ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~企業編 #2
3倍に拡大したモバイルコマース市場
前回の「ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~企業編 #1 」で、モバイルウェブサイト開設の目的に「直接的な売上のため」という回答が増えている背景には、モバイルコマース市場の急成長がある。
モバイルウェブサイト運営事業者の業界団体であるモバイル・コンテンツ・フォーラムの調査によれば、2007年のモバイルコマース市場規模は7231億円に達している。2004年に比べて約3倍に成長しており、物販系(モバイル通販)、サービス系(各種チケット通販)、トランザクション系(証券取引やオークションなどの手数料)ともバランスよく市場規模が拡大している。
モバイルサイトの最初のハードルは「アクセス誘導」
ケータイ白書2009には、モバイルウェブサイト開設済みの企業に対し、「費用対効果を期待して今後取り組みたいモバイルウェブサイトのための対策」を尋ねた調査結果も掲載されているので、紹介したい。
多くの項目が2007年から比率を下げる中、2.5ポイント上昇してトップに位置しているのが「アクセス数向上・集客のための広告対策、ネット上での露出アップ」だ。このことはモバイルウェブサイト開設後に、最初に乗り越えなければならないハードルが集客=アクセス誘導であることを示しているといえそうだ。
では現状ではどのようなアクセス誘導対策を行っているかというと、「SEO」(22.0%)、「会員登録してもらった人へのメールマガジンの配信」(16.9%)、「検索連動型広告の出稿」(11.3%)と続く。
興味深いのは、「わからない」と回答している企業が16.8%に達していることだ。どのような広告が有効であるかは、「ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編 #2」でご紹介した「クリックしたモバイル広告の種類」についての調査データが有力な手がかりになるはずだ。
『ケータイ白書2009』から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編
- 個人編#1 携帯のみのインターネット利用者はパケット定額制加入者の26%
- 個人編#2 モバイル検索連動型広告のクリック経験が約6ポイント増加
- 企業編#1 モバイルウェブサイトは「勝手サイト」へ開設、売り上げ増加も期待
- 企業編#2 モバイルサイトの課題は「集客=アクセス誘導」(この記事)
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