携帯電話によるインターネット検索結果画面から自社のモバイルサイトへと顧客を誘導できるのが、オーバーチュアの「スポンサードサーチ モバイル」だ。2008年5月からはオンラインでの申し込み受付がスタートし、多くの企業・個人がモバイル版のスポンサードサーチを利用できるようになった。今回はオンラインによる申込方法や広告の管理方法を解説する。
「スポンサードサーチ モバイル」とは?
まずはスポンサードサーチ モバイルの概要をおさらいしておこう(詳細は前回記事を参照)。スポンサードサーチ モバイルは、ひと言で言えば検索連動型広告のモバイル版だ。ユーザーが携帯電話からキーワード検索を行った際、そのキーワードに連動したテキスト広告を検索結果画面に表示する。そしてその広告をクリックしたユーザーを、任意のモバイルサイト(ページ)へと誘導し、売上増や会員増などのコンバージョンへとつなげていくことができる。広告料金はユーザーが広告をクリックした時点で課金される。
スポンサードサーチ モバイルの広告が掲載されるのは、Yahoo! モバイル、msnモバイル、R25、L25などオーバーチュアの提携パートナーが運営するサイト。また、「キャリアターゲティング」と呼ばれる機能が備わっており、広告は特定のキャリア(ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI)に限定して配信することも可能だ。
1ページあたりの広告の表示件数は、たとえばYahoo! モバイルの場合であれば、最大で4件となっており、PC版スポンサードサーチの最大12件と比べて少ない。その分、広告の存在感が高まり、クリック率もPC版に比べて上昇する傾向があるという。
なお広告の掲載順位は、現時点では純粋なオークション形式となっており、入札価格の高い順番に決定される仕組みになっている。
PC版のサブアカウントを作成することも可能
では次にスポンサードサーチ モバイルの利用方法を説明していこう。スポンサードサーチの利用には、PC版スポンサードサーチのアカウントの有無にかかわらず、オンラインからの登録が必要になる。PC版と同じユーザー名とパスワードでモバイル版を利用したい場合は、オーバーチュアの「お客様サポートセンター」宛てに、現在のアカウント情報(アカウントID、アカウント名、ログイン用ユーザー名)と新たに作成するモバイル版のアカウント情報(アカウント名、希望コース、表示URL、リンク先URL)を連絡すれば「サブアカウント」を開設してくれる。もちろんPC版を利用せず、「スポンサードサーチ モバイル」のみに申し込むことも可能だ。
利用コースは、オーバーチュアの専門スタッフがキーワード選定や広告作成、運用開始までをサポートする「アシストプラン」と、自分自身で広告作成などを行う「セルフコース」の2種類が用意されている。初期料金は前者が3万1,290円(広告料金の前払いは10,000円以上)、後者が無料(ただし3,000円以上の広告料金を前払いする必要がある)となっている。登録手続きの流れは基本的にはPC版と同様だが、利用開始のためにはモバイルサイトを開設しておく必要がある点に注意が必要だ。
キャリア別の広告効果も確認できる
セルフコースで申し込み手続きを行った場合は、手続き完了後すぐに管理画面にログインできるようになる(クレジットカードでの料金支払いの場合)。管理画面のユーザーインターフェイスや機能は、PC版とほぼ同様だ。直感的に操作できるシステムになっているので、検索連動型広告の知識をある程度持っている人であれば、それほど迷うことはないだろう。なお管理画面は、携帯電話からでは操作できない。広告作成などはPC上から行う必要がある。
スポンサードサーチ モバイルで新しく追加された管理機能は、「キャリアターゲティング」だ。前述のように広告配信先のキャリアを選択できるほか、インプレッション数(表示回数)、クリック数、クリック率といった広告効果の数値も、キャリア別のデータを、管理画面のレポート機能で確認できる。
またスポンサードサーチ モバイルは、広告の文字数制限がPC版とは異なり、タイトル14文字以内、説明文19文字以内となっている。モバイル版はPC版よりも広告の文字数が少ないため、訴求ポイントをしっかり絞り込むなど、広告表現をひと工夫する必要がある。広告作成の際には、使用できない記号の確認なども含めて、スポンサードサーチ モバイル掲載ガイドラインをよく読んでおこう。
管理画面で広告を作成する際は、携帯電話の画面をシミュレートした「広告プレビュー」で、実際の広告表示を確認可能だ。
なおスポンサードサーチ モバイルには、現時点では効果の高い広告を優先表示する広告最適化機能は実装されていない。広告グループに複数の広告を登録した場合には、すべての広告が均一にローテーション表示される。このため一定期間ごとに広告効果を確認し、改善につなげていくことがより重要になる。
キーワードの検索方式も、現時点では「完全一致」のみで「部分一致」は提供されていない。このため特にインプレッション数やクリック数を重視したい場合は、キーワードをこまめに見直し、必要に応じて追加していくといいだろう。PDCAサイクルを繰り返すことによって、広告の品質が向上し、成果につながっていくのはモバイル版でも変わらない。むしろモバイル版は前述のように1ページ当たりの広告表示件数が少なく、また掲載順位もオークション形式で決定されるため、入札価格がPC版に比べて高くなるキーワードが出てくることが考えられる。
広告を出稿してそのままにしておくのではなく、継続的に改善していくことがより重要になっていくだろう。
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