グーグル「中古ドメイン・寄生サイト・大量ページ生成、悪用はぜんぶスパム扱いね」【SEO情報まとめ】
検索スパム扱いする対象に「期限切れのドメイン」「大量生成されたコンテンツ」「サイトの評判(寄生サイト)」の不正使用を追加したことを、グーグルが明らかにした。
3月はスパムアップデートも展開され、さらにコアアップデートも検索品質改善のために通常より大きな更新になっているようだ。
それ以外にも、今回も良いネタを取りそろえている。「検索結果の正しさ」「サブドメインの評価→親ドメイン名への影響」「良質なコンテンツってどう作るの?」「カルーセル表示の構造化データ」などなど、10ネタすべて目を通しておいて損しないこと間違いなしだ。
- グーグル「中古ドメイン・寄生サイト・大量ページ生成、悪用はぜんぶスパム扱いね」
- 2024年3月のコア アップデートをグーグルが開始、いつもよりも大きな順位変動を覚悟
- 検索上位コンテンツの内容が事実かどうかを、グーグルは確かめてい[る・ない]?
- サブドメインの高評価はメインサイトにも伝わるのか?
- 2024年2月のオフィスアワー(2回目): クロールの統計情報レポート、CWVに関する対応、ソフト404ページなど
- SEO専門家が著した、良質コンテンツを作成するために役に立つ良質なコンテンツ
- グーグルアップデートでアクセス激減→AI生成コンテンツを増産してリカバリできるか?
- カルーセル表示の構造化データをグーグルがサポート
- グーグルビジネスプロフィールにフェイスブックの投稿が表示される
- グーグルビジネスプロフィールに名称変更が反映されないときの対処法
- Google検索品質評価者向けガイドラインが更新【2024年3月5日】、人間の監修がないAI生成コンテンツは最低品質
- Googleは大手サイトを検索で優遇している、個人サイトに勝ち目はない!?
今週のピックアップ
グーグル「中古ドメイン・寄生サイト・大量ページ生成、どれも不正使用はぜんぶスパム扱いね」
スパムアップデートも併せて実施 (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
グーグルは、ウェブ検索のスパムに関するポリシーを更新し、スパムポリシーに違反する行為として次の3つを追加した:
- 期限切れのドメインの不正使用
- 大量生成されたコンテンツの不正使用
- サイトの評判の不正使用
期限切れのドメインの不正使用
「期限切れのドメインの不正使用」とは、いわゆる「中古ドメイン名」スパムだ。以前に正当な目的で使用されていたが更新されず期限が切れたドメイン名を購入し、そのドメイン名の過去の評価を利用して、検索順位を操作しようとするものを指す。
たいていの場合、以前は質の高いサイトだった場合でも、所有者が変わったあとのコンテンツは低品質なことが多い。しかし以前の評価がグーグルに残っているため、上位表示してしまう。つまり期限切れドメイン名の不正使用は、「以前にそのドメイン名が有していた価値を悪用して、質の低いコンテンツのランクを上げたい」と企てる人々が意図的に行う手法だ。
なお、期限切れになったドメイン名を、ユーザー本位のウェブサイトのために再利用すること自体は問題ない。検索エンジンを操作することを主な目的とした不正な利用をグーグルは禁止している。
大量生成されたコンテンツの不正使用
「大量生成されたコンテンツの不正使用」とは、ユーザーの役にたつためではなく、主に検索順位を操作するために、独自でなく価値の低いコンテンツを大量に生成することを指す。
この悪質な手法は、グーグルが以前から掲げている自動生成コンテンツに対するポリシーに基づいているが、コンテンツの生成が、
- 自動化
- 人の手によって
- 自動化+人力の組み合わせ
のいずれにかかわらず、検索エンジンの操作のみを目的として人間の役に立たないコンテンツを大規模に生成する悪用に対処できるようになっている(つまり、AIによるコンテンツだけを対象としているわけではない)。
サイトの評判の不正使用
「サイトの評判の不正使用」とは、このコラムでもたびたび問題提起してきた「寄生サイト」だ。大手サイトのサブディレクトリやサブドメインの一部を “間借り”してアフィリエイトなどの活動をするサイトを指す。
大手サイトの一部だとみなされた場合は、寄生している側のコンテンツが低品質であったとしても、親サイトの評価が受け継がれて上位表示できてしまう。貸しているサイトを十分に管理監督できていない状態で、ランキング操作のために悪用されているケースが大半だ。数年来、問題視されてきたのだが、ようやくスパムポリシー違反行為として加わった。
なお、サイトの評判の不正使用は2024年5月5日から有効になる。スパムだと判定されることを知らずにサイトを貸してしまっているウェブ担当者も多く、対処のために猶予期間を設けた形だ。
スパムアップデートも3月に実施
スパムポリシーの更新と併せて、2024年3月のスパムアップデートの展開も3月5日(太平洋時間)にグーグルは開始した。
スパムアップデートは検索システムが自動的にスパムを排除する。それに対して前述のスパムポリシーに違反している場合は、グーグル検索のスパムチームに所属する人間による手動の対策の対象となる。
手動と自動の両面から、ウェブスパムに対する取り組みにグーグルは今年も力を入れていることが伺える。
- すべてのWeb担当者 必見!
2024年3月のコア アップデートをグーグルが開始、いつもよりも大きな順位変動を覚悟
複数の主要システムの変更を伴う複雑なアップデート (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
2024年3月のコア アップデートの展開を、グーグルは3月5日(太平洋時間)に開始した。今回のコア アップデートはいつものコア アップデートとは違う。特徴を簡潔にまとめると次のようなものだ:
- 複数の主要システムの変更を伴う複雑なアップデート
- 多様なシグナルと手法を用いて、より有益なコンテンツを特定できるよう強化されたランキングシステム
- 通常のコア アップデートよりもランキング変動が大きくなる可能性あり
- 展開の完了には最大で1か月かかる
標準的なコア アップデートよりも改良の度合いと範囲が大きいとのことだ。そのため変動が大きくなることが予想される。また完了までにいつもよりも長い時間を要する(たいていは約2週間で終わるが、今回は1か月ほど)。変更点に関しては、FAQページがあるので、そちらも参照してほしい。
ランキングの変化について、グーグルは次のように述べている:
今回のアップデートとこれまでの取り組みを合わせることで、検索結果に表示される質の低い、独創性のないコンテンツが40%減少すると見込んでいます。
展開開始の数日後から徐々に変動が発生しているようだ。もし自分のサイトが影響を受けたように見えたとしても、1か月程度は様子を見るほうがいい。展開が完了するまでにまた変動するかもしれないし、調整が入ることもありうる。
グーグルは「満足度の高いコンテンツを人々のために作成してきたサイトの管理者は、特に対策をする必要はない」と、いつもと同じアドバイスを繰り返している。それでも、もし確実に影響を受けたと判断できそうなら、有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成のためのガイダンスを参照して運営サイトを見直すのがいいだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
検索上位コンテンツの内容が事実かどうかを、グーグルは確かめてい[る・ない]?
「はい・いいえ」で簡単には答えられない (Google SearchLiaison on X) 海外情報
コンテンツが提供している情報が正しいかどうかを、グーグルは確かめているのか?
こうした趣旨の質問にグーグル検索の広報担当であるSearch Liaisonは次のように回答した。
グーグルには、信頼できる情報がコンテンツに含まれているかどうかを検出するシステムがあります。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/ranking-systems-guide#reliable-information-systemsまた、事実に関する合意の概念についても言及しました。
https://blog.google/products/search/information-literacy/ですので、単純に「はい」または「いいえ」でお答えすることはできません。より重要なのは、人々が信頼できる情報を求めているということです。グーグルのシステムは、人々が求める情報を表示するよう努めています。信頼できる情報で人々を喜ばせ、グーグルのシステムも満足させてください。
We have systems that try to detect if content has reliable information: https://t.co/2UYj2o1hhs
— Google SearchLiaison (@searchliaison) March 6, 2024
We also have talked about the notion of consensus when it comes to facts: https://t.co/3RM4EHkhDP
So the yes/no answer you want isn't that simple. The broader point is this. People…
要するに、グーグルは単純に事実かどうかを判定するシステムは使ってはいないということだろう。より正確に言えば、情報源の合意や信頼性のシグナルといった要素をもとに、信頼できる事実性の高い情報を表示しようと努めているということだ。
ただし、現時点で「事実性の高い情報」をグーグルが求める理由は「ユーザーが喜ぶから」であって、「プラットフォームの責任」ではないようだ。すべてのコンテンツについて何が絶対的に正しいのかを判断するというよりも、ユーザーが事実として受け止められる信頼性の高い情報を提供することが、グーグルが目指すところのようだ。
同様のことは、4年前ほどにもSearch Liaisonの中の人であるダニー・サリバン氏が発言しており、このコラムで紹介したことがある。その際の要点は次のようなものだった:
検索結果に表示されるウェブページの情報が正しいかどうか、それ自体をグーグルは判断していない。しかし、正しい情報を提供しているであろう信頼できるサイトのコンテンツを上位表示しようとしている。
検索システムや検索機能は進化しているが、基本的なアプローチは当時と変わっていないようだ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
サブドメインの高評価はメインサイトにも伝わるのか?
サイト全体を有益にすることが最重要 (John Mueller on X) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏に、Xで次のような質問があった:
グーグルによると、「サブドメインでホストしているコンテンツは、全体的なドメイン名の品質に影響を与える可能性がある」ということです。サブドメインの肯定的な要素(役立つコンテンツやリンク権威など)が、ドメイン名全体の評価に貢献するということでしょうか?
ミューラー氏は次のように返答した:
率直に言わせてもらうと、そういう「シグナル」を気にするあまり、ユーザーへの視点が抜けてしまっているサイトが多い。サブドメインからの影響を期待するより、まずはサイト全体を魅力的で役立つものに変えるほうがいいのではないか?
I'll be straightforward & make some assumptions: if you're focusing on "signals" like this, your website is probably not as well-aligned on users. Instead of hoping some signals from a subdomain propagate up, why not just make the whole site awesome & helpful?
— John (@JohnMu) March 4, 2024
ミューラー氏の返答をもっと直接的に言い換えれば次のようになるだろう。
サブドメインのような細かいテクニックでSEOを考えるよりも、まずはサイト全体で「質の高い、ユーザー視点のコンテンツ」を提供することに集中しなさい。訪問者にとって真に価値のあるサイトを作れば、検索エンジンからの高い評価は自然とついてくる。
大きく解釈すれば、次のようにとらえてもいいかもしれない:
サブドメインで分けているということは、それぞれ別のサイトとして運営しているのだろう。ならば、各サイトが想定しているユーザーに向けて、それぞれ質の高いコンテンツを提供していくことが、サイト管理者として行うべきことだ。
各サイトで想定しているユーザーのニーズに応えていれば、各サイトの評価が高まっていくため、「サブドメインの影響で評価が高くなる」といったことを気にする必要はなくなる。
当然、基本的なSEOとしてサイト間でリンクしているだろう(関連するコンテンツがあればなおさら)。良質なコンテンツどうしでリンクしていけば、ドメイン名全体の評価が高まっていくのは当然だろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
2024年2月のオフィスアワー(2回目): クロールの統計情報レポート、CWVに関する対応、ソフト404ページなど
スペシャル企画あり (Google検索オフィスアワー on YouTube) 国内情報
2月の2回目のグーグル検索オフィスアワーが公開された。あんな氏が回答した質問は次のとおりだ:
- Search Console クロールの統計情報レポート(10:36)
- ページがインデックスされない(13:23)
- SERPs に表示される「サイト名」への要望(14:46)
- Core Web Vitals に関する対応(16:53)
- ユーザーの目に触れることのない属性値の評価(19:08)
- クロール済み - インデックス未登録(20:46)
- ソフト 404 ページでの「新しい検証を開始」(24:12)
- パフォーマンス計測ツール(26:08)
- 趣味で作成する検索エンジン(28:24)
- サブディレクトリに基づいてサイト名変更(29:59)
- SEO 上の観点でのサイトデザインの懸念(32:03)
- 頻繁に IP アドレスが変更するサイト(33:51)
「ページがインデックスされない」「Core Web Vitals に関する対応」といった定番の質問から「趣味で作成する検索エンジン」「頻繁に IP アドレスが変更するサイト」のような珍しい質問も出ている。上記のトピック一覧では、各質問のシーンに直接ジャンプできるようにリンクしてある。気になる質問だけでもチェックしよう。
また、Q&Aに入る前にスペシャル企画として「Google 無料リスティングとプライバシーサンドボックスの最新情報」をあんな氏は紹介している。こちらも興味があれば視聴しよう。
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