グーグル検索の上位表示の鍵になるかもしれない「エンティティ」とは?【SEO情報まとめ】
SEOといえば「コンテンツ」。その検索評価を突き詰めた先の1つが「エンティティ」だ。現在のグーグルにコンテンツを正しく認識させる「エンティティ」とは? E-E-A-Tとの関係は? どう認識させる? 確認方法は? 住太陽氏が解説する。
今回は、ほかにも小粒だがピリリと効くSEOネタが揃っている。「スニペットはクエリによって違う」「リンクよりもサイテーション」「動画構造化データでトラフィック2倍」などなど、あなたのSEO底力アップに効く情報を、今週もお届けする。
- グーグル検索の上位表示の鍵になるかもしれない「エンティティ」とは?
- 異なるページでmeta descriptionも違うのにスニペットがまったく同じ、なぜ?
- 新しいポリシー違反のカテゴリがスパムレポートに追加される
- 実店舗サイトの上位表示に重要なのはリンクよりもサイテーション
- 2024年5月のオフィスアワー: サイトの評判の不正使用、低品質ページの扱い、サイトマップのlastmodなど
- 動画構造化データの実装で、動画のインプレッションが3倍・クリックが2倍に⤴️⤴️
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今週のピックアップ
グーグル検索の上位表示の鍵になるかもしれない「エンティティ」とは?
人物、場所、組織など他の事物と区別できる一意性を持った現実世界の物事 (ボーディー) 国内情報
「エンティティ」について住太陽氏が解説した。現在のGoogle検索で「キーワード」よりも大きな重要性をもつポイントだ。
SEOの文脈における「エンティティ」とは、人物、場所、組織、事物、概念など、他の事物と区別できる一意性を持った現実世界の物事のことであるという。
元記事では、「住太陽」という人物を、グーグルが識別子「/g/113z0lh_1」を割り当てたエンティティで認識している例が挙げている。また、「住太陽」のエンティティは、日本語だけでなく、英語、アラビア語、ロシア語など、さまざまな言語で表示できるため、言語を超えて一意のものであると説明されている。
グーグル検索が、コンテンツに書かれている内容を「テキスト」「キーワード」ではなく「エンティティ」として認識することの主な利点は次の2つだ。
- クエリの意図を人間らしく理解する:
グーグル検索は、エンティティのデータを利用して、検索クエリ(キーワード)を人間が理解するのと同じように理解しようとする。
ユーザーが入力した単語やフレーズをエンティティのデータベースと照合することで、ユーザーが探しているものを文字列ではなく、現実の物事として理解する。
たとえば、「勝新の奥さんの近況」と検索された場合、グーグルは「勝新」が俳優の勝新太郎、「勝新の奥さん」が女優の中村玉緒であることを理解し、ユーザーが中村玉緒の現在の状況を知りたいのだと解釈する。
- E-E-A-Tの対象としてのエンティティ:
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)は、グーグルがウェブサイト・コンテンツ・コンテンツ制作者を評価する指標だ。
ある人物や組織のE-E-A-Tを評価するには、その人物・組織のエンティティが認識されている必要がある。
エンティティをグーグルに確実に認識させることで、クエリとの関連性を高められる可能性がある。
住氏は、エンティティに関してさらに詳しく解説している:
- エンティティのさらなる説明
- エンティティとして認識させる方法
- エンティティとして認識されているか確認する方法
「キーワード」を超えたイマドキのSEOを進めたいならば、元記事を隅から隅までしっかりと読んでおくといいだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ホントにSEOを極めたい人だけ
グーグル検索SEO情報①
異なるページでmeta descriptionも違うのにスニペットがまったく同じ、なぜ?
スニペットは動的に作られる (Google SearchLiaison on X) 海外情報
検索結果のスニペットにまつわる、Google SearchLiaison(グーグル検索の広報担当)とウェブ担当者のXでのやり取りを紹介する。
質問者: 内容が異なり、それぞれ独自のmeta descriptionを設定している記事があります。しかしGoogle検索は、2つの異なる製品に対して同じmeta descriptionを表示しています。非常に混乱します。
これはYoast(WordPressのプラグイン)の問題でしょうか? それともグーグルの問題でしょうか?
SearchLiaison: スニペットは動的に作成されることと、検索に二重引用符(
"
)を利用している点がポイントです。質問の例ででているのは2つの異なる製品に関するページですが、あなたは製品の名前を二重引用符で囲んで検索しています。そして、その製品名は両方のページで言及されています。
二重引用符で囲んだ検索は「語順も含め完全一致」の検索となります。その場合、私たちのシステムはその特定のフレーズに関連していると思われるページを探します。
二重引用符なしで検索すると、異なるスニペットが表示されます(例で挙げた、関連性の低いほうの検索結果のスニペットとして、まったく違うものが出ています)。
スニペットがどのように動的であるかについては、より詳しく説明しているドキュメントをご覧ください:
https://developers.google.com/search/docs/appearance/snippet
質問者: ご回答ありがとうございます。そのドキュメントはとても参考になります。
この例では、同じ「語順も含め完全一致」するフレーズがあるのは、ページ下部の関連記事セクションでした。このセクションを削除して2回言及されないようにするのがベストプラクティスでしょうか?
SearchLiaison: 削除するのも方法の1つですが、実際には心配する必要はないでしょう。
というのも、一般のユーザーで二重引用符を使って「語順も含め完全一致」で検索する人は、それほど多くはないだろうと思われるからです。検索クエリが違えばスニペットも変わります(つまりユーザーが同じ問題に遭う可能性は低い)。
引用符を使っている検索クエリでは、私たちは、引用符で囲まれた部分をスニペットに表示するために特別な努力をします。こちらのドキュメントで詳しく説明されています。
https://blog.google/products/search/how-were-improving-search-results-when-you-use-quotes/
Snippets are dynamic. So when you searched for that exact phrase, our systems are looking for pages that seem related to that exact phrase. While those are pages about two different products, the single product you searched with that exact phrase for is mentioned on both of them.… pic.twitter.com/YjWEx1Pbf4
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 29, 2024
The snippet will tend to be closely related to what someone searched. You could get rid of that, but not that many people are probably searching in the way you did and with exact quotes -- so in practice, it's probably not worth worrying about. Especially with quotes, our…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 30, 2024
異なる製品のページで、meta description
も固有のものを記述しているのに同じスニペットが検索結果に表示されていることを発見して、このウェブ担当者はSearchLiaisonに質問したのだ。
スニペットといえば、昔はmeta description
だった。しかし現在では、多くの場合はmeta description
以外のページ内のテキストコンテンツからスニペットが作られる(もちろん、今でもmeta description
を使う場合もある)。1箇所とは限らず複数の場所からの内容を組み合わせたスニペットになることも珍しくない。グーグルは、クエリに応じて適切だと判断したスニペットを動的に生成している。
質問者のケースでは、
両方のページに共通のテキストがあった(原因はページ下部の「関連記事」セクションだったようだが)
検索クエリを二重引用符(
"
)で囲んでおり、Google検索の「語順も含め完全一致」検索オプションを利用した形になっていた
という、ある種の特殊な状況があり、クエリに合致したテキストをグーグルが抽出してスニペットとしたのだと思われる。
スニペットの作られ方に関する質問は常に出てくる。次に挙げる仕組みは最低限知っておこう:
スニペットに表示する内容は、
meta description
が利用されることもあるが、それ以外のページ内コンテンツが利用されることのほうが多い。どのテキストをスニペットとして利用するかは、クエリに応じてグーグルが動的に選ぶ。つまり、同じページでもクエリが異なればスニペットも異なることがある。
スニペットのその他の仕組みと、meta description
のベストプラクティスはドキュメントで詳しく説明されている。先に挙げた2項目を知らなかったとしたら読んでおくことを強く推奨する。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
新しいポリシー違反のカテゴリがスパムレポートに追加される
寄生サイトも中古ドメインも通報できる (きらきら☆あんなたん on X) 国内情報
スパムレポートから報告できるスパムに、グーグルは次の3つのカテゴリを追加した。2024年3月に新たに定義されたスパムだ:
- 期限切れのドメインの不正使用
- サイトの評判の不正使用
- 大量生成されたコンテンツの不正使用
こうしたページに検索結果で遭遇したら通報しておこう。手動による対策が即座に実行されることはないが、検索システムの今後の改善に活かされる。
スパムレポートのフォームが更新され、サイトの評判の不正使用など、新しいスパムポリシーに対応したカテゴリーが追加されました。ドキュメントも更新されております。
— きらきら☆あんなたん (@piropiroanna) May 31, 2024
🔗 検索品質に関するユーザー レポートhttps://t.co/lPcJR8p4ot
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
実店舗サイトの上位表示に重要なのはリンクよりもサイテーション
サイテーションとはウェブでの言及 (住 太陽 on X) 国内情報
外部サイトからのリンクはグーグル検索のランキング要因である。だが、ローカルの店舗やECサイトでは、リンクよりも「サイテーション」が重要だと住太陽氏は言う。
「サイテーション」とは、ウェブサイトやビジネスについての他の場所での言及のことだ。リンクとは異なり、必ずしもHTMLの<a>
タグでハイパーリンクされている必要はない。シンプルに言えば、名前がテキストで書かれているだけでもいい。
確かにローカル検索ではサイテーションはランキング要因だ。
筆者が知る限りでは、グーグルが公式に「サイテーションがウェブ検索でランキング要因である」と認めたことはない。しかし、ウェブ検索でもサイテーションが評価に影響すると考えているSEO専門家は多い(筆者もそのうちの1人)。
なんにせよ、ローカルの店舗や(特に実店舗を持つ?)ECサイトでは、サイテーションも集めなければならないというのが住氏の主張だ。近々、記事にしてくれるという。公開されたらこのコラムで紹介する。楽しみに待とう。
被リンクとサイテーションはどっちも外部からの評価ですが、被リンクが効果的なのは正確性や信頼性が重要な情報提供型のコンテンツですね。
— 住 太陽 (@motoharusumi) May 29, 2024
一方、ローカルの店舗やECサイトだと、正確性や信頼性よりも人気や注目度が重要で、サイテーションとかメンションとかレビューとか、要するにクチコミが重要。
そんなのちょっと考えたら当然で、そこらのカフェとかの人気や注目度をリンクで測るっていうのは無理があります。
— 住 太陽 (@motoharusumi) May 29, 2024
むしろ人気度や注目度は、話題になってるかどうかとか、レビューの評点はどうか、みたいなことで測りますよね。ECサイトも同様です。リンクも大事だけどクチコミはもっと大事。
で、人々が話題にしていることをGoogleが認識するためには、お店のエンティティをGoogleが認識してることが前提です。
— 住 太陽 (@motoharusumi) May 29, 2024
一昔前なら「店名、住所、電話番号(NAP)を正確に」って言ってましたが、いまはそれより略称なんかも含めたエンティティとしてちゃんと認識されてるかどうかが大事です。
今日はセミナーでそんな話をしてきました。サイテーション、メンション、リファラー、みたいなリンクをともなわないクチコミについては、近いうちに記事にします。1週間くらいあれば書けると思います。
— 住 太陽 (@motoharusumi) May 29, 2024
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
2024年5月のオフィスアワー: サイトの評判の不正使用、低品質ページの扱い、サイトマップのlastmodなど
PEによる削除ツールの使い方解説付き (#Google検索オフィスアワー on YouTube) 国内情報
グーグル検索オフィスアワーの2024年5月版がYouTubeに公開された。今回あんな氏が回答した質問は次のとおりだ:
- 低品質と判定されそうなページの扱い(26:59)
- MFI 移行後のデスクトップページの評価(29:00)
- 周期的に検索順位の上下を繰り返すページ(31:58)
- サイトの評判の不正使用(34:13)
- サイトの評判の不正使用(36:25)
- スパムポリシー: 「期限切れドメイン」の定義(38:04)
- スパムポリシー: サイト評判の不正利用(40:51)
- クロールの統計情報「その他のエージェント タイプ」(41:45)
- Google 画像検索でインデックスさせない方法(42:55)
- WebP 画像への Search Console レポート(44:35)
- sitemap.xml の lastmod(46:23)
- バリエーションの構造化データ(47:44)
5月初めに適用された「サイトの評判の不正使用」スパムポリシーに関する質問が3つ出ているのは、それだけ関心が高い証拠だろうか。他の質問も今までには出ていない新しいものが多いように思う。
気になる質問の回答をすぐに確認できるように、上記タイプスタンプは再生開始のところにリンクしてある。
また、Q&Aの前には、公式ヘルプコミュニティにプロダクトエキスパートである伊藤氏と岡氏の2人がSearch Consoleの「削除ツール」について解説している。わかりやすく説明しており、このツールを利用したことがない人には特におすすめだ。
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