Google検索ランキング要因 “ではない” 36の項目(公式根拠リンク付き)【SEO情報まとめ】
グーグルの検索ランキング要因「ではない」のに、SEO施策の対象だと勘違いされがちなものは多い。36個の「順位決定要因ではないけど、そうだと思われがちなもの」を紹介する。いずれも公式な情報で根拠を示しているので、あなたも勘違いしていないかチェックしてみてほしい。
グーグル検索結果がおかしくなり大喜利状態となった8月11日の状況はインデックスシステムの障害だったということでスルーし、それ以外の情報として、インデックス復活の最終手段、Search Consoleの新機能、コンテンツの一部がインデックスされない現象、ネガティブレビューの順位への影響などなどなどなど、SEOに携わる人が知っておいて損はない情報をまとめてお届けする。
- noindex解除してもGoogleのインデックスに復活しないときの最終手段
- WebストーリーはAMP対応サイトでなくても実現可能。誤解されがちだけど
- Search Consoleに検索フィルタ「ニュース」登場
- 初期非表示コンテンツは隠しテキスト? スパムサイトを通報するには? など7月のオフィスアワー
- 外部サービスのJSで生成したコンテンツがインデックスされない!?
- ネガティブレビューはランキングに悪影響を与えるのか?
- h1よりもh5タグを先に書くとランキングが下がるか?
- alt属性を設定するのはだれのため?
- SPAのソフト404を解消する2つの方法
- Google、モバイルファーストインデックスの強制移行を2021年3月末まで延期
- リッチリザルトに使われなくても構造化データをマークアップすべき? リッチリザルト表示は1ページ目だけ? Google社員が構造化データの質問に回答
今週のピックアップ
Google検索ランキング要因 “ではない” 36の項目(公式根拠リンク付き)
どれもランキング要因ではない (Search Engine Land) 海外情報
実際にはウェブ検索のランキング要因ではないのに、ランキング要因だと誤解されがちな項目を Search Engine Land(サーチエンジン ランド)がリストアップした。全部で36個ある。
元記事では、それぞれがランキング要因ではない根拠をグーグルのドキュメントや中の人の発言へのリンクで示している。根拠を知りたい人は元記事を参照してほしい(ただし、以下のリストで示しているカテゴリ分けは紹介のためにこちらで行ったものなので、一部で元記事どおりの順番ではないものがある)。
グーグル関連
- 検索品質ガイドラインの評価
- グーグル広告
- ソーシャルメディアでの言及やいいね!
- 検索結果でのクリック率
- 検索結果へすぐに戻る
ユーザー行動関連
- ページの滞在時間
- 直帰率
- ページでのユーザーエンゲージメントのデータ
- ユーザー行動
- Chromeのデータ(コア ウェブ バイタル除く)
- Googleアナリティクスのデータ
- ツールバーのデータ
- サイトへのアクセス数
- ショッピングカートの離脱
- ニュースレター申し込み
- ユーザーの実生活での行動
コンテンツ関連
- E-A-T
- レスポンシブ ウェブ デザイン
- AMP
- コンテンツの正確さ
- コンテンツ著者の経歴
- 構造化データ
- 文字数
- 発リンク
- 商品の値段
- URLの長さ
- アクセシビリティ
- 3DやARの画像
- ページ数の多さ
- 更新頻度
指標関連
- 評価の数字やレビューの数
- Better Business Bureau
- (グーグルとは関係のない)信用機関の認定
- ドメインエイジ
- Google+の「+1」
- Mozのツールが提示するドメインオーソリティ(DA: Domain Authority)
繰り返すが、どれもウェブ検索においては“直接の”ランキング要因ではない。たとえば、グーグル広告の出稿やGoogleアナリティクスのデータがランキングに影響するという誤解はいつになってもなくならない。
もっとも、“直接の”ランキング要因ではないからといって無視していいものばかりとは限らない。
たとえば、次のような点は意識しておこう:
「コンテンツの正確性」「アクセシビリティ」「E-A-T」などは、SEOとは無関係に、十分に考慮すべきもので、当たり前だ。
AMP対応でページ表示速度を向上すれば、これまで表示が遅くて評価が下げられていたのならば検索エンジンにも影響する可能性がある。
ソーシャルメディアで(オーガニックな)エンゲージメントが増えるように工夫していけば、結果としてコンテンツに触れてもらう機会が増え、リンクが増える可能性が高まる。
ユーザーのニーズに応えるコンテンツに改善することでページの直帰率を下げたりユーザーエンゲージメントを高めたりできれば、結果として検索にも影響するだろう。
大切なのは、検索エンジンがどういう方向性と判断を行っているのかを正しく理解してサイト運営に活かすことだ。専門家でもないだれかがブログに書いていたことを鵜呑みにして小手先の施策を行うことではない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
noindex解除してもGoogleのインデックスに復活しないときの最終手段
新しいURLで公開 (John on Twitter) 海外情報
noindex
を誤って設定してしまい気付いて修正したものの、いっこうにインデックスに復活しないというサイト管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにアドバイスした。
404やnoindexなどによって機能しなくなったURLがあると、私たちのシステムがその状態がふつうなのだと強く認識してしまい、もとに戻るまでに時間がかかることがある。
URLを入れ替えるのは確かに1つの方法だ。もっとも、ほとんどの場合はそこまでする必要はないだろうが。
あとは念のために、削除ツールでURLを削除していないことも確認しておくといい。
Sometimes our systems are so used to a URL not "working" (noindex, 404, etc) that it can take a bit of time to get back, so swapping out the URL can certainly help. In most cases you wouldn't need to though.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) August 6, 2020
Also, even if you didn't use the removal tools, I'd double-check there.
筆者も、noindex
設定していたURLからnoindex
を削除してもなかなかインデックスに戻らなかった経験がある。サイトマップに登録したり、URL検査ツールからインデックスにURL送信したりしても、2か月ほどかかった記憶がある。
待てど暮らせどインデックスに復活しないときは、最終手段として、新しいURLで同じコンテンツを公開するというのはありかもしれない。以前のURLは301リダイレクトしておけば、ユーザーは自動転送されるし、インデックスに戻ったときには評価も新URLに引き継がれるだろう。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
WebストーリーはAMP対応サイトでなくても実現可能。誤解されがちだけど
Webストーリー単独で公開可能 (Martin Splitti on Twitter) 海外情報
グーグルが最近プッシュしているように思える「Webストーリー」に挑戦してみようかと考えているウェブ担当者もいるのではないだろうか。
Webストーリーは、以前は「AMPストーリー」と呼ばれていたように、AMPフレームワークを使って作成する。こう聞くとサイト全体をAMP対応しなければならないと考えてしまうかもしれない。
しかしそういうことはない。Webストーリーはそれ単独で公開できる。Webストーリーを「PC版」「モバイル版」「AMP版」というように分ける必要はない(ただし、どんなデバイスでも閲覧できるようにレスポンシブ ウェブ デザインを採用するのが好ましい)。特定のURLだけAMPをベースに作るのは問題ないため、サイトの一部のコンテンツ(極端に言えば、1つのコンテンツだけ)をWebストーリーで作成することはまったく可能だ。
たとえば、グーグルのマーティン・スプリット氏がオリジナルのWebストーリーを公開している。だが、このWebストーリーを置いているスプリット氏の個人サイトはAMP対応していない一般的なサイトだ。
最初から大掛かりに制作に入るのではなく、まずお試し感覚で、Webストーリーで1つ2つコンテンツを作成してユーザーの反応を伺うのもいいだろう。
- Webストーリー挑戦してみたい人用(ふつうの人は気にしなくていい)
Search Consoleに検索フィルタ「ニュース」登場
グーグル検索のニュースタブからの訪問分析に (Google Devs Japan on ツイッター) 国内情報
Search Consoleの検索パフォーマンスの検索タイプ フィルタに「ニュース」が追加された。検索結果の「ニュース」タブからのアクセスだけを絞り込める。
ニュース検索からのトラフィックが多いサイトには便利なフィルタになるだろう。ニュースタブからの分析に利用してほしい。
なお、次のトラフィックはこの「ニュース」フィルタには含まれないので注意してほしい:
- 検索結果のメインエリア内にある「トップストーリー」からのトラフィック
- 検索ではなくGoogleニュースからのトラフィック
- ニュースタブからの検索トラフィックが多いすべてのWeb担当者 必見!
7月のオフィスアワー: MFIでの表示コンテンツは隠しテキストか? スパムサイトはどうやったら通報できるか? ほか
ボリュームたっぷりのQ&A (ウェブマスター オフィスアワー on YouTube) 国内情報
7月のオフィスアワーが開催された。金谷氏とあんな氏が回答した質問は次のとおりだ。
- 自サイトのコンテンツがコピーされた時の対応(0:03:37)
- Google しごと検索のマークアップ(0:07:35)
- リダイレクト(0:09:01)
- タイトルタグはランキング要素か(0:10:49)
- Search Consoleでのモバイル検索結果表示(0:14:28)
- ドメインの移行を伴う301リダイレクトの評価(0:16:51)
- サイト名指名検索した時にサイトリンク付きで表示させたい(0:20:02)
- エラー解消ページを一括で送信したい(0:23:51 )
- レスポンシブサイトの Google からの評価(0:27:25)
- MFI: 初期状態で非表示のコンテンツ(0:29:36)
- ペイウォール構造化マークアップの仕様(0:33:58)
- 構造化データの WebP/SVG サポート(0:38:32)
- 記事ページがインデックスされない(0:39:48)
- 自社サイトを複数所有している場合の被リンク(0:42:04)
- ブロックされたがインデックスされている(0:46:08)
- 検索結果での表示を制御する、各種の申請とサイト移転(0:49:14)
- レポート画面と API の数値が異なる(0:52:18)
- amp-mustache で URL が展開されずクロール(0:53:32)
- スパムサイト通報方法(0:55:56)
- Web Vitals の適用範囲(0:58:33)
- URL 検査でのメッセージの解釈(1:02:00)
気になるQ&Aをすぐに視聴できるように再生場所にリンクしてある。
最初から通しで視聴したい人は、こちらの埋め込み動画を使ってほしい。
また、このオフィスアワーに関連したツイッターでの金谷氏の投稿も紹介しておく。オフィスアワーの内容とあわせて参考にしてほしい。
スパム対策については、毎年公開しているこちらのスパム白書のような記事もご一読頂くと、スパムやスパムの対処方法についてより深くご理解いただけるのではないかと思います。https://t.co/h9AEX2cV73#ウェブマスターオフィスアワー
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) August 6, 2020
仮に隠しテキストにはならないとしても、検索結果には表示されるけどコンテンツにたどり着けない!という思いをユーザーはするわけです。そんなサイトを継続して利用したいと思うかどうかを考えて、そこまでしてそのテキストを隠す理由を再度考えてみるといいかなと。#ウェブマスターオフィスアワー https://t.co/FrhSS1q3vj
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) August 6, 2020
- すべてのWeb担当者 必見!
ソーシャルもやってます!