スポンサードサーチ モバイル講座

[インタビュー] スポンサードサーチ モバイル講座(1)概要とモバイル広告市場の展望

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モバイル広告への注目が高まっている。『ケータイ白書2008』によると、携帯電話・PHSでのウェブサイトやコンテンツの利用率は72.7%であり、モバイル広告のクリック経験率は53.4%となっている。こうした中、オーバーチュアでは2008年5月から、代理店を通じてのみ利用可能だった「スポンサードサーチ モバイル」のオンライン申込受付を開始。モバイル端末に対応した検索連動型広告を、多くの企業・個人が利用できるようになった。オーバーチュア株式会社 アドバタイザー ソリューションズ マーケティング コミュニケーションズ マネージャーの河田顕治氏に「スポンサードサーチ モバイル」の概要をうかがった。

モバイルサイトに検索ユーザーを誘導するには?

編集部 モバイル向け検索連動型広告の市場規模は、今後急拡大していくことが見込まれています。その背景をまずご説明いただけますか?

オーバーチュア河田氏
オーバーチュア株式会社 アドバタイザー ソリューションズ マーケティング コミュニケーションズ マネージャー 河田顕治氏

河田 携帯電話やPHSの契約数は、日本国内だけで1億に達しています。端末の高機能化や通信速度の向上、パケット定額制の普及が進んだ結果、モバイル端末でのインターネット検索は、モバイルユーザーにとって身近なサービスになっています。

こうしたユーザーとの接点を持つためには、モバイル対応のウェブサイトを開設するのが望ましいでしょう。しかし、単にサイトを立ち上げただけでは、集客はなかなかできません。そこでユーザーをサイトに誘導する手法の1つとして、モバイル向け検索連動型広告への注目が高まっています。

編集部 ということは、PCではなく、モバイルで検索をするユーザーも増えているのでしょうか。

河田 PCに深く馴染んでいる人は、検索はPCで行うのが当たり前だと思いがちですが、実はそうではありません。たとえばJストリームの「ネットユーザー利用動向調査」(2007年実施)によれば、テレビ視聴がきっかけとなって携帯で詳細を調べる人は全体の約3分の1に上っています。「続きはウェブで」「○×で検索」といったクロスマーケティングを実施した場合、結構な人数がPCではなくモバイルで検索していることが想定されるわけです。PC向けのウェブサイトしか用意していないと、こうしたモバイルユーザーに対する訴求が困難になります。これを防ぐためにモバイルサイトを開設し、モバイル向け検索連動型広告を利用していこうという企業も増えています。

モバイル文化で育った若い世代の場合、インターネットはモバイルでしか利用しないという人も少なくありません。PCだけでこと足れり、という発想では、こうした層を切り捨てることになりかねません。

掲載順位はオークション方式で決定される

編集部 「スポンサードサーチ モバイル」がいよいよ5月にオンライン受付を開始しました。このサービスの特徴を教えてください。

河田 機能面ではPC向けのスポンサードサーチと大きく異なる点はありません。ユーザーの検索キーワードに連動して、そのキーワードに関連する広告が検索結果画面に表示されます。ユーザーが広告をクリックした時点で広告料金が発生します。広告運用開始時には、広告主自らがすべての手続きを行う「セルフコース」と、弊社のスタッフがキーワード選定や広告作成をサポートする「アシストプラン」が用意されています。これもPC向けのスポンサードサーチと同様です。

モバイル向け検索連動型広告ならではの機能といえるのは、キャリア(ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI)を限定して広告を配信する「キャリア・ターゲティング」です。特定のキャリア向けにサービスを提供している企業は、この機能を用いることで効率よく広告を配信できます。

スポンサードサーチ モバイルとスポンサードサーチ(PC)比較表
機能スポンサードサーチ モバイルスポンサードサーチ(PC)
スピーディな広告掲載
広告テスト
広告最適化機能
×
掲載順位決定方式
入札価格に基づく
入札価格と広告の品質に基づく
品質インデックス
×
掲載キャリア選択
-
キャリア別入札価格設定
-
検索方式
完全一致のみ
完全一致・部分一致
コンバージョン測定
×
トラッキングURL
×
対象外キーワード
×
コンテンツマッチ
×
地域ターゲティング
×

編集部 広告の掲載サイトを教えてください。

河田 主な掲載パートナーは、Yahoo!モバイル、msnモバイル、R25、L25などになります。

編集部 PC向けとモバイル向けで、注意すべき相違点はありますか?

河田 大きな相違点としては2つが挙げられます。1つは、広告の表示形式です。モバイル向けの広告は、タイトル14文字以内、説明文19文字以内で作成する必要があります(PC向けではタイトル15文字、説明文33文字)。さらに検索結果画面に表示する広告の件数もPCに比べて少なくなります。PC向けでは検索結果画面1ページにつき最大12件の広告が表示されますが、モバイル向けでは、Yahoo!モバイルの場合であれば、ページ上部2件と下部2件の合計4件に限定されます。このため1ページ目に掲載されれば、PC向に比べて高いクリック率が見込めます。掲載順位が高くなるよう、工夫を重ねていくことが大切ですね。

もう1つは、掲載順位の決定方式です。PC向けでは入札価格と広告の品質により順位が決まりますが、モバイル向けでは現在のところ純粋なオークション方式、つまり入札価格の高い順に掲載順位が決定します。同じキーワードでもPC向けに比べて入札価格が高くなるものが一部存在します。

広告効果をこまめにチェックしていこう

編集部 なるほど。PC版との違いも意識しなければいけませんね。では、「スポンサードサーチ モバイル」を上手に利用するコツは何ですか?

オーバーチュア河田氏
「キーワード、広告、ランディングページの関連性を高めることが重要です」―河田氏

河田 モバイルに限ったことではありませんが、キーワード、広告、ランディングページの3つの関連性を高めることが重要です。スポンサードサーチ モバイルではリンク先URLの文字列を300文字まで設定することが可能です。これによりさまざまなパラメータを設定しているためにURLが長くなりがちな商材の個別ページを、ランディングページにすることができ、キーワード・広告との関連性を高められます。

またスポンサードサーチ モバイルは、PC向けとは異なり、広告テスト機能は利用できますが、広告最適化機能は利用できません。またモバイル端末の特性上、コンバージョン測定機能も利用できません。管理画面で広告効果をこまめにチェックし、必要な改善を行っていくことが大切です。

編集部 広告の管理はどのように行うのでしょうか。

河田 広告の管理はPCから管理画面にログインをして行います。ユーザーインターフェイスに関しては、PC向けのスポンサードサーチとほぼ同様です。PC向けを利用した方であれば、迷わずに操作できると思いますよ。

編集部 ありがとうございました。

用語集
Overture / インデックス / オーバーチュア / キャリア / キーワード広告 / クリック率 / コンバージョン / スポンサードサーチ / スポンサードサーチ モバイル / リンク / 携帯 / 検索連動型広告
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