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2021年のグーグルSEO予測: CTR低下、ランキング要因、アップデートなど5項目【SEO情報まとめ】

2021年のグーグルSEOはどうなるのだろうか? サイラス・シェパード氏による5つの予測をお届けする。「SERPでのCTRは下がる」など、頭に入れておいて損はなさそうだ。

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2021年のグーグルSEOはどうなるのだろうか? サイラス・シェパード氏による5つの予測をお届けする。「SERPでのCTRは下がる」「コア アップデートは1回~3回」「基本的なランキング要因は同じ」など、頭に入れておいて損はなさそうだ。

ほかにも、「ダメなSEOをやってるサイトが上位表示」「大量ページを一気に公開してOK?」「クロール改善」「ウェブストーリー+Discover」などなど、あなたのSEOを少し良くする情報を、今回もまとめてお届けする。

  • ダメなSEOをやってるサイトが上位表示するのはなぜ?
  • 新規サイトにページ数が多い場合、一気に公開すべき? 小出しにすべき?
  • アクセスログ解析からクロール効率を改善した成功事例
  • ウェブストーリー+Discover=アクセスUP
  • HTTP/2クロール開始の通知をグーグルが一斉送信
  • すべてのページにトップページからリンクすべきか?
  • GMBの営業時間を検索結果から簡単に更新する方法
  • グーグル製のトラッキング用タグが正常かどうかを調べる便利なChrome拡張
  • 検索広告向けランディングページ作成5つのコツ
  • Search Consoleのカバレッジ レポートが改良、改良点は 4つ
  • Google、Question Hubを米国で提供開始。検索ユーザーが知りたいことを直接入手できる

今週のピックアップ

2021年のグーグルSEO予測: CTR低下、ランキング要因、アップデートなど5項目
実際には手堅い予測 (Cyrus on Twitter) 海外情報

米国のSEOコンサルタントであるサイラス・シェパード氏が2021年のSEOを5つ予測した。

  • CTRは下がる
  • グーグルの収益は上がる
  • コア アップデートは1回~3回
  • だれもが表示速度を口にする
  • 基本的なランキング要因は同じ

どれも手堅い予想だと筆者は感じた。筆者の視点から、それぞれを補足解説する。

CTR(クリック率)が下がるというのは、従来の10件の青色リンクの検索結果を指すと思われる。しかし今のグーグルは、検索結果にバラエティに富んだ内容を表示する。たとえば次のようなものだ:

  • 広告
  • 強調スニペット
  • ナレッジパネル
  • 地図
  • 動画
  • 画像
  • レシピ

通常検索のクリック率は下落傾向にあるのはいくつもの調査が示している。この傾向は今後も続くだろう。

我々としては、「検索結果1位にこだわる」のではなく、「いかに質の高いトラフックを集めるか」に注力すべきだろう。また強調スニペットや広告、ナレッジパネル、地図結果などで露出できるような取り組みもクエリに応じて必要だ。

グーグルの収益が上がるというのは、検索結果を対象にすればもちろん広告収入のことだろう。関連性が高い検索結果を提供すればするほど人々はグーグルで検索する。結果として、グーグルの広告収入も増える。

広告が占める領域が拡大しているような気がしなくもないが、泣き言を言うのではなく、SEOに加えて広告も検索エンジンマーケティングの一環として利用するのが賢い選択に思える。

コア アップデートに関しては、言うまでもなく今年も実行されるに違いない。例年はだいたい3~4回だ。いわゆる E-A-T を重視する流れがいっそう強まるのだろうことは容易に想像できる。

表示速度については、単にスピードだけでなくユーザー体験全体でとらえたほうがよそうだ。特に、コア ウェブ バイタルだ。今年5月には、ランキング要因に組み込まれる。

グーグルのさじ加減で振り回される感があるかもしれないが、HTTPSのランキング化でも証明されたように、最終的にはユーザーの利益になると考えればコア ウェブ バイタル改善に費やす工数に価値があると期待したい。

さまざまな変化はあるにせよ、基盤となるランキング要因が不変だというのは、予想ではなく事実にも思う。たとえば、次のような取り組みの重要性は昔も今も今後も変わることはないはずだ:

  • 関連性があり質が高いコンテンツを提供する
  • ユーザー体験を向上する
  • ウェブページを検索エンジンに正しくクロール、インデックスさせる
  • リッチリザルトやAMP、PWAなどの技術的な機能を最大限に利用する
★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報①

ダメなSEOをやってるサイトが上位表示するのはなぜ?
全体的な品質と価値をグーグルは見ている (Glenn Gabe on Twitter) 海外情報

グーグル検索で上位に表示されているサイトが、

  • SEOの観点で適切に施策できていない
  • ガイドラインに違反するようなことをやっている

ということがある。こうした状況について、グーグルのジョン・ミューラー氏がオフィスアワーで説明した。かなり長いのだが、グレン・ゲイブ氏が要点をまとめてツイッターに投稿してくれた。

以下では、ゲイブ氏のツイートにミューラー氏の発言を補足しながら日本語で紹介する。

グーグルのアルゴリズムは、非常に多くの要因にもとづいてランキングを決定している。よって、すべてを完璧にやっていなくても上位表示するのはよくあることだ。

正しくできていないからといって、検索結果から削除することはない(そんなことをしていたら検索結果に表示できるものは何もなくなってしまう)。

その代わりにグーグルのアルゴリズムは、サイトのあらゆる側面からの評価を総合して考慮するように動く。だから、多少のガイドライン違反に気付いても、それを無視しようとする。

この「無視する」のは非常に重要な点だと考えている。サイト管理者がネットでたまたま見た悪いアドバイスに従っていたとしても、すぐに検索結果から削除するのではなく、そのサイトの良い点を探すことに集中できるからだ。

技術的な点(たとえば「このサイトはHTMLの文法がおかしい」「ツールの出すこの指標はウチのほうが少し良いのに」など)を気にするのではなく、長期的な視点でサイトを改善することに意識を向けたほうがいい。

技術的な要因は(ある程度は)今でも重要だが、本当に重要なのは、次の2つだ:

  • 全体的な品質
  • ウェブ(やユーザー)に提供する価値

技術的には、ツールが計測するスコアを意識してSEOすれば良い点数をとれるかもしれない。しかし実際にグーグルが評価したいのは、技術が優れているページではなく、よりユーザーに価値を提供するページだ。

競合よりも優れたものにするのは重要だが、同時にユーザーにとっての品質と価値にも焦点を当てるべきだ。

だから、技術的な面と同様にユーザーの面からもサイトを評価することが大切だ。

技術的ではない側面から評価することは難しいかもしれない。そういう場合には、ユーザーテストが非常に役に立つ。サイトをどのように改善すべきかについては、実際のユーザーからの客観的なフィードバックを得るといい。

ゲイブ氏の一連のツイートすべてはこちらから

もっと言えば、ミューラー氏が細かい説明をする前に前提として話した次の点が本質だろう:

「SEO的に良くないことをしているのに上位表示している」と他サイトのアラ探しをする暇があれば、その時間を自分のサイトに使うほうが、よっぽど意味がある。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

新規サイトにページ数が多い場合、一気に公開すべき? 小出しにすべき?
クロール/インデックス視点では小出しが吉 (Google SEO office-hours) 海外情報

数百万ページもあるようなサイトを新規公開する場合、次のどちらが良いのだろうか?

  • 数百万ページを一度に公開する
  • 少しずつ公開していく

大量のページを一挙に公開したからといって、単にそれが理由でスパム扱いされることはない

だが、クロールやインデックスを考慮すると徐々に公開するほうが好ましいようだ。ポイントは次の2点ある:

  • まず、サーバーにかかる負荷だ。短時間に多くのURLをGooglebotがクロールするので、サーバーが負荷に耐えられなければならない。さもなくばユーザーのアクセスに支障が出るかもしれない。

  • 加えて、インデックスする価値があることをグーグルに証明するためにメインカテゴリに含まれるような重要なページだけを先に公開することを、ジョン・ミューラー氏は提案している。

    ある程度の時間をかけて価値あるサイトだとグーグルが理解するにつれ、クロール頻度も上がってくるだろうし、結果としてインデックス速度も上がってくるからだ。

一度に公開したい気持ちをグッとこらえて、精鋭部隊のページを先にグーグルに見せて高品質なサイトだと印象付ける作戦が吉と出そうだ。最終的には、クロール/インデックスされやすくなることが期待できる。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

アクセスログ解析からクロール効率を改善した成功事例
シンプルな施策でも大規模サイトでは見違える効果あり (アソビュー! Tech Blog) 国内情報

大規模サイトの運用者に役立ちそうな記事を紹介する。アクセスログ解析にもとづいた、アソビュー! のクロール改善の事例だ。

分析と改善は、次の2つの軸で行っている:

  • ステータスコード別 ―― 不必要なリダイレクトやエラーが発生していないか
  • 主要機能別 ―― サイトにとって重要なコンテンツ(コンバージョンに関係するページなど)が多くクロールされているか

効果があった施策として次の2つを取り上げている:

  • 不要な301リダイレクトの解消
  • クロールする必要がないAPIのURLをrobots.txtでブロック

中小規模のサイトであれば、クロール効率を気にする必要は通常はない。しかしながら、アソビュー!くらいの大規模サイトになるとこうしたシンプルな改善でも見違えるような改善が見られる。

不必要なクロールを削減することで本当に重要なページをGooglebotに優先的にクロールしてもらえるからだ。

★★★☆☆
  • 大規模サイトのすべてのWeb担当者 必見!
  • 技術がわかる人に伝えましょう

ウェブストーリー+Discover=アクセスUP
日本での導入に期待 (Google Developers Japan) 国内情報

ウェブストーリーがDiscoverにも掲載されるようになった。しかも、Discover上部にカルーセルでの表示だ。これは、

  • 利用ユーザーが増加している「Discover」
  • グーグルが普及を推進している「ウェブストーリー」

が融合したもので、ユーザーにかなり強くアピールできそうだ(具体的な様子はこちらのアニメーションで確認してほしい)。

Discoverにカルーセルで掲載されるウェブストーリー

ウェブストーリーのカルーセルでのDiscover掲載が提供されているは、今のところ次の3国だ。

  • 米国
  • インド
  • ブラジル

ユーザーの反応がよければ日本にも導入されるかもしれない。また、ウェブストーリーを公開しているサイトの数が増えることも条件になりそうだ。

ウェブストーリーによってトラフィックを増やした成功事例も最近は目にするようになった。

※これは、ウェブストーリーで検索トラフィックが増えた例

Discoverでのウェブストーリー掲載の将来の導入を期待して、今のうちから仕込んでみてはいかがだろうか? ウェブストーリー専用のサイトをグーグルは公開しているので、興味があれば訪問するといい。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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