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ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~企業編 #1

『ケータイ白書2009』データから最新モバイルマーケティング動向を読み解く。今回はモバイルウェブサイトを開設している企業の動向をご紹介しよう。
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08年12月、5年目を迎える『ケータイ白書2009』(インプレスR&D)が発刊された。同書の豊富な調査データから、個人・企業の最新モバイルマーケティング動向を4回に分けて読み解いてみたい。第3回は、モバイルウェブサイトを開設している企業の状況やその目的などのデータをご紹介しよう。

※2009年11月24日、「モバイルウェブサイト開設の目的」のグラフに間違いがございましたので、グラフを修正いたしました。

モバイルウェブサイトの
開設率は低下している?

まずは企業のモバイルウェブサイトの開設状況を取り上げたい。個人編(ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編 #1ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編 #2)の調査データから浮き彫りになったように、ケータイからインターネットを利用するユーザーの裾野は、確実に広がってきている。このためネットマーケティングを行う上では、モバイルウェブサイト、つまりケータイ向けに最適化したウェブサイトを用意しておくことが重要になる。「続きはWebで」「○×で検索」といった形で、ネットへの誘導を促すクロスマーケティングを実施する場合も、PC向けのランディングページとは別に、モバイルウェブサイトを開設しておくのが基本だろう。ケータイからアクセスするユーザーも相当数存在すると予測できるからだ。

ところがケータイ白書の調査データによれば、2008年のモバイルウェブサイトの開設率は21.6%にとどまっており、2007年調査時点の30.3%から9ポイント近くも低下してしまっている。

<参考資料 class=モバイルウェブサイトの開設状況[2007年-2008年]" />
※本資料は『インターネット白書2008』でPC用のウェブサイトを開設している企業を対象に行ったものです。

この調査は、PC用のウェブサイトを開設している企業を対象としているため、モバイルウェブサイトのみを開設している企業は含まれていない。したがってこのデータだけを見て、モバイルウェブサイト開設企業が減少していると判断するのは早計だ。とはいえPC向けのウェブサイトに比べれば、現段階では競合が少ないと考えられる。その分、モバイルSEOや検索連動型広告などの成果も、比較的出しやすい状況だと言えそうだ。

企業はモバイルウェブサイトに
売上の獲得を期待している

それでは企業は、どのような目的でモバイルウェブサイトを開設しているのだろうか。これについては、「モバイルウェブサイトは商売になる」ことを示唆する、興味深いデータがある。

モバイルウェブサイトの開設の目的(複数回答)[2007年-2008年]

2007年、2008年とも、最も多い開設目的は「利用者の利便性のため」だ。しかしここで注目してほしいのは「直接的な売上のため」という回答が、27.6%から33.5%へと6ポイント上昇していることだ。モバイルウェブサイトに対し、売上獲得ツールとしての期待が高まっているのは間違いないだろう。また「PCと異なるシーン・場面で利用されるため」という回答も6ポイント近く増加している。PC向けのウェブサイトと、モバイルウェブサイトを目的やセグメントによって使い分け、きめ細かなマーケティングを行おうとしている企業も、増えていると推測される。

「勝手サイト」への開設が
過半数を超える

次に企業のモバイルサイトの開設場所を見てみたい。大手キャリア3社(ドコモ、au、ソフトバンク)の公式サイトという回答がいずれも減少している一方、大幅に増加したのが、「一般サイト・勝手サイト」への開設だ。2007年に比べ6ポイント以上増加し、過半数を上回った。

モバイルウェブサイトの開設場所(複数回答)[2007年-2008年]

個人編#2」でも言及した通り、モバイル検索サイトを経由してウェブサイトにたどり着くケータイユーザーは増加傾向にある。モバイル通信環境が今後ますます整備されていくことを考えると、モバイル検索サイトのユーザー数と勝手サイト開設数は、ともに増加していくと予測できる。

言うまでもなく、勝手サイト開設時に大きな課題となるのは集客力だ。しかし検索技術の向上によってYahoo! JAPANの登録サイトとその他のサイトとの間でトラフィック誘導力の差がなくなっていったように、こと集客という面に関しては公式サイトの優位性が薄まっていくかもしれない。

企業のモバイルウェブサイトの開設状況では、注目したいデータがもう1つある。モバイルウェブサイトとPCサイトの共通化がどのくらい進んでいるかという調査だ。

モバイルウェブサイトとPCサイトとの共通化の有無(複数回答)[2007年-2008年]

調査結果によれば、「PCサイトとモバイルウェブサイトでコンテンツを完全に共通化している」及び「ページによっては共通化している」と答えた企業の合計は、2007年に比べて8ポイント以上も増加し、全体の6割近くを占めている。このことはケータイでウェブサイトを閲覧するユーザーに配慮したサイト設計を行う企業が増えていることを示唆している。ケータイユーザーに対するアクセシビリティ向上は、ウェブサイトを運営する上で今後も重要な課題となっていきそうだ。

『ケータイ白書2009』から読み解く 最新モバイルマーケティング動向

ケータイ白書2009

ケータイ白書2009
新たな成長を目指して動き出す日本のモバイル業界。2009年以降のイノベーションを展望する最新刊。

発売日:2008.12.08発売
販売価格:7,140円 (税込)
ページ数:424P
サイズ:A4変型判
付録:CD-ROM×1
発行:インプレスR&D
著者:(監修)モバイル・コンテンツ・フォーラム
ISBN:978-4-8443-2637-3

用語集
Overture / SEO / アクセシビリティ / キャリア / ケータイサイト / ケータイ白書 / スポンサードサーチ / トラフィック誘導 / モバイル / モバイルサイト / 市場動向 / 検索連動型広告 / 調査
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