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顧客に不愉快な体験をさせないための要チェックリスト――ベークドポテトの教訓

みんな、ちょっと聞いて。この間、ちょっとした事件があったの。しかも、とんでもなく悲劇的な。そんなバカな、って感じ。もう、信じられない。ほんと、あんまりだわ。

同じようなことがみんなの身に起こるのを防ぐために、この話をしといた方がいいと思ったの。

もちろん、マーケティングに役立つアドバイスにもつながる話よ(何と言っても、これはSEOmozのブログなんだから)。

さて、話を戻しましょう。私は自分のデスクに座って、作業に集中していたの。YOUmozに書き込まれた45件ものスパムを削除するって作業よ(まったく、ご苦労なことね)。すると、われらがSEOmoz開発チームの一員、メルが急に顔を上げて、鼻をクンクンさせながら言ったの。「なんか、ウェンディーズみたいな匂いがするなあ!」って。

私の耳が「ウェンディーズ」という言葉を捉えた途端、胃がそれに反応して、ゆっくりと、よじれるような、それでいてみんなにはっきりとわかる音を響かせたわ。

「べーーーーーーークドポテーーーーーーートーーーーーーー」

仕方ないでしょ。私はべークドポテトが食べたかったの。メチャクチャ食べたかったのよ〜。

そして、みんなの気持ちが1つになった。

ジェフ:「うんうん、べークドポテトだ!」
スコット:「僕も、1週間ぐらい前からずっと食べたいと思ってたんだ!」

種は蒔かれたわ。ホクホクで、バターがたっぷり乗ったでんぷん質のおいしい種がね。

私たちは地域情報サイトの「Yelp」を開いて、べークドポテトが食べられる最寄りの店を探し始めたの。落ち着いて食事をする気取ったレストランや、誰も行きたがらないような安っぽいお店を除くと、一番近くてどこよりも現実的な選択肢は、やっぱりウェンディーズだったわ。いいじゃない。ウェンディーズなら文句なし(ウェンディーズには、フロスティーもあるしね!)。

私がオフィスを出る前に、アーデン(SEOmozの新入りスタッフで、すばらしい管理能力を持つ人物)は何を頼むか決めようと、ウェンディーズのウェブサイトを引っぱり出してメニューをチェックしていたわ。べークドポテトのメニューを目にすると、やっぱりおいしそうな炭水化物のご馳走を食べたくなっちゃったみたい。

ウェンディーズベイクドポテト

ジェフとアーデンは、サワークリームとチャイブ(ネギの一種)のポテトを、スコットはブロッコリーとチーズのポテトを選んだ。そして私は、ベーコンとチーズのポテトをたらふく食べたいっていう気持ちになっていたの。

私はみんなの注文を書きとめ、それから一番近くにある、赤毛のおさげ髪の田舎娘が白い歯を見せてにっこり笑っているお店に出かけたわ。

ウェンディーズに着いて、私は店員と次のような会話を交わしたの。

私:「サワークリームとチャイブのポテト2つと……」
店員: 「かしこまりました」(オーダーを打ち込む)
私:「ベーコンとチーズのポテト1つ……」
店員: 「それは販売していません。こちらにあるのは、サワークリームとチャイブのポテトだけなんです」
私:「なんですってぇー!

ウェンディーズはどうやら、サイドメニューとして3種類のおいしいポテトを提供するのをやめたようで、今は「サワークリームとチャイブのポテト」しか売っていないの。店員は、「カナダならサワークリームとチャイブ以外のトッピングもまだ扱ってますが」と言ったわ。ステキ。どうしてカナダにはとろけるチーズのおいしいポテトがあって、米国にはないの? 米国人が太ってるから? そんなの不公平よ。私の怒りをなだめるために、その店員は薄切りベーコンをオマケにたくさんつけてくれたわ。それで私も、すぐに機嫌を直しちゃった。

だけどね、そもそも私がウェンディーズまでわざわざ車を走らせたのは、ベーコンとチーズのべークドポテトを買うためだったわけでしょ。ただそれだけが目的だったのよ。だって、ウェブサイトにメニューも出ていたし。それなのに、手に入ったのは、もう販売してないって情報だけ。あのときの私がどれほどがっかりしたか……。この出来事から、私が何を言おうとしてるかわかったでしょ?

手に入るはずだと思っていたものがダメな状態なんて作らない

さて、ここからが本題よ。

ウェブサイトを閲覧していて、すごく欲しいと思う商品を見つけたのに、それが買えなかったらどれだけ腹が立つか考えてみて。「カートに入れる」をクリックして、支払いに進む。そしたら、最後の最後になって、在庫切れだとか、自分が指定したサイズや色がないとかいうことがわかるのよ。

ましてや、オンラインであらかじめ調べてから、実店舗まで買いに行ったのに品物がなかった、なんてことになったら、そのイライラはさらにどれぐらい大きくなるか想像してみてよ。まず、どこかのウェブサイトを見る。そして、実際の店に買いに行こうと決める。それなのに、あなたが買おうと心に決めていた商品はないと店員に言われちゃうの。

それじゃ、こんな状況が、あなたのウェブサイトであなたの顧客の身に起こっていると想像してみて。こんな事態に遭遇したら、消費者がどれほどイラつくかはわかるわよね?

それでも、あなたは売り手、あるいはサービスプロバイダとして、こういう大罪を犯す? 製品やサービスはちゃんと提供している? そのリストは最新のものかしら? リストが古いものだったり、もう取り扱っていないサービスが掲載されていたりしたら、どうするの? 製品やサービスのリストを更新するのを忘れていたら、それは消費者に間違った期待を抱かせることになるのよ。あなたのサイトを訪れた人は、すごくがっかりしてサイトを離れるでしょうね。そしてその人は、あなたのウェブサイトで不愉快なショッピング体験をしたという印象を持ってしまうことが大いにあり得るわ。

顧客に不愉快な体験をさせないためには、以下のことを気をつけて。

  • 提供サービスのリストは常に最新のものに更新すること。あるサービスを以前は提供していたのだけれど、もう今は提供していないんだったら、そのサービスをリストから削除してね。
  • 自分がもう提供していないサービスについて、提供してほしいと連絡してくる人が今でもいたら、同業者などで同様のサービスを提供できるところを紹介し、その人たちに満足してもらうこと。
  • 商品が売り切れたら、その商品が掲載されているページでそのことを目立つようにはっきりと告知すること。そして、いつ再入荷するのかも顧客に知らせておくのよ。顧客をできるだけがっかりさせないようにするために、バックオーダーや予約注文を受け付けることもできるわね。
  • 発送に予想以上の時間がかかってしまったり、特に大きな不満を訴える顧客がいたりした場合は、迷惑料として何かの特典を付けると、顧客の怒りもある程度鎮められるわ。特典としては、次回注文時の配送料無料サービスとか、クーポン券、値引き、無料アイテムの提供なんかがあるわね。すべての顧客に対してこんなことをするのはたしかに不可能だけど、カンカンに怒っている人たちを鎮める努力は、すなわち自分自身の評判管理に対する投資になるのよ。
  • ある商品が製造中止や販売中止になったりする場合は、いつまでもその商品をサイト上に掲載しておかないこと。その商品へのリンクはすべて301リダイレクトして、それを類似商品か、適切なカテゴリのページに飛ぶようにするといいわ。
  • 実店舗(あるいはフランチャイズ店)を持っていて、ある製品やサービスをウェブサイトで宣伝しているのなら、(ウェンディーズのように)実店舗で提供できない可能性のある商品/サービスについては、サイト上でもその旨をはっきりと告知しておくこと(たとえば、「店舗によってはご利用いただけないところもあります」とか、「販売店では在庫切れとなっている場合もあります」といったように)。

このほかに何かアドバイスや予防策はあるかしら? 何かいいアイデアがあったらぜひ教えて。ウェンディーズにメールして言ってやるわ。ウェンディーズには、ベーコンとチーズのべークドポテトっていう貸しがあるんだから。

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