2018年のSEOを読むために重要な、2017年の10大SEOトピック
みなさん、明けましておめでとうございます。2018年もこのコーナーをよろしくお願いします。
さて、今年最初の投稿では、2017年に起こった重要なSEOのトピックを10個ピックアップする。昨年はどんな出来事があったのか、一緒に振り返ってみたい。
2018年のSEOを考えるためにも、まずは検索やSEOをとりまく環境で2017年にどんな動きがあったかを、おさらいしておこう。
取り上げたSEOトピックは、次のとおりだ。
- MFI、少しずつ進む
- 日本独自のアルゴリズム更新、しかも2回も!
- SEOスターターガイド、大幅改訂
- AMPが大進化
- ページスピードの重要性はさらに高まる見込み
- 構造化データは第3のSEO
- ユーザーファーストはSEOでもWebでもマーケでも本筋
- HTTPSがどんどんデフォルトに
- DMCAは、勘違いした使い方をすると大惨事
- オフィスアワーは続くよどこまでも
MFI、少しずつ進む
2018年の正式導入はあるのか?
モバイルファーストインデックス(MFI)の導入予定が発表されたのは2016年10月だった。
それから1年以上がたち、一部のサイトでは移行が始まっているようだが、まだ全体として正式には導入されていない。
グーグルの導入準備がゆっくりとしか進まなかった背景とも関係するのだが、2017年はモバイルファーストインデックスのネタが非常に多かった。
導入に向けての最新の状況は12月下旬に公式ブログでグーグルから報告があった。2018年中かどうかも含めて、いつになったら本番展開するのかは、依然として定まっていない。
モバイルファーストインデックス関連のトピックは、今年もしっかりと追いかけていきたい。
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日本独自のアルゴリズム更新、しかも2回も!
健康関連の2つのアップデート
日本独自のアルゴリズム更新を実施したことを、グーグルは2017年に2回も発表した。
1つ目は、日本語検索結果の品質向上を目的としたアップデートだ(2月)。
グーグルは明示的に言及してこそいないが、キュレーションサイトを主要なターゲットにしたに違いないというのが、SEO業界での定説だ。とりわけ信頼性に乏しい医療系のキュレーションサイトは、ウェブの世界を超えて、一般世間のニュースとしても取り沙汰された。
2つ目は、健康・医療に関連する検索の品質向上を目的としたアップデートだ(12月)。
こちらは、1つ目のアップデートの延長線上だと考えることもできる。
しかし、1つ目のアップデートは高く評価できるほどの改善がさほど見られなかったのと対象的に、こちらは大きなインパクトを与えた。信頼性に乏しいページが検索結果の上位からかなり駆逐されたのだ。
日本独自の更新はこれまでにもあっただろうが、グーグルが公式に発表することは極めてまれだ。健康や医療にかかわる検索結果の品質改善は、グーグルにとって非常に重要であり、ウェブマスターはもとよりユーザーにも周知させたかったのではないだろうか。
こうした動きは今年も続き、YMYL(お金や健康などの重要ジャンル)以外にも広がっていくのだろうか。おそらく2018年にそこまでの動きはないとは思うが、楽しみだ。
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SEOスターターガイド、大幅改訂
必読SEOマニュアル
グーグルが『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』を7年ぶりに大幅に改訂した。
SEOの基盤となる考え方や施策は不変であるから、書かれている内容がガラリと変わったわけではない。それでも、スマホ対応や構造化データなど、現在のSEOを取り巻く環境を反映した内容に更新されている。
SEOに携わるならば、初級者から上級者まで必読の公式マニュアルだ。
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AMPが大進化
ECでも使えるほど高機能化が進んだ1年
一昨年と比べるとだいぶ穏やかになったものの、グーグルのAMP推しは昨年も続いた。特に、ECサイトでのAMP対応が可能になったのは注目に値する。
AMPは、ニュースサイトやメディアサイトなど記事コンテンツのための仕組みというイメージが当初はあった。
だが、AMPページでの動的処理を可能にするamp-bind
というコンポーネントが正式公開され、ECサイトでのAMP成功事例が出始めている(事例1、事例2)。2018年は、ほかにもさまざまな業種でのAMPケーススタディが出てきそうだ。
自分でAMP用のコードを書くわけではないにしても、AMPでできることに対する理解を、最新情報にあわせてしっかりとアップデートしていきたいものだ。
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ページスピードの重要性はさらに高まる見込み
さらなる高速化を目指す
ウェブにおけるユーザー体験を向上させる取り組みとして、ページ表示の速度改善は、最も優先度が高いものの1つだ。
読み込みに 3 秒以上かかるページからは 53% のモバイルサイト訪問者が離脱する
そうだ。
モバイル通信環境が整っている日本であっても、3秒以上かかるサイトは決して珍しくない。
またECサイトにおいてはモバイルサイトの高速化が売り上げに大きく影響する。
モバイルでページ表示速度が1秒速くなると、コンバージョン率が27%改善した。
ユーザーが期待する表示スピードをあなたのサイトが出せていないとしたら、大きな機会損失をしている可能性がある。2018年もスピードをさらに追求しよう。
ちなみにページ表示速度を測定するグーグルのツール「PageSpeed Insights」が、大幅に改善され、非常にわかりやすくなった。この件に関しては、次回詳しくお伝えする予定だ。
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構造化データは第3のSEO
新機能が続々登場
ページに設定されている構造化データを使って、グーグルの検索結果ページで特別な表示をする機能がある。
グーグルは、こうした部分にも力を入れている。2017年は、たとえば次のような新しい機能が日本でも導入された。
SEOで重要なのが、「良い検索順位を獲得する」「検索結果でクリックされやすくする」というのは、わかるだろう。しかし、構造化データは上記の2つに加えて、さらに検索トラフィック獲得を強化できる「第3のSEO」だとも言える(検索ユーザーを理解して良いコンテンツを提供するのは当然だが)。
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は、構造化データの実装を強く推奨している。「2018年に特に意識すべきことの1つが構造化データ」というぐらいだ。
新たな機能の導入を今年も期待できるので、構造化データに積極的に取り組むのもいいだろう。
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ユーザーファーストはSEOでもWebでもマーケでも本筋
追うべきは検索エンジンではなくユーザー
アルゴリズムを追うな、ユーザーを追え
これは、グーグル社員がよく口にするフレーズだ。
ユーザーの役に立つコンテンツを提供することが、SEOには必要不可欠だ。グーグルのアルゴリズムが洗練するにつれて、この考えはよりいっそう重要になってきている。
とは言うものの、あなたも、
SEOは検索エンジンのアルゴリズムを攻略するテクニックだ
とか
ユーザーのためにコンテンツをつくれというアドバイスは聞き飽きた
と、今でも思っているかもしれない。
そういうあなたには、次のピックアップ記事を必ず読んでほしい。日本のSEO業界を代表する2人の専門家が書いたものだ。
2018年は、グーグルのアルゴリズムがさらに進化するだろうことは容易に想像できる。その原動力は、「より関連性があり品質が高い検索結果をユーザーに提供したい」というグーグルの思いだ。
ということは、グーグルに評価してもらうには、ユーザーの役に立つコンテンツを作ればいいのだ。この方向性は、2018年もさらに強まるのは、間違いない。
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HTTPSがどんどんデフォルトに
HTTPSが標準のウェブに
HTTPSが、ウェブのデフォルトになりつつある。着実に。
米Google(google.com)では検索結果1ページ目の3分の2以上がいまやHTTPSだというデータもある。
日本はHTTPS対応が遅れていたのだが、それでも日本のHTTPS普及率が50%を超えた(12月30日時点のデータでは57%だった)。
HTTPS普及の背景には、ブラウザ側のHTTPS重視の動きもあった。たとえばグーグルのChromeは、次の条件に当てはまるときはアドレスバーに「保護されていない通信」というラベルをバージョン62から表示するようになった。
- フォームを設置してある非HTTPSページ
- シークレットモードでアクセスするすべての非HTTPSページ
ちょうど1年前にヤフーのCTO(最高技術責任者)である藤門氏がインタビューのなかで次のようにコメントしていた。
これまでは「HTTPS=安全なサイト」と言われてきましたが、これからは「HTTP=危険なサイト」という認識がされる時代に変わっていくと考えています。
藤門氏が予想する時代に近づいているのではないだろうか?
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DMCAは、勘違いした使い方をすると大惨事
不正利用は許さない
DMCAの不正利用も、2017年の10大ニュースに加えたい。
ウェブを健全な世界にしたいという願いからか、so.laの代表でもある、SEOコンサルタントの辻正浩氏がDMCAの不正利用や問題点を繰り返し糾弾していた。
- 逆SEOに不正DMCA申請を使っている、超悪質な事例がみつかった
- これはヒドイ! DMCA申請を悪用され検索結果から消された葬儀屋さん
- 「悪評の隠蔽にDMCA」は、決してやってはいけない下策――ところでDMCAって何だっけ?
実は筆者も昨年にDMCA絡みでトラブルに遭った。申請者の手違いで筆者のブログ記事が著作権侵害だとして、検索結果から削除されてしまったのだ。誰がどう見ても明らかにコピーコンテンツではないのだが、申請を審査した担当者は著作侵害だと認定してしまったのだ。
この時ばかりは、チェック機能が穴だらけだと感じずにはいられなかった(その後、申請者からの取り下げおよび筆者からの異議申し立てにより、削除された記事は元通りになった)。
DMCA申請は、正しく使えば良いウェブの世界を作るのに役立つ。しかし、不正な使い方が増えれば増えるほど、本来の役割を損なう方向に動く。場合によっては、DMCAという仕組み自体の価値を毀損してしまう可能性も考えられる。
不正に利用されることがないように筆者たちも監視していきたいものだ。
- すべてのWeb担当者 必見!
オフィスアワーは続くよどこまでも
グーグル社員に直接質問できた
「ウェブマスターオフィスアワー」は、グーグルの社員が登場して、一般のウェブマスターからのサイト運営に関する質問に回答したり、ウェブマスターとカジュアルに情報交換したりしていく動画プログラムだ。
2017年には、計13回のオフィスアワーが開催された。
個人の質問に直接答えてもらえるのは助かるし、ほかのウェブ担当者からの質問に対する回答が役に立つことも多い。今年もオフィスアワーに期待したい。
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