ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編 #1
08年12月、5年目を迎える『ケータイ白書2009』(インプレスR&D)が発刊された。同書の豊富な調査データから、個人・企業の最新モバイルマーケティング動向を4回に分けて読み解いてみたい。第1回となる今回は、まずモバイルインターネットの個人の利用動向をご紹介しよう。
パケット定額制利用者の4分の1は
パソコンでウェブサイトを利用しない
第三世代端末の普及が一巡し、高速通信環境が整った結果、ケータイからのインターネット利用が増加の一途をたどっている。これを裏付けるのが、パケット定額制の契約数の大幅増だ。日本のケータイ・PHSの契約数は2007年9月に9,933万から2008年9月には1億483万となっており、定額制加入者数も3,103万から3,973万へ増加、対携帯電話契約比は40%近い。
ではパケット定額制加入者のうち、ケータイでのインターネット利用が中心になっているユーザーはどの程度存在するのだろうか。『ケータイ白書2009』には、この疑問に答えてくれる調査データが掲載されている。パケット定額制加入者と非加入者の「1日のパソコンにおけるウェブ利用時間」に関する調査だ。
グラフの通り、パケット定額制加入者のうち26%が、「パソコンではインターネットはしない」、つまり携帯でのみインターネットを利用すると回答している。定額制加入者の方が、非加入者に比べてパソコンでのインターネット利用時間も短い傾向にあることもわかる。ユーザーとの接触を図るメディアとして、ケータイは無視できない存在になっているのはこのデータからも明らかだろう。
モバイルでのネット利用は
全体的に増加傾向
それではケータイユーザーは、インターネット上のコンテンツやウェブサイトをどの程度の頻度で利用しているのだろうか。また利用頻度は増加しているのだろうか。
これについても『ケータイ白書2009』には興味深いデータが載っている。
最も多いのは、週に1回未満しか利用しないと回答したユーザーだ。しかしその比率は2007年の36.9%から30.2%へと7ポイント近く低下している。一方で、週5回以上利用すると答えたアクティブなユーザーの合計は、27.5%から32.6%へと5ポイント増加しており、ケータイがコンテンツやウェブサイトの閲覧ツールとして、存在感を増していることがうかがえる。
なお年代別・男女別の利用頻度は、次のグラフの通りだ。
やはり男女とも若年層ほどケータイでのウェブサイト利用頻度が高く、年代が上がるにつれて低下することがはっきりと見て取れる。また、『ケータイ白書2008』時点のデータと比べると、男性10代で約6ポイント、女性10代で約5ポイント、女性20代で約9ポイントも増加している。
このことから、特に10~20代の女性はケータイでの利用が活発であり、この層をターゲットにインターネット上でマーケティングを展開するのであれば、モバイルへの対応が必須だといえそうだ。
『ケータイ白書2009』から読み解く 最新モバイルマーケティング動向
- 個人編#1 携帯のみのインターネット利用者はパケット定額制加入者の26%(この記事)
- 個人編#2 モバイル検索連動型広告のクリック経験が約6ポイント増加
- 企業編#1 モバイルウェブサイトは「勝手サイト」へ開設、売り上げ増加も期待
- 企業編#2 モバイルサイトの課題は「集客=アクセス誘導」
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