「文字数が多いページはグーグルで上位表示されやすい」はSEO都市伝説 などSEO記事まとめ10+2本
「ページのコンテンツは1000文字以上書く方が、検索エンジンの評価が高い」そんな話を真に受けていないだろうか? グーグルの中の人が、「文字数とSEO」に関して解説した。
ほかにも、AMPの最新情報、HTTPSに関する古い思い込み、PWA、「HTMLの改善」、ポップアップに隠されたコンテンツの評価などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
「文字数が多いページはグーグルで上位表示されやすい」はSEO都市伝説
文字数で評価するアルゴリズムは存在しない (Google Webmaster Central office-hours)
英語版のオフィスアワーで、参加者がこんな質問を尋ねた。
グーグルのジョン・ミューラー氏は、次のように回答した(強調は筆者による)。
私だったら、記事の長さなんて気にせずに、ユーザーに役立ち説得力があるものを、確実に提供できるようにするだろう。それを達成するには、短い記事で十分な場合もあるし、情報をたっぷりと揃えた長い記事が向いている場合もある。
本質的には、コンテンツというものは、情報発信側である「あなた」と、情報受信側であるユーザーとの間で成り立つものだ。第三者の立場である私たちグーグルは、語数を数えるアルゴリズムは持っていない。
だから、たとえば、
100語に届くまではどんなものでも評価が低くて、200語~500語なら良くて、500語を超えたら画像を5つ掲載しなければならない
なんてことはない。
私たちはそんなふうには見るのではなく、ページ全体を見て、本当に説得力がありユーザーに対して関連性がある検索結果になるように、常にしている。
つまり、説得力がありユーザーの検索意図に応えられる内容であれば、記事が長かろうが短かろうが、画像がたくさんあろうがなかろうが、そういうことはまったく問題にならない。
基本的にはあなた次第だ。
「長い記事は回りくどくてユーザーが途中で読むのをやめてしまうのではないか」と思うことが、ときどきある。でも、詳細な情報がしっかりと掲載されている長い記事が本当に重要なことも、時にはある。
記事を短くするべきか長くするべきかは、入念にチェックして、A/Bテストする価値があることかもしれない。「★」で評価してもらったり、レビューを書いてもらったり、アンケートを取ったりしてフィードバックを得るのもいいかもしれない。
とはいえ、それはあなたとユーザーの間でのことであって、検索エンジンとしてのグーグルとあなたの間でのことではない。
「検索エンジンに評価されるには、最低でも1000文字以上が必要だ」とか「記事に文章を追加して2000文字にしたら順位が上がった」とかいう話を、ときおり耳にする。
断言するが、単純に文字数が多い・少ないでグーグルは関連性や品質を評価したりはしない。ミューラー氏が言うとおりだ。「文字を増やしたら順位が上がった」というのは、文字数が原因ではない。情報を追加してユーザーの検索クエリに対してより関連性が高い内容になったからだ。
たとえば、この質問に対する最適な答えはどのようなものだと思うだろうか。
明日の東京の天気は?
「晴れ」あるいは「雨」だけで十分だろう。これに対して2000文字も記述するのはムダだ。
では、次のような質問ではどうだろうか。
東京都市部で夏期にゲリラ豪雨が起こるメカニズムは何なのか、そして、どのような条件で、どのような地域に、どのような確率でゲリラ豪雨が起こるのか?
この質問に本当に答えるには、詳細なデータを含む情報とともに図やグラフなども必要になるだろう。
まとめると、次のとおりだ。
- 記事の長さ(語数、文字数)が重要なのではない。
- ユーザーの検索意図にその記事が答えているかどうかが重要だ。
- それを達成するのに多くの情報が必要ならば、結果として良いコンテンツの文字数は多くなる。
- ただし、ユーザー体験も含めて考えるべきだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
AMPの耳寄り情報ツイート×14
AMPから目が離せない (Twitter #profitx_seminar)
『アメブロ×産経デジタルに学ぶAMP対応の現実と今後』というセミナーが、7月8日に開催された。
グーグルのダンカン・ライト氏による講演の情報をサイバーエージェントの木村氏がツイートしていたので紹介する。
一連のツイートを読むと、AMPから目が離せない状況は当分続きそうに感じる。特に、次のような内容が興味深い。
- 今後は「動的なコンテンツ」「フォーム」「有料会員対応」「ユーザー獲得」などをAMPで実現していく予定
- EC向けのAMPの試験が始まっている
- AMPページを公開しても、通常のHTMLページへの検索トラフィックは変わらなかったので、AMP分がほぼ純増
- ただし、AMPページへの訪問者は既存ユーザーとは異なるタイプ
まずは、ライト氏による講演に関するツイートから。
お馴染みGoogleダンカンさんの話。"AMPはリンクがあればどんなプラットフォームでも使えるオープンプロジェクトであることが重要"。そうなんだよね。ここを忘れてしまうことが多いんだけど。#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
AMPは、平均ロード時間が1秒未満・4倍以上の速度・1/10のデータ量#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
現状のGoogleのAMPの利用はSPの検索とニュース。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
AMPに向いているのは"静的でキャッシュされても問題ないもの""遅延読み込み可能"。 #profitx_seminar
AMPのアップデート予定ー単純な静的ページからよりリッチな体験へ。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
ダイナミックコンテンツ/フォーム入力/有料会員対応/ユーザー獲得
おお。 #profitx_seminar
#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
今後の機能追加はAMP Roadmapで四半期ごとに2回公開だそう。https://t.co/mUPaEqG2TO
これかな?
AMP導入ドメインが4ヶ月で4倍に増えた。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
60万ドメインから1.25億ページがインデックス。#profitx_seminar
ECにもAMPの試験が始まっている。(カルーセルではないけどね)#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
はてなブックマークさんはすでにプロットフォーマートしてAMP対応済み
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
LINE@が全部AMPでサービス提供#profitx_seminar
Google検索からアクセスするページの起動時間の中央値は通常ページでは22秒もかかるらしい。。まじか・・・。#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
続いて、産経デジタルの飯田氏による講演からのツイートだ。
産経デジタルさんは、報道、芸能政治、スポーツ、経済でAMP対応#profitx_seminar
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
AMP公開後に通常のHTMLページへのオーガニックセッションに変化はなかったので、ほぼ純増とのこと。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
ニュースでもそうなのか。結構意外だった。#profitx_seminar
AMPページは既存ユーザー以外のターゲットの獲得が狙える
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月8日
反面、取り込みは困難
(新規セッション高い、平均セッション時間短い、直帰率高い、ユーザー属性異なる)#profitx_seminar
AMPページを通常のページに比較すると、広告のパーフォマンスは上がりました。一番目の広告枠のCTRは1.3場合、RMPは1.7倍、2番目枠のCTRとRMPいずれは2倍。産経デジタル、ご共有ありがとうございます!#profitx_seminar
— Duncan Wright (@dunc_Can) 2016年7月8日
常時HTTPSは○○だから良くない――それは古い知識からの思い込みかも!?
いつやるの、今でしょ! (Qiita)
HTTPS化に対して、次のような反論を聞くことがある。
自分のサイトは、HTTPSを必要とするほど重要ではない
HTTPSを導入すると、遅くなる
HTTPSにはお金がたくさんかかる
はたして本当にそうなのだろうか?
こちらの記事は、常時HTTPS化に反対する古い考えを指摘し、その理由を説明している。
今年5月に開催された「Google I/O」というイベントでのセッションをもとにしたもので、HTTPSに関する次のような「怪しい伝説」について、それぞれ解説したうえで結論を示している。
私のサイトはHTTPSを必要とするほど重要ではない
→ 嘘HTTPSを導入すると遅くなる
→ ほとんど嘘HTTPSに関しての攻撃がたくさんあるみたい
→ 事実だが、心配しすぎることはないHTTPSにはお金がたくさんかかる
→ 嘘私のサイトはHTTPSに移行できるけど、使っている(依存している)サードパーティ(のサービス)はどうしたら良いの?
→ 真実(ただし状況は改善されつつある)
それぞれ詳しくは元記事を参照いただきたいが、こうしたことを解説したうえで、次のような結論を示している。
確かに、10年や15年前はHTTPSは遅く、導入にはコストがかかり、セットアップは手間のかかるものでしたが、現在では多くの障壁は取り払われています。
HTTPS化したくてもさまざまな制約から実行できないこともあるだろう。だが、単なる思い込みからHTTPS化を拒むことがないように、紹介した記事を読んでみてほしい。
個人的には、常時HTTPS化の最大の障壁は、グーグルやソーシャルメディアからみたURLが別のものになってしまうことだと思う。しかし残念ながらその解決策は今のところなく、唯一の対処法は「あきらめて早めにHTTPS化してしまう」ことだ。その意味では、元記事と結論は同じになっている。
検索結果のタイトル書き換え、強調スニペット、PubSubHubbub、HTTPSなど7月のオフィスアワー
今月は2回目もあり (ウェブマスター オフィスアワー)
グーグルの社員がウェブマスターの質問に答える「ウェブマスターオフィスアワー」の7月版が開催された。
金谷氏と長山氏が回答してくれたのは、次のような質問だ。
- 検索結果のタイトル書き換えについて
- Search Consoleの警告メッセージのフラグの廃止
- 強調スニペットの掲載方法
- インデックスされなくなった理由
- info: コマンドと site: コマンドの違い
- ガイドライン違反を繰り返すサイト
- PubSubHubbubは今でも有効か
- ニュースサイトマップの利用について
- JavaScriptコンテンツのレンダリング
- View-allページの設定
- HTTPSの影響範囲
- CDNのクロール速度
- 絞り込みによるコンテンツの重複
通常は30分程度なのだが、たくさんの質問が寄せられていたため、今回は1時間近くの長時間番組だった。録画がYouTubeにアップロードされているので、分けて視聴してもいいだろう。
なお、7月は2回目のオフィスアワーも予定されている。次回は7月28日(木)12時からなので、質問があればフォームから事前に送っておこう。
プログレッシブ ウェブ アプリの実装でコンバージョン率が200%以上に!
PWAからも目が離せない (Duncan Wright on ツイッター)
プログレッシブ ウェブ アプリ(PWA)の採用によるリクルートのタウンワークの成功事例が、「Google for Mobile」というイベントで公開されたようだ(7月13日に横浜市で開催されたイベント)。
グーグルのダンカン・ライト氏がツイートしていた。
日本から新しいPWAの成功事例が出ました!
— Duncan Wright (@dunc_Can) 2016年7月13日
リクルートのタウンワークのコンバジョーンレートが213%に #gfmtokyo pic.twitter.com/nV3ht8t2Po
コンバージョン率が2倍以上というのは、注目に値する。
写真に写っているスライドを見ると、タウンワークはプログレッシブ ウェブ アプリで次のような機能を実装したようだ。
- ホームスクリーンアイコン
- オフラインキャッシュ
- プッシュ通知
プログレッシブ ウェブ アプリも、AMPと同様に目が離せないトピックだ。
Search Consoleの「HTMLの改善」に対処しなくても検索順位が下がることはない
でも修正すれば改善されるかも (グーグル ウェブマスター ヘルプフォーラム)
Search Consoleの「HTML の改善」では、titleタグやmeta descriptionタグに関係する問題点を指摘してくれる。
このレポートの役割について、グーグルの金谷氏がヘルプフォーラムで次のようにコメントした。
「HTML の改善」は、そこに表示された内容を解消しないとサイト全体の評価を下げる、というものではありません。
「HTML の改善」について詳しい情報はまずヘルプページをご覧ください。
https://support.google.com/webmasters/answer/80407?hl=ja「HTML の改善」に表示されたページについて、Google は評価を下げますよ、というものではなく、単にタイトル タグ等が重複しているものを表示しているに過ぎません。ただ、ヘルプ記事にもある通り、これらの重複の解消がパフォーマンスの改善に繋がる可能性はありますのでぜひ一つ一つ確認されることをお勧めします。
結論としては、次のようなことだ。
「HTML の改善」で指摘されていることは、ペナルティやサイトの評価とは関係ない
ただし、指摘されている内容を改善すると、ユーザー体験が改善されたり、場合によっては検索順位に良い影響があったりすることもある
「HTMLの改善」のレポートがペナルティを引き起こすのではないかと極度に恐れている投稿をヘルプフォーラムで見かけることがある。レポートで指摘された点はもちろん改善したほうがいいのだが、指摘されていることだけが原因で即座にサイトの低評価に繋がることはない。
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