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検索エンジンの進化とその影響(Search 4.0+) - SEOのリンク価値はあと数年は大丈夫だが……

この6週間、別々に起こった3つの出来事を見ていて、僕はこの記事を書かねばならないと考えるに至った。

検索マーケターとして僕たちは、2008年第4四半期の間に検索エンジンが実施した小さな修正ばかりでなく、そのことが示しているもっと大まかな方向性を理解する必要がある。まずは、起こった出来事を挙げることから始めよう。

  1. 検索結果ページに(その他の場所でも)広告が増加
    • グーグルはアドワーズでの酒類の広告をOKにした - 英語記事
    • グーグルは、登録済みだが利用されていないドメイン名(パーキングドメイン名)に掲載するアドセンス広告を広げている - 英語記事
    • 検索キーワードの入力ボックスでキーワード候補を表示する「グーグルサジェスト」がグーグルの標準となり、キーワード候補の中にも広告が出るようになった - 英語記事、画像で説明
    • グーグルが2008年末に、2009年に向けたカウントダウンカレンダーを作ってそのなかでグーグルの広告商品を説明 - 英語記事、画像で説明
    • ヤフーが検索連動型広告に画像を表示 - 日本語記事
  2. 米ヤフーが「オープン」戦略Yahoo! Open StrategyおよびYahoo! Search BOSSを強化
    • Yahoo!メール、My Yahoo!、Yahoo!ツールバーなどでサードパーティアプリケーションなどを作り利用することが可能に - 英語記事1 英語記事2、画像で説明
    • 米ヤフーの検索技術を他のサイトで使用可能にするサービス「Yahoo! Search BOSS(Build Your Own Search Service)」の利用が伸び、1日あたり1000万クエリに - 日本語記事
  3. グーグルが検索結果ページの強化と修正を実施
    • 自分用に検索結果の順位を変えたりコメントしたりする機能「SearchWiki」をリリース - 英語記事 Web担での簡単な日本語解説
    • オーガニック検索の検索結果に自分のページが表示されたときに併せて出す価格やレビューなどの情報を定義する「強化リスティング」、サイトリンクに似たような感じでページ内のジャンプ位置を検索結果に出せる「ページリンク」、「もしかして」の最適キーワード候補の検索結果をページ内に自動的に表示する機能 - 英語記事、画像で説明
    • 画像検索で、これまでの「顔」に加えて「クリップアート」「線画」「写真」などのコンテンツタイプで検索できるように - 英語記事、画像で説明

これらの出来事について、「関連性がある」とか、似たような方向性を示しているなどと説明するのは難しい。だが、どうも1つの変化の異なる一面を表しているような気がする。

科学的な裏付けがあるわけではないが、検索マーケティング業界において極めて優秀で経験豊かなマイク・グレハン氏のような同業者たちもこれに同調する意見を述べており、僕は意を強くしている。グレハン氏は最新の論文で次のように述べている。

われわれは、ブラウザに入りきれないものを無理やり押し込もうとしているようなものだ。ティム・バーナーズ=リー卿がHTMLやHTTPプロトコルとともに考案したブラウザは、ダイアルアップモデムを通じてコンピュータに配信されるテキストや画像を表示するためのものであり、今日行われているように、映画を鑑賞するためのものではない。

検索エンジンのクローラーは、HTMLページ内のテキストを把握し、ページ間のリンクを分析するために開発された。だが、クローラーが巡回できない部分に大量の情報が存在している現状において、自分自身が制作者として常時コンピュータに接続し、要求が絶えることないユーザーたちにとって、これが適切な方法だろうか?

非常に洞察に満ちたこの論文「検索エンジンに対する新たなシグナル(New Signals to Search Engines)」をAcronym Mediaのサイトからダウンロードして、じっくり読んでみてほしい。僕も、大まかなところではグレハン氏の意見とほとんど同じだと言っていい。検索の新しい時代が到来しつつあり、こうした未来に何が待ち受けているのか、ようやく、はっきりと見えるようになってきた。

ダニー・サリバン氏なら、現在僕らがSearch 3.0の段階にあり、Search 4.0に向かいつつあると言いたいところだろう。彼が分類した検索の発展段階を見てみよう。

検索の発展段階
  • Search 1.0 - キーワードおよびテキスト
  • Search 2.0 - リンク分析
  • Search 3.0 - 垂直検索の統合
  • Search 4.0 - パーソナライゼーション

僕らが直面しようとしている検索の未来には、ここに挙げたすべての要素が含まれると思うが、ここには、ごく初期の段階から「Web 2.0」ムーブメントの一環をなしていた要素がもう1つ含まれるだろう。それはユーザー参加という要素だ。

現在、世界の主要検索エンジンはすべて、どうしたら韓国のNaverのようになれるのか、考え出そうとしているようだ。グーグルはGoogle Groups、Orkut、Google Livelyを試してみた(が、あまり成功はしていない)。ヤフーはMyYahoo!、Yahoo! Answers、Yahoo! Mash、Yahoo! 360°を試みた(グーグルよりは若干「ヒット」したことは間違いない)。現在グーグルはSearchWikiを、ヤフーはオープン・プラットフォーム戦略を試しているところだ。

この中に「検索の未来像」があるとは非常に考えにくいけれども、ウェブ検索のシグナルに関与するのが、キーワード、リンク、垂直検索の結果、パーソナライゼーションだけに留まることはないだろうとは思っている。ごく近い将来のある時点において、集団意識(集合知)が検索エンジンのアルゴリズムの一部になるだろう。サリバン氏のモデルにしたがうなら、これはSearch 5.0に該当するのかもしれないが、パーソナライゼーション垂直検索の統合、およびこの新しいクラウド・ソーシングはすべて、そうした1つの動きにある程度取り込まれていくと考えられる。

僕は、概念上のささいな違いについて論ずるのではなく(特に、指導的な立場にある人たちはみな、基本的なところで意見がかなり一致しているようなので)、自分がいつもやっていることをやろうと思う。これが検索マーケターたちにどのような影響を与えるか考えることだ。

グレハン氏は、前述の論文において見事な考証を行っている。

末端のユーザーたちはこれまで、Webページからのリンクという形ではコンテンツに対する支持票を投じることができなかった。しかし今では、クリック、ブックマーク、タグ、レーティングなどを通じて、そのような末端ユーザーからのシグナルも支持票としての役割を果たすことができる。これらは、検索エンジンに対する非常に強力なシグナルだ。何よりも、こうしたシグナルは、他のサイトにリンクを張ってやるというWebサイト所有者のエリート意識や、低機能なボットによる毒にも薬にもならないようなクロールに左右されない。

グレハン氏の論文では、機知に富んだ考察が数多く披瀝されているが、僕がいちばん気に入ったのは上に引用した部分だ。

グレハン氏は、検索業界で起こっていることの本質をすくい出している。それは、検索エンジンは、ゆっくりとではあるが変化しており、検索結果の質をさらに向上させるために新たな測定指標やデータソースを取り入れようとしているということだ(確かにこう書くと常に大変なことが起こっているように思えるかもしれないが、こうした変化は何年も前から始まっていると思われる)。アルゴリズム技術の研究をしている人なら、たいていの場合、アルゴリズムを改良するよりもデータを増やした方がうまくいくということを、おそらく何年も前から知っているだろう。したがって、応用の可能性を求めて、検索エンジンがデータソースを見つけられるだけ見つけようとしていても、驚くに当たらない。

僕が疑問に思うのは、より多くのデータ、特にこの種のデータによって、SEOマーケターが自分のサイトや顧客の成功のためになすべきことが変化するかどうかということだ。

それほどの変化はないだろう。少なくとも、長期にわたって専念してきた賢明なSEOマーケターにとっては。

確かに、スパム/リンク売買/リンク操作に手を染めてきた連中なら、たとえそれがかなり白に近いグレーハット的なものであったとしても、不快な驚きに見舞われるかもしれない。だが、思慮深くビジネスを構築し、生の検索順位だけでなく、顧客の満足度、ブランド構築、ユーザー参加、口コミマーケティングにも注力してきた人にとって、こうした変化は差し引きプラスの方向へ働くだろう。その理由? データが増えるということは、検索エンジンが自分や自分のビジターたちについてさらに詳しく知ることになるからだ。検索エンジンは、多くのリピーターを引き寄せているサイト、忠実なユーザーのいるサイト、顧客を満足させるだけでなく、喜ばせるのに成功しているサイトなどを把握できる。こうしたサイトこそ、僕らみんなが構築すべきものであり、検索エンジンが高く評価したいと思っているサイトでもあるのだ。

結局のところ、「最高の検索結果」とは「最高のサイトを表示するもの」なのだ。検索エンジンが現在利用している技術によって高く評価されているごく一部のウェブ資産というのは、2つのランキング・シグナルで成功を収めている。1つは適切なキーワード・ターゲッティング、もう1つは質の高い(もしくは、並み以下のものばかりだが多数の)外部リンクだ。収集されるデータが増えるということは、たとえ自分のサイトがこれら2つのランキング・シグナルという条件を完璧に満たしていなくても勝利を手にできる可能性が高まることを意味し、一方、自分の勝利を示すものがこの2つしかないという場合は、非常に困った事態に陥る危険性が高まることを意味する。

僕はまだ、SEO業界においてリンクが重要な役割を果たせなくなるまであと数年(3年から5年)かかると見ている(そしてキーワードについて言えば、それこそまさに検索の基本をなすものなのだから、決してないがしろにすることはできないと思っている)が、われわれがそういう方向へとゆっくり進んでいるという意見には、まったく同感だ。

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