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最新SEO情報 from SMX Advanced など10+5記事

今週は「SMX Advanced」特集。シアトルで開催されたイベントからの情報をまとめてお届けする

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グーグルの主要メンバーがSEOに関するさまざまな情報を提供する、海外の大規模イベント「SMX Advanced」で取材してきた最新情報をお届けする。「グーグルが推奨するHTTP/2」「HTTPS化でありがちなミス」「パンダとペンギン」「2015年度版ランキング要因」などなど、盛りだくさんだ。

今週のピックアップ

先週はこのコーナーをお休みし、米シアトルで開催されたSMX Advancedカンファレンスに参加してきた。

今週のピックアップとしては、カンファレンスで筆者が得た情報をお届けする。

※「日本語で読めるSEO/SEM情報」は次ページに掲載

グーグルが推奨するHTTP/2とは
★★★★☆ パフォーマンス向上が最大の利点 (SMX Advanced 2015)

SMXカンファレンスでは、米グーグルのマイリー・オーイェ氏が技術的なテーマをトピックに講演したセッションがあった。今後注目してほしいとオーイェ氏が推奨した最新の技術について紹介する。その技術とはHTTP/2だ。

マイリー・オーイェ

HTTP/2は、ウェブの通信で用いられる規格、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)の最新バージョンで、2015年2月17日に正式な仕様として承認された。

前のバージョンのHTTP/1.xは、ウェブがシンプルだった1996年に策定されたものだ。そのため、現在のように画像や動画などのマルチメディアや数々の動的コンテンツの利用を想定しておらず、潜在的にパフォーマンスが悪い(表示速度をある程度以上は改善しづらい)のが大きな欠点の1つだった。

HTTP/2の最大の特徴はパフォーマンス向上だ。オーイェ氏は、HTTP/2が持つパフォーマンスの利点として次の3つを挙げた。

  • 無制限の同時リクエスト
  • 重要なリソースの優先取得
  • HTTPヘッダーの圧縮

速いウェブをユーザーは期待するようになっている。ユーザーの期待に応えるためにもHTTP/2の採用を検討するようにとオーイェ氏は勧めた。

一般的に使われているブラウザのChromeとFirefox、(Windows 10の)Internet Explorerの最新バージョンが、HTTP/2をサポートしている。また、ウェブサーバーでは、ApacheとInternet Information Service(IIS)、nginxがHTTP/2に対応している。

今すぐではないにしても、サーバー管理者とも話をし、将来的なHTTP/2への対応を視野に入れておくといいだろう。

ちなみにGooglebotはまだHTTP/2には対応していないそうだ。

HTTPSサイトの3分の2がちゃんとできていないこと
★★★★☆ それはURLの統一 (SMX Advanced 2015)

グーグルの調査によれば、HTTPSで提供されるURLのうち、きちんとHTTPSに統一できていたのは3分の1以下だ。

グーグルのマイリー・オーイェ氏は、技術セッションのなかで、HTTPSへ移行したサイトにみられる不完全な正規化を指摘した。不一致がみられる設定には次のようなものがあるそうだ。

  • rel="canonical"
  • サイトマップ
  • hreflang
  • 混在するコンテンツ

HTTPSを利用しているにもかかわらず、rel="canonical"やサイトマップ、hreflangに記述するURLがHTTPのままのサイトがあるのだ。これらのURLもHTTPSに更新しなければ、完全なHTTPS化とは言えない。

また画像やJavaScriptを「http://」のURLで指定することも問題だ。HTTPSのページ内でHTTPのサブリソースを取得することになるため、たいていのブラウザでは、セキュリティが不完全だという警告が出る。

ページとは別に読み込むコンテンツやリソースのURLは、次のように記載するルールにしておくといいだろう。

  • 同一ドメイン名のリソースならば、相対パスか絶対パスを使う
    • 例(相対パス):src="images/pic1.png"
    • 例(絶対パス):src="/images/pic2.png"
  • 別ドメイン名のリソースならば、プロトコル相対URLを使う
    • 例:src="//www.example.com/script/hoge.js"

モバイル向けページとPC向けページのコンテンツが異なるとき、グーグルはどうするのか?
★★★★☆ PC向けページのコンテンツを見るらしい (SMX Advanced 2015)

モバイル向けページとPC向けページを別々のURLで配信している構成でそれぞれのコンテンツが異なっている場合は、PC向けページのコンテンツで評価する。

SMXカンファレンスでグーグルのゲイリー・イリーズ氏はこのように発言した。極端に言えば、モバイル向けページのコンテンツは無視されることになる。モバイル向けページは、rel="canonical"でPC向けページに正規化しているので、動作としては納得がいく。

しかし逆手に取れば、スパムに悪用できる仕組みでもある。だが、イリーズ氏によればスパムチームが調査したところ、悪用していたケースは1件もなかったそうだ。

一方、マイリー・オーイェ氏は無条件で正規化することはなく、コンテンツに違いがないかどうかをチェックすると説明していた。

イリーズ氏とオーイェ氏の発言は一致していないが、スパムに利用されないようにグーグルが注意を払っているのは確かなことだ。PC向けとモバイル向けで多少のコンテンツ差異は許容されるだろうが、大幅に異なるとしたら、何らかの対処が行われるかもしれない。

パンダとペンギンの現状についてグーグルが口を開いた
★★★★☆ パンダ更新はもうすぐ、ペンギン更新は不明 (SMX Advanced 2015)

グーグルのゲイリー・イリーズ氏がQ&Aセッションで、パンダアップデートとペンギンアップデートの現状について明らかにした。

ダニー・サリヴァンとゲイリー・イリーズ
司会のダニー・サリヴァン氏(左)とゲイリー・イリーズ氏(右)

パンダアップデート

2~4週間以内に更新する予定(アルゴリズム更新ではなくデータの更新)。月1回程度の更新にしたいが、更新のためのデータの収集や精査に時間がかかることがある。

今のところ、パンダアップデートは手動での更新だ。

ペンギンアップデート

継続的な自動更新を目指しているが、まだ数か月は時間がかかる。

イリーズ氏がこの発言をしたのは現地時間の6月2日なので、次のパンダアップデートは1~3週間後に実施される見通しだ。パンダアップデートの更新をグーグルが明確に認めたのは2014年の10月だ。予告どおり実施されれば、およそ8か月ぶりの更新となる。

一方ペンギンアップデートの次回更新のスケジュールについては、イリーズ氏は言及しなかった。間隔が空く手動更新のパンダとは異なり、絶え間のない自動更新化に取り組んでいるとのことだが、しばらく先の話になりそうだ。

海外SEO情報ブログ海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

筆者が自分のブログに投稿したSMX Advancedカンファレンスのセッションレポート記事を2本、今週はピックアップする。

SEO JapanSEO Japanの
掲載記事からピックアップ

SMX Advanced カンファレンスにはSEO Japan(アイオイクス)の社員さんたちも参加していた。筆者とは別のセッションをレポートしてくれている。3記事をピックアップする。

用語集
CSS / Googlebot / JavaScript / SEM / SEO / クリック率 / スニペット / セッション / ドメイン名 / 訪問 / 訪問者

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