1か月が経過している。再開していると嬉しいのだが。
ところで、ツイッターを見ていると、新規記事を公開するたびに「インデックス登録をリクエスト」を実行している人が少なからずいるようだ。この機能が無効になってしまい困ったと嘆いている。
しかし、「インデックス登録をリクエスト」機能は日常的に利用するべきものではない。これは、このコラムの読者なら認識しているはずだ。この機能は、
- 誤って記載していた情報を修正した
- 内容に重要な変更があった
など、更新を早急にグーグルに伝える必要があるときに利用するのが本来の目的だ。
新規コンテンツの公開をグーグルに伝えるには、既存ページ(特にトップページ)からのリンクやサイトマップで十分だ。インデックス登録をリクエストしないとインデックスされないとしたら、根本的な対策が必要だろう。たとえば、
- サイトの品質が低い
- サーバーの反応が異常に遅くGooglebotがクロールできない
などが考えられる。そうした問題を先に解決するほうが重要だろう。
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SEO評価の悪用、動画とSEO、上位表示から突然消える など21の疑問にグーグル社員が答えた
よくある質問からニッチな質問までさまざま (ウェブマスター オフィスアワー on YouTube) 国内情報
11月のオフィスアワーが公開された。金谷氏とあんな氏が今回とりあげた質問は次のとおりだ。
- サイト名がおかしくなった(4:30)
- 動画コンテンツは SEO に効果があるか(6:45)
- 評価傾向を悪用した SEO 対策への対応(9:50)
- 検索結果に画像を反映させたい(14:35)
- パンくずリストの構造化データ(15:54)
- 動画 構造化データの regionsAllowed 属性(17:50)
- 画像検索でのレシピ情報を表示させたい(19:13)
- AMP 必須の構造化データ要素のエラー(22:24)
- リッチリザルト表示されなくなった(25:37)
- 上位表示しているサイトが突然消える(28:19)
- PC の検索結果でモバイルページが出てしまう(31:16)
- インデックスされているページが表示されない(36:15)
- 検索結果に表示されない(38:58)
- グーグルサイトページがインデックスされない(48:01)
- サイトリニューアル後インデックス除外される(49:30)
- サムネイルに年齢認証画面が表示される(53:32)
- セーフサーチで検索すると表示されない(55:32)
- インデックスに登録される/ない URL の違い(56:34)
- Googlebot からのクロール頻度(58:39)
- ユーザー行動が求められるコンテンツの評価(1:01:50)
- 自社サイトが MFI に移行されない(1:07:15)
よくある質問からニッチな質問までさまざまだ。両氏はどんな回答を提供してくれたのだろうか? 各質問に直接ジャンプできるようにリンクしてある。気になるQ&Aだけでもチェックしておこう。
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