Web担当者は、SNSやAIが全盛の2026年にウェブサイトをどう位置づけて考えるべきなのか? Googleのマーティンとゲイリーが、「ウェブサイトが不要なケース」「ウェブサイトでしかできないこと」など、どうサイトを位置づけて進化させていくとよさそうかを語った。
今週も、ピュアSEOやAIのトピックを取り混ぜてお届けする。「AIでSEOの何が変わり、何が残るのか」「プロでも失敗するドメイン名移行」「グーグル検索責任者が語ったAI時代のグーグル検索ビジョン」「ローカルSEOのガイドブックと超絶TIPS」などなど、あなたの仕事にきっと役立つ情報をチェックしてほしい。
- 2026年でもウェブサイトはまだ必要? アプリ・ソーシャル・AIで置き換えられるんじゃ?
- AIでSEOの何が変わり、何が残るのか? 3人の熟練SEOが語る検索マーケティングの核心
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今週のピックアップ
2026年でもウェブサイトはまだ必要? アプリ・ソーシャル・AIで置き換えられるんじゃ?
存在価値は消えていない (Search Off the Record) 海外情報
2026年でもウェブサイトは依然として必要なのか?
この刺激的なテーマに、グーグルのマーティン・スプリット氏とゲイリー・イリェーシュ氏がディスカッションした。
その結論をまとめるとすると、次のようなものだ:
ウェブサイトは 2026年においても時代遅れではないが、その役割は変化している。
ユーザーがアプリ・ソーシャルプラットフォーム・AIインターフェイスを通じてやり取りする機会が増えているなかでも、ウェブサイトはウェブの基盤レイヤーであり続けている。
ディスカッションの詳細は次のとおりだ。
ウェブは死んでいないが、進化している
「ウェブは死んだ」という主張は、アプリ・音声・AIなど技術的な転換点が訪れるたびに繰り返されてきた
AIやチャットボットは主に新しいインターフェイスであり、依然としてウェブコンテンツに大きく依存している
「ウェブのダークフォレスト理論」も提起されている。AIエージェントがエージェントを運用するウェブサイトとやり取りするようになると、ウェブはボット同士が会話し合うループに陥るリスクがある。
※筆者注 「ウェブのダークフォレスト理論(Dark Forest Theory of the Web)」は、オープンなウェブの敵対性が増すことで、ユーザーが公開されたソーシャルプラットフォームから私的で隠れた空間へ退避する現象を説明する比喩。
ウェブサイトはコア情報レイヤーであり続けている
ほとんどのAIシステムや検索ツールは、最終的にユーザーをウェブサイトへと誘導する
ウェブサイトは依然として、構造化された共有可能な情報を発信する主要な媒体である
チャットボットはレスポンスが非決定的であるため、情報を広く流通させるチャネルとしては信頼性に欠ける。特定のメッセージを大規模に伝える手段としては、ウェブサイトが最も明確な方法であり続けている
個人サイトからプラットフォームへのシフト
個人ブログや独立したウェブサイトは減少している
現在、コンテンツやビジネス活動の多くは、ソーシャルプラットフォームに集中している
2015年から2016年にインドネシアで実施されたユーザー調査によると、多くのビジネスがウェブサイトを持たずにソーシャルネットワーク上だけで運営されており、それでも高い売上と顧客維持率を達成していた
プラットフォームとウェブサイトのトレードオフ
プラットフォームは「リーチ」「配信」「発見性」に優れている
ウェブサイトは「データ主権」「コントロール」「プラットフォームのルールやアルゴリズムからの独立性」を提供する
ウェブサイトでは、どのコンテンツをどのように表示するかはオーナーが決定する。それに対してプラットフォームでは、アルゴリズムがその判断を行う
ウェブサイトの主な優位性
コンテンツ、マネタイズ、ユーザーエクスペリエンス(アフィリエイトリンク、広告、キャンペーンなど)に対する完全なコントロール
プラットフォームでは提供できないサービスやツールをホストできる(アプリ、計算ツールなど)
プラットフォームのアルゴリズムやポリシーへの依存がない
質の高いウェブサイトは信頼性を高めるが、「質の低いウェブサイト」は「洗練されたソーシャルメディアプレゼンス」よりも信頼性が低くなる可能性がある
ウェブサイトが不要なケース
オーディエンスが単一のプラットフォームで完全にリーチ可能な場合(例: WhatsAppのコミュニティグループ、フェイスブックのビジネスページ)
ビジネスモデルがプラットフォームの機能で完結する場合(例: ソーシャルコマース、アプリ内購入)
配信が有料広告やクローズドエコシステムで完結する場合(例: ウェブサイトを持たず広告だけでユーザーを獲得するモバイルゲーム)
ウェブサイトとアプリの境界の曖昧化
多くのモバイルアプリはウェブコンテンツをHTMLでラップしたものに過ぎず、ユーザーは気づかないままウェブサイトを利用していることが多い
ソーシャルショッププロフィールはウェブサイトとして実質的に利用でき、プラットフォームとウェブサイトの区別を曖昧にしている(例: インスタグラム)
Linktreeのようなツールは軽量な「ホームベース」として機能し、低品質なウェブサイトよりも適切な選択肢となり得る
「ホームベース」としてのウェブサイト
強力なプラットフォームプレゼンスを持つ場合でも、ウェブサイトは「ブランド」「コンテンツ」「コンバージョン」の中心的なハブとして機能し得る
ウェブサイトはアルゴリズムによるフィルタリングを介さず、オーディエンスと直接的な関係を築くことを可能にする
発見と意図
プラットフォームやAIは、「探索」や「発見」を促進する
ウェブサイトは、「構造化された意図的な情報消費」と「コンバージョン」に適している
ウェブの低い参入障壁と普遍性
ウェブサイトは、インストール不要でデバイスを問わずアクセスできるため、ユーザーにとって気軽な入り口となっている
特定のプラットフォームに集中していないオーディエンスに対しても、ウェブサイトは、広く情報を届ける最も手軽な手段であり続けている
ウェブサイトはすべてのビジネスに必須ではなくなったが、依然として強力であり、多くの場合に不可欠なツールだと言っていいだろう。少なくとも現在の日本のインターネット事情では、完全になくすことはリスクが大きく、極論だ。
ウェブサイトが必要かどうかは、「ビジネス目標」「ターゲットオーディエンスの行動」「ユースケース」によって異なる。プラットフォームやアプリの中だけで事業を完結させることができるビジネスもある。しかし、「コントロール権」「視認性」「機能性」において独自の優位性をウェブサイトは依然として持っている。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
AIでSEOの何が変わり、何が残るのか? 3人の熟練SEOが語る検索マーケティングの核心
JADEcon 2026パネルディスカッションより (株式会社JADE ブログ) 国内情報
- AIでSEOの仕事はどう変わったのか
- AIがあっても変わらないこと
- 「AIの回答に自社を出したい」と言われたら
- ゼロクリック時代の定量指標
- SEOの将来
そんなトピックをSEO歴の長い3人が語ったパネルディスカッションのレポート記事を紹介する。株式会社JADEが2026年3月27日に主催した「JADEcon 2026」イベントのレポート記事だ。
「AIの台頭で変わること・変わらないこと、ゼロクリック時代の指標設計、SEOの未来」がパネルディスカッションの全体テーマだった。パネリストは、SEO業界で長年のキャリアを持つ次の3人だ:
- 吉野五十也 氏(合同会社58代表)
- 土居健太郎 氏(ナイル株式会社取締役)
- 副島啓一 氏(株式会社Faber Company執行役員)
パネルディスカッションで語られたキーポイントをまとめてお届けする。
- SEOの核心は変わらない:
- 検索アーキテクチャ(クロール→シグナル→ランキング)は依然として機能している
- AIが影響を与えるのは主に「インターフェイス」と「検索結果」という表示層である
- AIはワークフローを変えるが、責任は変えない:
- 自動化により手作業が削減され、対応範囲が広がる
- 品質管理と最終判断は引き続き人間の責任である
- 人間の判断力がより重要になる:
- AIのアウトプットには検証と批判的思考が必要
- 判断力の低い意思決定者は、AIを使っても質の低い結果しか生まない
- オフラインエンゲージメントの重要性が再認識される:
- AIによって生まれた時間は、クライアント訪問や現場情報の収集に充てるべき
- 直接的な人間との接触から得られるコンテキストは、LLMが本質的に持つことのできないものである
- 情報の質に関する懸念が高まっている:
- 未確認の情報がソーシャルメディアで拡散し、事実として扱われやすい
- AIが個人ブログから誤ったブランド情報を取得する可能性があり、引用のコントロールがますます重要になっている
- 競争環境が激化している:
- 翻訳技術とAIの進化により、グローバルな競争が激化している
- AIの導入は「優位性を得る」ためではなく、「競争力を維持する」ためだけでも不可欠となっている
- ビジネス成果へのシフト:
- ROIは収益やビジネスKPIで評価すべきである
- ゼロクリック環境では中間指標の信頼性が低下している
- 新たな計測アプローチの台頭:
- AI/検索結果におけるブランド露出のモニタリングは、引き続き重要である
- 繰り返しのAIクエリにおけるブランドの出現頻度など、確率的なトラッキング手法が実用的な方法として提案されている
- 「AI SEO」という社内の流行り言葉:
- 施策を「AI関連」として打ち出すことで、予算確保やステークホルダーの合意を得やすくなる
- 実際のSEO業務は変わらないことが多いが、そのラベルが社内の抵抗を回避するのに役立つ
- 将来の展望:
- 実行スキルはコモディティ化し、戦略的判断力と優先順位付けの価値が高まる
- 検索インターフェイスは大きく進化し、「SEO」という言葉自体が再定義されたり、使われなくなったりする可能性もある
AIの影響で業務効率や競争環境は大きく変わっている一方で、SEOの本質や求められる思考は変わらないという点が印象的だ。特に、AI時代だからこそ人間の判断力とビジネス視点がより重要になるという指摘は現場感がある。ゼロクリック環境における指標設計の議論も、今後のSEOを考えるうえで示唆に富んでいる。
ここでお伝えした箇条書きの情報では各パネリストの「実体験をもとにした生の意見」は伝わらないので、それぞれさらに詳しく知りたい方は元記事を参照してほしい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ドメイン名移行失敗から学ぶSEOリニューアルの落とし穴と対策
ドメイン移行は「シンプルでも失敗する」 (アユダンテ株式会社) 国内情報
アユダンテが、自社の関連会社サイトを「ドメイン名移行をともなうリニューアル」した際に、SEO要件の不足によりインデックスが進まなかった実例と、その原因・改善施策を解説した。
子会社化した海外企業のサイト移行後に次の問題が発生したのだという:
- sparkline.com → ayudante.asia へのドメイン移行後、約2か月で新ドメイン名のURLで2ページしかグーグルにインデックスされていない
- 新サイトがほぼ評価されない状態
こうした問題の原因は5つあったという。次のものだ:
- 不適切なリダイレクト
- JavaScriptリダイレクト + 5 秒遅延
- Search Consoleでのアドレス変更未送信
- 被リンクの張り替え未対応
- 新サイトの SEO 不備
- パンくずなし
- ページネーションなし(Load Moreボタンでの読み込み)
- 不適切なtitleとdescription
- 情報の古さ・不整合
- メール・リンク・表記が旧情報のまま
特に、致命的だったのは不適切なリダイレクトだった。URLが変わったときには、元サイトのサーバーで301リダイレクトを設定するのがベストだ。JavaScriptやmeta refreshでのリダイレクトを採用する場合は、0秒での遷移が必須だ(こうしないと、検索エンジンにURL移転だとみなされない)。
原因を特定後、次のリカバリー施策を実行した:
- 旧ドメイン名側:
- JavaScript → 301 リダイレクトへ変更
- 被リンクの修正依頼
- Search Consoleでアドレス変更送信
- 新ドメイン名側:
- SEO要素の改善(パンくずリスト・ページネーションなど)
- 内部リンク強化
- コンテンツ・情報更新
リカバリー施策を実施すると、効果が現れ始めた。インデックス数が約80ページへと急回復し、検索結果での表示回数も増加してきた。評価が徐々に回復してきた証拠だ。
一件落着に思えたが、追加のトラブルに見舞われた。旧ドメイン名が契約切れで停止してしまったのだ。リダイレクトが切れると、旧ドメイン名での評価が引き継がれなくなる可能性がある。リダイレクトはなるべくなら1年間は保持しておきたい。
リニューアル時の必須SEO要件として、記事著者の江沢氏は次のことを推奨している:
- 旧サイトのURLの洗い出しと移行有無の決定
- 旧URL→新URLの対応表(リダイレクトマップ)
- 301リダイレクト方式の指定(サーバーサイド)
- リダイレクトテスト計画(テストサーバーでも)
- サーチコンソールの設定・アドレス変更通知
- XMLサイトマップの更新(新旧送信)
- robots.txtの見直し
- 新サイトのSEO要件の最適化
- 各種情報やコンテンツの精査、アップデート
- 旧ドメイン名の維持期間
- 公開後のモニタリング(インデックス数、表示回数、クリック数、順位、クロール状況など)
ドメイン名移行は「シンプルでも失敗する」が教訓だ。成功の鍵は、事前のSEO要件定義と確実な実装にかかっている。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- 技術がわかる人に伝えましょう
AI時代のグーグル検索: SEO戦略を再定義する5つの核心ポイント
対話型・マルチモーダル・パーソナライズへと進化 (Google Japan Blog) 国内情報
「AI時代における検索の未来とグーグルのビジョン」についてグーグル検索部門責任者であるリズ・リード氏が語った。
2026年2月に行われた世界的な広告業界団体のイベント「IAB Annual Leadership Meeting 2026(IAB ALM 2026)」に登壇した際のトピックだ。そのハイライトを紹介した記事の日本語訳が、グーグルの公式ブログに公開されている。
リード氏は次のように言う。
AIによってグーグル検索は、「対話型」「マルチモーダル」「パーソナライズ」へと進化し、ユーザーの情報探索と意思決定をより深く支援する方向に変化している。
こうした変化により、マーケターには「ユーザー中心の高品質コンテンツ」と「AI活用による広告・体験最適化」がこれまで以上に重要になると強調している。
リード氏の講演の主要ポイント5つを把握しておこう:
- 検索は対話型へ進化:
- マルチターンの会話型検索が主流になる
- 長く具体的なクエリが増加
- 深いニーズに応える機会が拡大
- マルチモーダル化が加速:
- テキスト中心から画像・動画・音声へシフト
- Googleレンズやビジュアル検索の重要性増大
- 高品質なビジュアル資産が必須
- コンテンツ戦略は「人中心」が不変の原則:
- SEO/AIO/GEOに関係なく本質は同じ
- 網羅性より「特定領域での深さ」が評価される
- 専門性・独自性がより重要になる
- 広告の価値が向上:
- 広告は「ユーザーの問いへの答え」として機能
- 長文クエリによりターゲティング精度が向上
- Geminiにより意図理解と最適配信が強化
- パーソナライズが検索体験を再定義:
- 好みや購読に基づく情報表示が進化
- Preferred Sources(優先ソース)などで信頼関係を強化
- ブランドとユーザーの関係構築が重要
SEOの基盤は不変だとしても、AIの進化に合わせて対応していく余地は確かに存在する。リード氏の観点を参考にしたい。
- すべてのWeb担当者 必見!
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