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SEMの費用対効果を劇的に改善する

キーワード広告の管理に疲れたあなたに

滝日伴則(アイオイクス株式会社)

LPOを検証する!

インターネットビジネスの世界では、短い期間でさまざまな広告・プロモーション手法が開発されるが、その多くがすぐに廃れ、効果がある手法として認められて残るのはごく一部だ。ネットマーケティングは、常に実験を繰り返しながら進化しているのだ。昨年ぐらいから、日本でも「LPO」という手法が注目され、さまざまな製品やサービスも登場している。このLPOが果たして一時的なブームで終わるのか、本質的なマーケティング手法として残っていくのか、その意義や手法を考えながら、LPOの効果と可能性を検討してみたい。

入り口ページの最適化とSEM

LPOとは、「Landing Page Optimization」、つまりランディングページを最適化する手法だ。「ランディングページ」とは、広告や検索エンジンからウェブサイトに訪れたユーザーが最初にアクセスするページのことだ。サイトのトップページがサイトの入り口になる場合が多いが、キーワード広告経由であれば専用に作ったキャンペーンページの場合もあるだろう。検索エンジン経由であれば検索にヒットした情報ページや商品ページになるだろう。

なぜランディングページを最適化することが、1つのマーケティング手法として取り上げられるほどに重要なのだろうか? LPOが注目されている背景には、近年のSEMの隆盛がある。SEOやキーワード広告に代表されるSEMは、効果が高いと評価されて過去数年で一気に普及した。自ら目的を持って検索しているアクティブユーザーを、興味を持って検索しているその瞬間に、キーワード広告や検索結果から自サイトに誘導し、アクションを促す……。SEMはかつて不可能だったダイレクトマーケティング手法として短期間で急激に普及したのだ。しかし、SEMも必ずしも完全なネットマーケティング手法だとは言えず、取り組めば取り組むほど、さまざまな課題に直面してきた。そしてその課題が、LPOが注目される理由でもあるのだ。

キーワード単価高騰でSEMの集客単価も上昇

SEMには現在、2つの大きな課題がある。1つは、キーワード広告の利用者が増えた結果、オークションで決められるキーワードの入札単価が高騰していることだ。資本力のある大手企業が本格参入してきたことでキーワード広告の単価は高騰し、検索数が多い/ターゲティング性の高いキーワードの単価は中小企業では入札できないレベルに高騰しているケースもある。少ない予算で効率的にキーワード広告を活用する手法として、検索数は少ないが関連性のあるキーワードや、2語や3語の組み合わせに、何百何千、場合によっては何万パターンと入札していく方法もあったのだが、「ロングテール」というユーザーの個別のニーズを汲み取っていくマーケティングの概念が普及したことから、最近では多くの企業が多数のキーワードで入札を行っており、必ずしもそれが単価抑制につながらないケースも出ているようだ。

もう1つの問題は、限られた検索結果枠や広告枠を多くの競合と奪い合う終わりがない管理作業の負担が、企業の担当者に覆い被さってきたことだ。

コンバージョン率改善で顧客獲得単価を下げる動き

SEMを含めインターネット広告は、あくまでもサイトにユーザーを誘導する集客手段に過ぎない。広告主にとっての最終目的は、サイトへの集客の先にある、会員登録や商品購入などのアクションをしてもらうことだ。アクションを通じて顧客獲得を行うのにかかった広告費を「顧客獲得単価」と呼ぶ。顧客獲得単価を改善する方法の1つに、ユーザー当たりの集客単価を下げていく努力があるが、すでに説明したように多くのマーケッターが努力していることであり、改善には限界がある。

そこで重要視されているのが、集客した中からどれだけ目的のアクションを行ったかを示す「コンバージョン率」だ。コンバージョン率を上げることで、集客単価はそのままでも顧客獲得単価を下げることができる。実際に、今年SEMの業界団体SEMPO Japanが、SEMを実践している企業を対象に行ったアンケート調査でも、キーワード広告の価格高騰への対策として「コンバージョン率の効率化を目指しサイトを改善する」が筆頭に上がっている(図1)。

図1 検索連動型広告の入札価格が上昇し続けた場合の対策

1ページ見てすぐ帰る「直帰率」を改善

しかし、コンバージョン率を改善すると言っても、簡単なことではない。サイト内の主要なページのユーザビリティ(使いやすさ)をチェックし、リンクやボタンの場所や表現を変えながら、他サイトに出ていってしまう「離脱率」をアクセス解析でチェックして修正していく作業は膨大になる。そもそも、どこから手をつければいいのかわからなかったり、サイト全体のデザインや構成に大幅な修正が必要となりすぐに手をつけられなかったりするだろう。

そこで、ユーザーが最初に訪れるページ、つまりランディングページだけを対象に離脱率を改善することでコンバージョン率を改善するのがLPOだ。

「ランディングページだけ改善したって効果がない」と思うかもしれない。しかし、ユーザーが1ページ見ただけで帰ってしまう「直帰率」が50%以上になることは珍しくない。広告キャンペーン用に作成された「ランディングページ+申し込みページ」でも、目的が特化されているにもかかわらずランディングページを見ただけで帰ってしまうユーザーが80%以上ということも日常茶飯事だ。多くのサイトで、ランディングページから次のページへと進んでもらうことが、1つの大きな壁となっていることが多いのだ(図2)。

図2 ランディングページはコンバージョンの大きな壁

ランディングページに特化して直帰率を改善することの重要性は、1ページの修正で大きなボトルネックを改善できることもあり、注目が集まるのも納得できるだろう。もちろん、サイト全体を解析して、個別のページや全体のデザインやナビゲーションを手間をかけて修正しながら数%単位の離脱率を微調整していくことも、地道な改善として大切で、LPOはサイト改善の1手法に過ぎない(図3)。

図3 LPOは顧客獲得単価を下げるための手法の1つ

しかし、その効果の高さからLPOが1つの独立したマーケティング手法として注目されているのだ。海外の最新の調査でも、2006年にマーケティング予算を増やす分野として最近話題のリッチメディアや行動ターゲティング広告と並んで「LPO」が独立した項目として上げられている(図4)。

図4 LPOはすでにマーケティング手法の1つとして認識されている

インターネットで広告プロモーションキャンペーンを行った場合、キャンペーンによって異なるものの、コンバージョン率は一桁パーセントのケースが大半だろう。「前回のコンバージョン率は2%だったが、今回はSEMのキーワードを入念に考えて4%、2倍に増やしたから大成功」と満足してしまいがちだが、「96%のユーザーが離脱している、その大半はランディングページで直帰している」と考え、それを改善するために何ができるかを考えるのが重要なのだ。

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