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作品ごとに開設される映画サイト——「上映後は放置」じゃもったいない

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SEO界の偏屈じいさんコンビseohackSyzlakと話をしていて、映画関係のウェブサイトの話になったの。

新作映画が出来上がると、映画会社はたいてい、その作品専用のウェブサイトを個別に開設するでしょ。私はあえてこれに異を唱え、映画会社はどうしてサブディレクトリ(たとえば「paramount.com/映画のタイトル」のように)を作って本体のドメイン名上で映画の宣伝をしないのか、Syzlakに尋ねたの。するとSyzlakはこう答えたわ。

そりゃ、本体サイトから各作品のサイトにリンクしておけば、そのドメイン名の検索順位が上がるだろ。でも、それぞれをマイクロサイトとかサブドメイン名などの形で本体サイトに置いたら、そこまで順位が上がらないんじゃないかな。

ごもっとも。考えてみれば、映画館は映画の宣伝をしたいのであって、映画会社を宣伝したいってわけじゃないのよね。だから、独立したウェブサイトを設けて、新作映画そのものをブランド化するのは理にかなってるのよ。

seohackは、作品別のドメイン名で映画を宣伝する場合に起こりうる問題点を、次のように説明したわ。

僕の見たところ、マイクロサイトを利用する際の唯一の問題点は、そのドメイン名については何もかも一から始めなきゃいけないってことだ。これはリンク人気を構築する上で障害になるよね。しかも、いつでも映画のタイトルをドメイン名として利用できるとはかぎらないから、そういうときには、その作品を構成する要素としてブランド化できるような変てこなドメイン名を付ける羽目になる。

今ある本体サイトのディレクトリ構造に各作品のページを追加する形にすれば、その映画の話題性が作ってくれるリンク生成能力も、既存のリンク人気を利用する力も同時に獲得できて、スパイダーにコンテンツを拾ってもらいやすくなる。それに、映画会社のドメイン名はすでに歴史があるので、その面でも苦労しなくて済む……。

とはいえ、映画会社はプロジェクトを立ち上げたらすぐに、映画のタイトルが変更になることはないと想定してドメイン名を買い、歴史を作り始めるんだろうな。

映画のタイトルが必ずしも利用できるわけではない、という指摘は良いわね。そうした場合、映画会社は気取った感じを出そうとして、たとえば「The Love Guru」用のサイトに、「lovegurumovie.com」(ラブ・グル・ムービー・ドットコム)ではなく「lameassjokemikemyersmakesinthemovie.com」(マイク・マイヤーズが映画で放つグダグダなジョーク・ドットコム)なんていうさえないURLを登録しようとするかも。

リンク獲得という目的から言うと、可能ならキーワードを含むURLにするのが一般的なベストプラクティスよね。そうしとくと、そのURLをアンカーテキストとして使ってもらえれば、キーワードもちゃんと組み込まれていることになるもの。

でも、新しい映画を宣伝しようとしている映画会社にとって、一から始めることが、大きな問題になるとは思えないの。その映画が話題になってくれば、映画のタイトルでサイトが高い検索順位を獲得するのもそう難しい話ではないはず。さらに、映画会社本体のサイトから新しいサイトにリンクしておけば、その新サイトにもたくさんのリンクジュースを送り込めるでしょ。

◇◇◇

それよりも私が気になったのは、劇場公開終了後に映画のウェブサイトがどうなるかってことだったの。そうしたウェブサイトはたいてい、ただ静かに風化していき、ほこりを被って忘れ去られてしまう。

もう一度「The Love Guru」を例に使うわね。映画好きなら私の意見に賛成してくれると思うけど、この映画はもう臭気ぷんぷんのお下劣コメディで、初登場の週末でも興行収入は第4位、1500万ドルにも満たなかったらしいわ。じきに公開打ち切りになるのは間違いないでしょうね。

そうすると、この映画を配給したパラマウント・ピクチャ社は、次回に公開を予定している作品の宣伝にどんどん移っていく。そして「The Love Guru」のウェブサイトは放置され、もしかしたらDVDのリリース時に若干アップデートされるかもしれないけど、おおむね見捨てられる運命にあるわ。

だけど……「The Love Guru」のウェブサイトには約2万件のリンクを獲得しているのよ。ものすごい数のリンクでしょ(ちなみに、パラマウント・ピクチャ社の本体のウェブサイトには25万件以上のリンクが張られている)。

じゃあ、この映画の公開終了後、「www.lovegurumovie.com」を本体のウェブサイト上のページ(たとえば「paramount.com/movies/loveguru」など)にリダイレクトしたらどうなるかしら? このリダイレクト先のページには、あらすじやキャスト、画像、ビデオクリップ、予告編、関連商品、DVD情報など、映画に関する情報を置くといいわね。

そして今から2年後、USA Networkで「The Love Guru」の放送があるのを私が見つけたとするわ。私は、とあるはしたない理由から、その映画を見つけて信じられないほど浮かれているの(今だってそんな気分になることもあるけど……酔っぱらってればね)。インターネットに接続して、この映画についてもっと多くの情報を得ようと「the love guru」で検索してみる。検索結果のトップはParamountの「The Love Guru」のページ(願わくばimdb.comを負かしていてほしいけど、逆にimdb.comにトップを取られているかも)。検索結果をクリックして、この映画に関する情報を読む。同じページ内には「これから劇場公開予定のコメディ作品」というセクションがある。リストをチェックして私は思う。「わぁ~、ここにある作品、すごくおもしろそう。公開はいつかしら?」。宣伝されている映画のうちの1つ(可能性が高そうなのは「Shrek 9」とかかな、ワクワク)が近所の映画館に来たら、私は床のべとつく映画館に出かけて10ドルを支払い、そのお金がパラマウントの懐に入るってわけ。

◇◇◇

このように、リダイレクトの手法を使うと、ロングテール検索でパラマウントの順位が上がるだけなく、近日公開作品のプロモーションにも役立つわ。SEOの立場で言うと、これは映画会社にとってすばらしいチャンスだと思うのよね。でも、Syzlakとseohackはすぐに、厳しい現実を突きつけて反論してきたわ。

seohack:映画会社は、自分たちのサイトの検索順位なんて気にしてるんだろうか? 連中のうちのいったいどれだけが、そんなこと気にしたり、あれこれ戦術を使ったりしてるんだい?

Syzlak:映画会社が、なんでそんな古い映画のことなんて気にしなくちゃいけないのさ? 連中は、すでに次の映画のプロモーションに専念して、きっとこう考えてるよ。「『エリザベス:ゴールデン・エイジ』なんか気にしちゃいられない。今は『You Don't Mess With the Zohan』がすべてだ」ってね。

そうね、SEOのことを理解してなくて、その価値や利益を知らない多くの企業について、こうすればいいのにって考えるのは自由だわ。でも、現在のシステムは明らかにうまく機能しているようだ、とも言えそうね。

たいていの場合、映画会社は、各作品のウェブサイトに高い検索順位を獲得してトラフィックを呼び込むのに苦労していないわ。それに、他にも気にしなくちゃならない上映作品をいくつも抱えているはずだから、もう気にしなくていい映画のサイトにSEO戦略を持ち込むことなんて、優先順位が低そうだわ。私はたぶん、長いことSEOをやってきたせいで、実際にはそれほど優先順位の高くないことに、大きなチャンスを見出してしまうのかもね。

でも……私はこう思わずにはいられないの。もし各作品のウェブサイトをすべて本体のサイトにリダイレクトすれば、映画会社はどれだけ多くのロングテール検索を引き込めるか、よく考えてみて。imdb.comと張り合うことだってできるし、そういうページを使って他作品とのクロスプロモーションだってできるのよ。さらに、公開前と公開中にサイトが獲得していたリンクが、すべて無駄にならずにすむわ。こんなの、考えるまでもない自明なことでしょ?

どう思う? 私、いいところに気がついたんじゃないかしら。それとも、私の中のSEOの部分が、すでにかなりうまく機能している映画会社のマーケティング戦略をややこしくしようとしているだけなのかな? 映画会社は大きな機会を逃しているんじゃないかしら。それとも、そんなことどうでもいいのかな?

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