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訪問者ごとのニーズを把握し、顧客基点のWebサイトを構築することが成果への近道 | アクティブコアセミナーレポート(BtoB編)

「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法」のBtoB編セミナーをレポート

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訪問者のニーズ充足度を高めるには、ユーザーシナリオに適した目的別の入り口を用意しなくてはならない。顧客基点のWebサイト構築が必要です。

お客様によって商品の用途や評価ポイントは違うため、求めるニーズに応じて情報を出し分けることが課題です。お客さまがPCの前でどのように検索するのか、ストーリーを描きながらLPOツールに反映していきました。

アクセス解析・広告効果測定の「ac cruiser」、行動ターゲティングLPOの「ad insight」、レコメンドの「ac propoza」などのソリューションを提供するアクティブコアは、「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法」題したセミナーを6月から7月にかけて開催した。

この記事では、EC/BtoBサイトのマーケティング事例について紹介されたセミナーから、BtoB編の様子をレポートする(EC編レポートを読む)

  • BtoB編:お客さまコンテキストをBtoBマーケティングに活かすキヤノンMJの事例紹介(6/19開催)

BtoB編
BtoBサイトにおけるセグメントのパターン
アクティブコア 山田 賢治氏

株式会社アクティブコア
代表取締役社長
山田 賢治氏

セミナーでは、アクティブコアの山田社長が先に開催されたEC編に続き、BtoB企業におけるサイト訪問者のセグメント化について説明する。

訪問者のセグメント化とは、サイトを訪れるユーザーを属性や過去の行動履歴をもとに分類化することだ。アクセス解析を行う際は、サイトと全体で分析しがちだが、新規ユーザーとリピーターでは、コンバージョン率や直帰率は違ってくる。

実際に、アクティブコアのソリューションを利用する、あるBtoBサイトのコンバージョンの内訳(資料請求)を訪問回数別に見ると、初回訪問35%、再訪問65%の割合となっております。コンバージョン率で見ると、初回訪問時にコンバージョンする確率は3.7%で、再訪問者のコンバージョン率は4.9%となっており、コンバージョン率は違ってくる。

こうしたセグメント化の考え方は、ECサイトであっても基本的には同じだが、BtoBサイトでは事例の閲覧、カタログダウンロードなど、何度もサイトを訪れ、いくつかの行動を経てから最終的なコンバージョンに至るのがほとんどだ。

山田氏は、BtoBサイト上の行動パターンは、「認知」「比較検討」「リード」といった訪問者のフェーズごとに分類して分析するのが重要だと話し、リードに獲得までのセグメントパターンを紹介する。

BtoBサイトのセグメントパターン
  • サイト訪問:初回訪問/再訪問
  • 認知:商品概要/事業紹介
  • 興味関心:事例/FAQ/商品詳細
  • 比較検討:見積シミュレーション/資料・カタログダウンロード/オンラインデモ
  • リード:資料請求/問い合わせ/セミナー申し込み
サイト訪問者のセグメント化と行動データの分析

BtoBのコンバージョンはたくさんあります。事業所・支店検索や印刷ボタンを指標にするのもいいでしょう。また、重要な指標とアクションを洗い出し、一次コンバージョンと二次コンバージョンを分けて考えることです。本命のコンバージョン(リード獲得)につながるアクションとの因果関係を分析している企業がうまくいっている。

また、見積シミュレーションをしているのに、次のアクションである資料請求がされていないなど、コンバージョンしないユーザーを分類すること、機会損失のセグメント化も重要です。アクションの有無の違いがわかると、みなさんの成果につながってくるでしょう。

また山田氏は、サイト訪問者のセグメントに合わせたLPOやレコメンデーション、アドネットワーク上の広告効果測定機能など、アクティブコアのソリューションを紹介したうえで、「PVやUUも大事ですが、どういったステータスの人が何人いるのか、セグメントをKPIレポートで評価検証することで、効果があったかわかるようになります」と、セグメントごとのKPIレポートの分析をすすめる。そして「我々は、セグメントをグルーピングして評価検証できるお手伝いをさせていただきたい」と述べ、講演を終えた。

BtoB編
インターネットはセルフサービス、顧客基点アプローチのサイト設計を
エクスペリエンス 橘 守氏

株式会社エクスペリエンス
取締役
橘 守氏

「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法:BtoB編」セミナーの事例解説に移ると、エクスペリエンスの橘守氏と、キヤノンマーケティングジャパンの福士哲司氏が登壇し、BtoBサイトの改善事例を紹介した。

セミナー前編は、エクスペリエンスの橘氏が「顧客基点で構築するマーケティングプラットフォーム(自社サイト:オウンドメディア)が成果を上げる」をテーマに講演。橘氏は、「オウンドメディアは、企業にとって唯一のコントローラブルなマーケティングコミュニケーション装置」だと話す一方で、顧客の姿が見えていない企業は多いと指摘する。

なかには、自社サイトの目的があいまいなケースもある。こうしたサイトでは、KPIやKGIを設定してないため主要ページの直帰率なども把握できていない。数字を把握していないということは、サイト改善によって年間数百万円の会員獲得コストを削減できたとしても、それに気づくことはない。「つまり、お客様が見えていないということです。お客様が見えていないのでは、当然予算化もされない」と橘氏は話す。

また、インターネットはセルフサービスチャネルであり、何よりも訪問者の目線(顧客基点アプローチ)で作らなければならないと、日本ブランド戦略研究所が発表した「ニーズ充足度と購入検討率の関係」のデータに触れながら説明する。

訪問者のニーズ充足度が高いほど、そのサイトで購入検討するという当たり前の事実がある一方で、多くのサイトは実現できていない。マス広告のように限られた枠に情報を押し込めるのとは違い、Webではお客様にすべての情報を伝えなくてはならず、基本的に作り方が違う。

企業のセールストークではなく、製品を選ぶことのベネフィットを実感してもらい、広告だけでは表現できないような経験を提供する。お客様と対話することを観点に作らなくてはならない

ニーズ充足度の低いサイトに対し、顧客は何のアクションも起こさない。つまり、知らないうちに、BtoBユーザーの選択肢外れているというのだ。

BtoBサイトで顧客にベネフィットを伝えるコンテンツとしては、事例がイメージしやすいだろう。しかし、いまでは目的別、業界別、課題解決別など、1つの事例ではなく、サイト訪問者の使用目的別のコンテンツを再整備することが重要だという。企業主体の売るためのメッセージではなく、顧客基点でコンテンツを提供する、これがセールスとベネフィットの違いになる。そして、「オウンドメディアの品質を上げるということは、コンバージョンファネルの脱落をいかに少なくするかであり、これがKGI最大化へとつながる」と橘氏は話した。

オウンドメディアの理想系は訪問者ごとに最適化したマルチエントランス

顧客基点のコンテンツを提供するには、訪問者ごとのユーザーシナリオを考慮することが肝心だ。前提知識や経験、流入元など、知識、探している状況やモノが違えばサイト内の行動も違う。検索エンジンから顧客がやってくる今の時代、競合ひしめく検索結果で自社を選んでもらうには、訪問者目線のサイト構築の重みが大きい。

Web利用者の検索が当たり前になり、検索キーワードも2~3つになっている。目的がはっきりしているから、既存のコンテンツを使って、多面体のマルチエントランスを作るという発想が必要です。キーワードそれぞれに入り口があり、バナー広告にTwitterやFacebookもある。今日伝えたいことは、このマルチエントランス、マルチコンバージョンシナリオに基づいたサイト構築だと言えます。

訪問者のニーズ充足度を高めるには、ユーザーシナリオに適した目的別の入り口を用意しなくてはならない。たとえば、来訪時の検索キーワードが「ホテル+神戸+ウエデイング」と「ホテル+神戸+レストラン」では、まったくニーズが違う。それぞれ振る舞いが違うのに、同じトップページを提供していては、すばやく目的を達成できない。これでは、マルチエントランスを実現できていないと、橘氏はいくつかの事例を示した。

紹介されたのは、「社名+カテゴリ名」のキーワード検索のエントランスページ最適化だ。橘氏は、一例として実際に「村田製作所+コンデンサ」で検索する。

まず自然検索の1位に村田製作所が表示されます。そして、クリックするとぴったりのページ(コンデンサのカテゴリページ)に来る。おまけに、「特徴」「ラインアップ」「仕様」「クロスリファレンス」「品番」から探すなど、探しやすいメニューが並んでいる。問題解決事例や業界ピックアップもあり、ページをスクロールすると製品選択のサポートツールがたくさん揃っている。

訪問者ごとのシナリオを想定した形で、製品を見つけやすくするためのツールが揃えられている。つまり顧客基点でサイトが構築されている実例だ。一方、あるメーカーについて同様に「社名+コンデンサ」で検索してみると、カテゴリページにはたどりつくものの、品番が並んでいるだけであり、振る舞いの差がはっきりと見て取れる。

日本ブランド戦略研究所の「BtoBサイト調査結果分析」を見ると、BtoB企業のなかでも特にFA業界(制御機器など)はニーズ充足度の水準が高い。橘氏は業界別の調査データを参照しながら、ニーズ充足度上位と下位の企業サイトの振る舞いに実際に差はあるのか、独自に調査した結果を伝える。

結論から述べれば、ニーズ充足度の高い企業サイトは、良質なサポートを実現しているという。たとえば、2012年調査で2位のキーエンスを見ると、カテゴリの検索キーワードに合致した入り口ページが用意されている。また、製品カテゴリの全体像をファーストビューで網羅し、検索窓があり、サポート情報もある。こうした事例を説明しながら、「同業だから必ず見比べます。そうしたときに、みなさんはどの企業に問い合わせるでしょうか」と、橘氏は問いかける。

続けて、製品詳細などのゴールページでの振る舞いの好例も紹介された。たとえば、Panasonicでは法人向けFA機器の製品詳細ページで、目的別の資料ダウンロードや問い合わせメニューを用意しており、製品を探して到達した後のアクションがすべてカバーされている。

問い合わせページに移動すると、見ていた製品ページの情報を引き継いでいるので、いちいち製品名を入力する必要もない。顧客基点で考えれば当たり前といえる振る舞いだが、製品ページの問い合わせボタンから来ているのに、「問い合わせる製品を選択してください」と尋ねられた経験はないだろうか。

PanasonicのFA機器ページでは、製品ページ到達後の資料ダウンロードや問い合わせアクションが網羅されている。

このように、さまざまな事例を紹介したうえで、橘氏は「顧客基点アプローチでサイト設計をしましょうというのが結論です」と話し、講演を締めくくった。

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