リンクビルディング入門:ほぼ完全なリンクガイド(ペンギン・アップデート対応版)リンク調達 編
この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。リンクビルディングの戦略について説明した前回に引き続き、今回はリンクの「調達」について説明する。→まず前編を読む
リンクの調達
リンクビルディングには、大きく次の2種類がある。
- リンクの調達 ―― ブロガーやウェブマスターへのリンク依頼、ディレクトリへの登録などによって、リンクを獲得すること。
- リンクの自然獲得 ―― リンクしたくなるようなすばらしいコンテンツを作成することで、自然発生的なリンクを獲得すること。
現状では、「リンクの調達」よりも「リンクの自然獲得」に重点を置くべきだ。これはランドが長い間取り組んできたテーマだ(ランドはまさに時代を先取りしてきた)。
しかし、自然獲得を中心にした場合、キャンペーンに効果を与えるほど十分なリンクを得る段階に到達するには時間がかかる。短期的に結果を出すには、今なお昔ながらのやり方でリンクの調達を行う必要がある。
関連性の高いWebサイトの発見やウェブマスターへのアウトリーチに真っ向から取り組むには、多少の作業が伴う。この作業に使えるツールをいくつか紹介しよう。
- Open Site Explorer(無料版あり/SEOmoz Pro会員向けツール)
被リンク調査ツール。リンク元ドメイン名の分散や、被リンクで蓄積されたドメイン名の力なども確認できる。
- Majestic SEO(税別29.99ポンド~)
リンクプロファイル調査ツール。
- グーグルの高度な検索演算子(無料)
効率良く情報(リンク依頼先など)を探すための手法。
- Netpeak Checker (無料ソフトウェア、ダウンロードして利用)
PageRank、Alexa Rank、被リンク、インデックス、Facebookでの言及、Twitterでの言及などを自動的に調べるソフトウェア。
- Mozilla Thunderbird(無料)
リンクの依頼などのやりとりをするのに便利なメールソフト。
競合相手の被リンクを掘り起こす
リンクの調達に初めて手をつける際には、競合相手がどんなリンクを持っているかを調べると役に立つ。この作業をやったからといって、競合相手を追い抜けるわけではないが、差を縮めたり、自分のリンクプロファイルを膨らませたりするには効果的だ。
ただし、競合相手の低品質なリンクを追いかけるのではなく、極めて高品質なリンクを狙うよう気をつけること。そうしないと、グーグルの神様との間でトラブルを起こしかねない。
高度な検索演算子
手作業によるリンクビルディングで競合相手を出し抜く一番の方法は、独創的なリンク元を見つけるための高度な検索演算子クエリを考え出すこと、そしてウェブをくまなく探し回ることだ。僕は、そうしたクエリを思いついたときには、WikipediaなどのWebサイトを使って自分のトピックについて検索を実行し、関連トピックに関する知識を得ている。
こうしたことを2年間やってきたわけだが、僕のお勧めクエリは今も変わらない。以下に示すクエリは、他の方法では見つけ出せなかったような貴重なリンクを掘り起こすのに役立ってきた。
この検索文字列は、すべてのニッチ分野でいつもうまく機能するとは限らないため、余計なドメイン名(しょっちゅう表示されるもの)に「-site:」を付けて除外して検索することによって、きちんと機能するかどうかを試す必要があるかもしれない。
ディレクトリ
ディレクトリを使ったリンクビルディングは、残念なことに今となっては以前ほど効果的ではなくなっている。だから僕は、これに時間をかけすぎないようにアドバイスしておく。
しかし、BOTWのようなよく知られたディレクトリやオーソリティのあるディレクトリ、ニッチ分野を対象とした小規模で実績のあるディレクトリは、どんなリンクキャンペーンでも小さいながら追い風となる可能性がある。そのため、少し時間をかけてこうしたディレクトリにWebサイトを登録することは、今でも価値がある。
ブログやフォーラムでのコメント投稿
僕がここで言えるのは、次のことだけだ。
掲示板やブログでのコメントによるリンク構築は、してはいけない。
どんなに頑張ったところで、結局スパムに見られてしまうからだ。その代わり、別のリンク機会を獲得するためにコミュニティに参加する方法として使うならいいだろう。
独創的なリンクビルディング
将来を考えた場合、自分のWebサイトに対して張られるリンクを安全により多く獲得するには、コンテンツマーケティングを行うことが唯一の効果的な方法だ。
僕自身は、この方法を採り入れるのが遅かったために、インフォグラフィックスやウィジェットの流行にすっかり乗り遅れてしまった。もっとも、グーグルはこうしたものを「不自然」になりつつあると指摘しているのだが。
オフサイト(自社サイト外での)SEOの動きは、オフラインマーケティングとますます近いものになりつつあるため、僕らがリンクを生成するには、マーケターと同じように考え、次のようなことを実行する必要がある。
- 「良いニュース」を記事に書く
- 外部リソースを構築する
- インタラクティブなコンテンツを作成する(例:Pinterestの「世界で最も美しい国」人気投票)
- ターゲット層にリーチするようなコンテンツを用意する
- ブロガーたちと直接会って、彼らが本当に望んでいることを聞く
しかし、何よりも重要なのは、必ずすべてのプロジェクトを対象サイトのブランドイメージに沿ったものにしておくことだ。さもないと、行き先を見失ってしまうだろう。
ゲストブログのコミュニティ
ゲストブログのコミュニティには、無料コンテンツを求めるブロガーたちがひしめき合っている。こうしたコミュニティは、リンクビルディングのキャンペーンに使えるだけでなく、より独創的なプロジェクトのプロモーションにも利用できる。
こういうタイプのサービスを利用する場合、提供されているブログの質にしっかりと目を光らせておこう。宝石のようにすばらしいブログもたくさんある一方で、それをはるかに凌駕するほどスパム的なWebサイトもあるからだ。
僕が以前利用したことのあるサービスをいくつか紹介しよう。
- Blogdash(参加と閲覧は無料、問い合わせは有料)
- Bloggerlinkup(無料)
- Guestr(無料)
- MyBlogGuest(無料)
リンクの削除
ここ1年ペンギン・アップデートやネガティブSEOが議論されてきたなかで、おそらく大多数のSEO担当者が、自分の担当するサイトがリスクにさらされているかどうかを調べるために、被リンクの健全性チェックを実施する必要に迫られたはずだ。不幸にして実際にリンクを削除しなければならなかったSEO担当者がいたかもしれない。
リンクの削除そのものは難しい作業ではないが、特に問い合わせ先の情報を得る段階で、かなりの時間がかかる。
時間を少しでも節約したい場合には、Link Research Toolsの利用をお勧めする。これは、自分のプロファイル分析に大きな効果を発揮するだけでなく、メールアドレスに関するデータも提供してくれる。ただし、より詳しい分析を行わなくてはならない場合には、以下のようなものが必要になるだろう。
- Majestic SEO
- Netpeak Checker
- Mozilla Thunderbird
- Microsoft Excelのスキル
- たくさんの時間
手作業でのプロファイル分析をやりたければ、僕は現在Excelのファイルを使って作業しているが、ほとんどの作業はExcelがやってくれる。作業が終わったらそのExcelファイルへのリンクをツイートするつもりなので、興味のある人はTwitterで僕をフォローしてほしい。
メールによるリンク依頼
最初のリンク依頼は依然として、リンク構築プロセスの中でとりわけ困難な仕事だ。どうしてかって? 一般的に、最初のリンク依頼を正しく行うチャンスは1回しかないからだ。もちろん、返信してこなかった人すべてに再度メールを送ることもできる。だが、さまざまな切り口を用意しない限り、このやり方ではすぐに行き詰まる可能性がある。
メールによるリンク依頼で応答率を高めるには、次のようなことを確実に行うことが重要だ。
- メールの中身を相手に合わせて変える
- 先方とコミュニケーションを図る(つまり、最近どんなふうに過ごしているか尋ねる)
- 自分の要望は簡潔にしておく
- 女性のペルソナ(別人格)を使う
- 金曜日にメールする
とはいえ、時間は節約したい。そのためにも、相手に合わせて内容を少しずつ変えたメールを大量に送信する場合に、さきほど紹介した「Mass Mailプラグインを使った自動処理」が便利に使えることも忘れずに。
その他の方法によるリンク依頼
量よりも質を重視するのなら、テンプレートどおりのメールを送ってもうまくいかない。本当に重要なリンクを獲得するには、別の方法で注目してもらう必要がある。著名なパブリッシャやウェブマスターの関心を引くには、Twitterを使ってコミュニケーションを図るのがとりわけ簡単な方法だ。
ターゲットとした相手をしばらくフォローし、自分から動き出す前に、どのようなツイートに対して彼らが返信しているかを観察する。狙い通りの効果を得るには何度か試す必要があるかもしれないが、コツさえつかめば、好きなように相手との会話を始められるようになるはずだ。そのうちに、会話の内容を、自分が相手に提供できるものや、反対に相手から自分が得られるものに関する話題へと移せる機会も出てくるだろう。
Twitterを使った別のやり方としては、カンファレンスなどの機会に相手を飲みに誘うという手がある。通常、その分野で著名なパブリッシャ1人をうまく取り込めれば、他のパブリッシャも自分から話の輪に加わってくるだろう。これは、自分を認知してもらい継続的な関係を築く優れた方法だ。
進捗状況の追跡
リンクビルディングは以前より危険な作業になったため、構築したリンクについては、各指標や、アンカーテキスト、リンク先のランディングページと共に追跡していく必要がある。こういったデータを利用すれば、進捗状況を追跡したり、時間を追って指標を確認(ペナルティを受けたサイトを探すために遡って確認)したり、顧客のWebサイトの一部分だけにリンクが集中していないかチェックしたりできる。
結局のところ、追跡するデータが多ければ多いほど、潜在的な問題を特定して迅速に解決できる可能性が高まる。そして何よりも、将来的な検索順位の問題からサイトを救うことにつながる可能性が高い。
僕が今利用しているデータの基本的なサンプルは、ここにある。
将来の方向性
過去1年間にわたってグーグルが取ってきた方針を見れば、数多くの不自然なリンク張り行為に対してグーグルが厳重な取締りに乗り出したのは明白だ。しかし、僕が述べたように、以前から行ってきたリンクビルディングを捨て去る必要があるわけではない。
結局、従来のやり方でターゲットを見つけ、オフィスの外に出て対象とする分野の人たちとの関係を築けば、自分の検索順位に影響を与えるリンクを得られるチャンスが大きくなるだけでなく、パブリッシャやブランドとのコネが生まれるきっかけにもなる。
そして、こうして核としたリンクは、アルゴリズム的に見ても人の目から見ても自然に見えるだろう。特に、自分の外部コンテンツの基礎として、ニュース記事やトレンドを利用すれば、自然さが増すだろう。
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