モバイルアクセス解析ツール10製品 徹底比較一覧表!
若年層を中心にケータイでのウェブサイト利用頻度が高まり、伸び続けるモバイルウェブサイト。それにともないモバイルにおけるアクセス解析の重要度も高まり、現在では必須といってもいいだろう。
今回の記事では、現在利用できる主要なモバイルアクセス解析ツール10種類について、対応する機能や価格、ライセンス、特徴などを一覧表形式で提供する。どのツールの利用が適しているのかを判断するために必要なデータがつまっているので、ぜひ参考にしてほしい。
古い記事になるが、Web担では2007年9月に「携帯サイトのアクセス解析ツール9製品厳選ガイド~選定のポイントは? 製品の特徴は?」という記事を公開した。モバイルアクセス解析ツールについて、それを支える技術や動向を説明、さらに各社から提供されている製品を紹介した。
今回の記事はそれを大きくアップデート。現在利用できる主要なモバイルアクセス解析ツール10種類について、対応する機能や価格、ライセンス、特徴などを一覧表にまとめてご提供する。
あわせてモバイルウェブサイトとモバイルアクセス解析の状況を、2007年と比較しつつ簡単に紹介する。
→→モバイルアクセス解析ツール10種類一覧表を見る(PDF)
※ 9/14、一覧表に「SiteTracker 携帯サイト解析オプション」を追加しました。モバイルウェブサイトとモバイルアクセス解析の状況
2007年の記事でも「モバイルマーケティング環境のオープン化」というキーワードはあったが、その後それはさらに加速した。
2008年4月にはNTTドコモとGoogleの検索エンジンが提携。すでに2006年にGoogleと提携しているau、Yahoo!の検索窓を持つSoftbankとあわせて、3キャリアともケータイでの検索環境が整った。また、一般サイト(勝手サイト)の増加やフルブラウザの普及などもあり、もはや「ケータイで検索」という行為はすっかり一般化したといっていいだろう。
こうした流れにより、モバイルウェブサイトでも検索エンジンからのトラフィックを視野に入れたサイト構築、運用が求められ、ユーザーを集めるためにはSEO、SEMが重要な施策となっている。2007年と比べて、モバイルマーケティングの重要度が大幅に高まっているのはこうした背景によるものだ。
重要度が増してはいるものの、まだまだモバイルマーケティングを活用しきれていないユーザーも多い。「モバイルアクセス解析に関するセミナーを行っていますが、そこで出席者の皆さんにお話を聞くと、とくに施策はやっていないというユーザーさんがまだ多いですね。PVは見ていても、そこから先、分析もそれに基づいた改善もあまり行われていないようです」(アクセス解析ツールベンダー)というのが現実だ。セミナーには非常に多くのユーザーが訪れるということで、モバイルマーケティングに対する興味・関心は高くても、モバイルについてはアクセス解析をしていない、もしくはモバイルアクセス解析ツールを導入していても活用しきれていないというユーザーも多いということだ。
モバイルアクセス解析ツールの状況
モバイルアクセス解析ツールについて、最近の大きなトピックといえるのが、NTTドコモより発表された2009年夏モデル端末(iモードブラウザ2.0端末)のリファラ対応だろう。まだまだ端末によって差はあるが、少なくともこれから発売される端末については他のキャリアと同様にリファラの分析が可能となったわけで、今後はキャリアによって得られる情報の違いは少なくなっていくだろう。
一覧表では、概要、提供形態、解析形態、価格、解析項目/指標、広告測定効果などについて、各製品を項目別に紹介している。
提供形態は「ライセンス買取型」「ASPサービス型」の2種類で、どちらの形態でも導入可能な製品もある。買い取りたいのか、月額費用での利用を望むのか、ユーザーのニーズにより選択することができる。
解析形態は「サーバーログファイル型」、「ウェブビーコン型」、「パケットキャプチャ型」の3方式。「RTmetrics」のように、ユーザーのニーズに応じてどの形態でも導入可能という製品もある。
- サーバーログファイル型は、ウェブサーバーに蓄積されるログファイルを解析する方式
- ウェブビーコン型は、ビーコンを埋め込み、これを外部のサーバーに飛ばすことで解析データを蓄積し、解析を行う方式
- パケットキャプチャ型は、端末とモバイルサイトを置いたウェブサーバー間のパケット情報をすべて取得、解析を実現する方式
サーバーの環境や、運用体制など、ユーザーのニーズにあった解析形態を選択することが可能だ。
価格は基本プランの初期費用、月額費用などを掲載。今回の一覧表では有償のものだけを取り上げたが、無料のモバイルアクセス解析ツール・サービスも数多くある。モバイルアクセス解析をこれから始めようというユーザーなら、一度無料の製品・サービスを利用して、自分にはどのような機能、解析が必要なのかを考えてみるのもいいだろう。
解析項目/指標はキャリア別に項目を設けてあるが、ドコモに関しては「リファラ対応端末であれば」という機能もあるので注意が必要だ。このあたりについては、キャリア側の仕様に依存しているものだ。
広告効果測定はコンバージョン集計など4項目を項目化したが、製品によっては直接効果だけでなく間接効果まで分析できるものもある。広告効果測定の分析を重視する場合には各製品のHPなどを確認してほしい。
端末の進歩、通信速度の向上、そしてコンテンツの進化などにより、ユーザーのモバイルウェブサイト利用はますます伸びていくだろう。さらに、iPhone、Androidをはじめとするスマートフォンの普及も予想され、1年先の状況の予想も難しいモバイルウェブサイトだが、どうなってもアクセス解析の重要度が下がることはないだろう。
導入を検討しているユーザーには、一覧表をぜひ参考にしてほしい。導入していないユーザーも、この機に検討してみてはいかがだろうか。
なお、モバイルウェブサイトの動向については、「ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向」として、
- 個人編#1 携帯のみのインターネット利用者はパケット定額制加入者の26%
- 個人編#2 モバイル検索連動型広告のクリック経験が約6ポイント増加
- 企業編#1 モバイルウェブサイトは「勝手サイト」へ開設、売り上げ増加も期待
- 企業編#2 モバイルサイトの課題は「集客=アクセス誘導」
という4つの記事を掲載している。ケータイ白書のデータを基に、モバイルウェブサイトを開設している企業の状況やその目的、ユーザーの利用動向、検索の利用頻度や広告のクリック状況についてなどのデータを紹介、解説しているので、そちらも参考にしてほしい。
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