グーグルが何かを変更したり修正したりするたびに、新しい疑問やブログ投稿、はたまた嘆き声などを次々と見聞きすることになるが、いずれも次のようなお決まりのパターンに沿っているように思える。
グーグルが新しいナントカカントカをリリースしたので、検索市場は永久に変わってしまった。もう昔ながらのSEOは忘れてしまおう。今後大事なのは、カクカクシカジカ……。
これまでにこうした議論が起きたのは、次のようなものが登場したときだった。
- パーソナライゼーション
- ローカル検索結果と地域ターゲティング
- マイクロソフトの「インスタント・アンサー」やグーグルの「ワンボックス検索」
- グーグルの「Knol」
- 履歴に基づくカスタマイズ
- グーグルのユニバーサル検索
そして昨年冬にはまた、「SearchWiki」をめぐって同じような騒ぎが起こっていた。
だが、僕がSEO業務を始めてからのこの5年あまり、こういった「大規模な変化」が起きても、SEOの手法が変わることはほとんどなかった。実際、SEOに本当の意味で最大の変化が訪れたのを目にしたのは、グーグルが方向性を転換したときだったが、大体においてこういった方針転換はほとんど報道されず、メディアもあまり注目していなかった。それは、次のようなものだ。
- グーグルが2003年の冬に「フロリダ・アップデート」を実施した際、コンテンツが乏しく、クオリティの低い多数のアフィリエイト・サイトの順位が下落した(そして良好なリンク・ジュースを引き渡す能力も下落した)。
- 2004年から2005年に、新規サイトはたいてい、グーグルのサントボックス現象を経験することになった。
- 2005年には、ほぼすべてのブログ・コメントでnofollow属性が使われるようになり、スパム的なブログ・リンクを使用して検索上位を獲得することはもはや不可能となった(完全な効力を発揮するまでに実際は1、2年かかったが)。
- 2006年11月、グーグル、ヤフー、マイクロソフトは、それぞれの検索エンジンをSitemaps.orgのプロトコルに対応させることを公式に表明した。
グーグルによるこれ以外の変更がSEOに影響を及ぼさなかったとまでは言わない。あっと驚くような驚天動地の変更や、克服しなければならない新たなパラダイムをもたらすような変化は、他になかったというだけのことだ。次のようなSEOの核心部分は、2002年の状態からほとんど変化していない。
- ページにアクセスできるようにする
- 検索者が使用するキーワードをターゲットとする
- ユーザーが便利で価値があると認めるコンテンツを作成する
- 優れた情報源から人の手によるリンクを獲得する
率直に言うが、Googleの新たな変化による「びっくり仰天」の話が浮上したときは、上記の4ステップのプロセスが根本的に崩れてしまったのかどうか、必ず自分自身に問いかけてみよう。本当に崩れてしまうまでは、そう心配はいらない。自分を優位に置くためにあらゆる戦略を学び、発展させ、調査することを止めてもいいということではないが、SEOに関する一時的な騒ぎをとことんまで追いかける必要はない。僕の母がよく言っているように、「中庸さ自体も含めて、何事も中庸が肝心」なのだ。
追伸:もし過去5年間に、自分のSEOのやり方に大きな影響を及ぼす大きな変化があったと感じている人がいたら、話を聞かせてほしい。もう時間が遅いし、僕は今日、早朝ミーティングがあるので、きっといくつかの変化を取り上げそこねていると思う。
追追伸:サイトやコンテンツの種類によっては、グーグルマップでローカル検索ができるようになったことは、実際に驚天動地の出来事だったかもしれないね。
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