国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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上位表示されるECサイトのカテゴリページのコンテンツ量に関する分析

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グーグル検索SEO情報②

上位表示されるECサイトのカテゴリページのコンテンツ量に関する分析
1位のテキストコンテンツの平均は310語 (Digitaloft) 海外情報

ECサイトのSEOは「商品ページ」「カテゴリページ」であって、記事ページではない。そうしたページでは、記事ページほどのコンテンツ量を確保できないことが多い。どうすればいいのだろうか?

英国の上位表示ECサイトのカテゴリページ300件を対象に、コンテンツ量(単語数)をDigitaloft(ディジタロフト)が調査した。結果から、上位表示の鍵は、単語数の多さではなく、ユーザーの購買を助ける関連性の高いコンバージョン重視のコンテンツであると結論付けている。

重要なポイントをまとめると、次のような内容だ(英語の1語は、日本語で2文字~3文字程度をイメージするといい):

  • 検索順位1位のEコマースカテゴリページにおけるユニークなテキストコンテンツの平均は、わずか310語

    The higher the urgency, and the stronger the push of new acronyms, the more likely they're just making spam and scamming.
  • 上位表示されるページの大部分は簡潔である。66%が400語未満、44%が1語~200語の範囲

  • 上位表示には、単語数よりもコンテンツの関連性と有用性が重要である。意識すべきポイントは、「顧客が製品を選び、自社から購入するのを助けること」である。決して「無駄なテキストを追加すること」ではない。

  • ブログのような長い購入ガイドは、購買の意図を薄める可能性があるため、カテゴリページにはふさわしくない。その代わりに、商品一覧の上に簡潔な導入文を、その下に対象を絞ったFAQを配置するような手法が効果的。

  • カテゴリページのコンテンツが「修正なしで競合他社のサイトに掲載できるようなもの」であれば、それは汎用的すぎる。顧客がなぜ特に自社ブランドから購入すべきかを強調するコンテンツでなければならない。

  • 検索順位1位のページの10%はh1見出し以外のコンテンツがなかった。しかし、そうしたページのほとんどは大きな権威を持つ主要な「有名」ブランドのものであった。小規模なブランドはこれに頼ることはできず、競争するためには独自のコンテンツが必要である。

  • 検索結果の上位に非常に長いコンテンツが表示されることは稀である。分析対象のページのうち、600語を超えていたのはわずか13%1,000語を超えていたのは6%に過ぎなかった。

相関関係の調査ではあるが、「文字数が多ければ評価が上がる」因果関係にないことは、今となっては明らかだ。

ECサイトのコンバージョンを主軸に考えれば「購入者の役に立つコンテンツであるかどうか」が最重要だし、さらに検索トラフィックもふまえれば「ユーザーが検索した際にもっていたニーズに応えるコンテンツであるか」も意識しておくことが重要だ。

★★★★☆
  • ECサイトのすべてのWeb担当者 必見!

ChatGPTなど主要AIクローラーはJSをレンダリングできない → AIでの露出に悪影響の可能性
解決策としてSSRを推奨 (The Internet Marketing Driver) 海外情報

ChatGPTを含む主要なLLMのAIクローラーは、JavaScriptを使ってページをレンダリングできない。このコラムで以前に、Vercel(ヴァーセル)の調査を紹介したことがある。

グーグルはかなり前から、インデックスの際にJavaScriptやCSSを含めてレンダリングするようになっている。そのため、以前ほど「HTMLに文字を記載」することを意識していない人が多いのではないだろうか。

この状況に関して、米国の著名なSEOコンサルタントであるグレン・ゲイブ氏が実例とともに問題点を自身で指摘した。

要点を箇条書きでまとめる:

  • レンダリング不可のクローラーは多い ―― OpenAI(ChatGPT)、Anthropic (Claude)、Perplexity、Meta、ByteDanceの主要なAIクローラーは、一貫してJavaScriptのレンダリングに失敗する。

    対照的に、Google(Gemini)、Apple(AppleBot)、BingのAIクローラーはJavaScriptベースのコンテンツを正しく処理できる。

  • コンテンツがなかったことにされる ―― 完全にクライアントサイドでレンダリングされるウェブサイトのページは、レンダリングを実行しないAIプラットフォームのクローラーには空白に見える。つまり、それらのプラットフォームでは、そのページにコンテンツがないと認識され、インデックスもされないことを意味する。

  • AIチャットボットも問題を理解 ―― JavaScriptに依存するサイトのURLをプロンプトから参照させると、ChatGPT、Perplexity、Claudeはすべて、コンテンツを取得できないことを認めた。これらのAIが挙げた理由は「JavaScriptベースのレンダリングへの依存」「動的コンテンツ」「サーバーからの最小限の応答」といったものだった。

  • ランキングと引用の問題 ―― レンダリング失敗でコンテンツを認識されないと、具体的な悪影響につながる。たとえば次のようなものだ(ほかにもありそうだが):

    • サイトのファビコンが正しく表示されない
    • AIが生成した回答でページが公式な情報源や引用として使用されない
  • 確認ツールが存在しない ―― これらのAIプラットフォームが自サイトのページをどのようにクロールし、レンダリングしているかを診断するための「AIサーチコンソール」のようなものは、現時点では存在しない。このため、深刻な可視性の問題に対して手探り状態に置かれている。

こうした問題を確認して対処するための、「生成AIクローラー対策の推奨アクション」として、ゲイブ氏は次のような方法を挙げている:

  • JavaScriptをオフにしてページをテストし、どのコンテンツが見逃されるかを確認する。

  • 対処すべき場合は、サーバーサイドレンダリング(SSR)を採用し、すべてのAI検索プラットフォームがコンテンツにアクセスできるようにする。

今後、各AIクローラーの改良が進めばJavaScriptをレンダリングできるようになる可能性はある。しかし現段階では、重要なコンテンツをJavaScriptで表示しているサイトはAI(LLM)との相性が良くないことを認識しておくべきだろう。回避策は、ゲイブ氏が提案しているようにSSRだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

ハッキング被害で検索トラフィックが半減! どうすればいい?
グーグル社員からの3つのアドバイス (John Mueller on LinkedIn) 海外情報

ハッキング被害を受けたサイト管理者がリンクトインで次のように助けを求めた。

サイトをハッキングされ、21万以上もの偽の製品ページを挿入されました。不正に公開されたページはすべて削除して410を設定し、削除リクエストしています。手動対策の警告はSearch Consoleには出ていません。

1日2,000件以上あった訪問数が約1,100件にまで減少し、わずか2週間でほぼ半分に激減、この記事を書いている今も減少し続けています。回復の見通しも不透明な状況です。

みなさんの見解をお伺いできればと思います。

グーグルのジョン・ミューラー氏が反応した。

この種のハッキングから回復するには、落ち着くまでに少し時間がかかることがある(だからこそ、常にアップデートやセキュリティ面で気を抜かずに対応しておくべき)。

また、こうした状況(投稿にあるあなたのトラフィック推移を見ると特に)への影響を和らげる方法の1つに、「他のトラフィックチャネルを育てること」がある。たとえば、ユーザーが自発的に(再び)あなたのサイトに訪れるよう促す、といった取り組みだ。

ミューラー氏のアドバイスは次の3点に集約できる。

  • ハッキングからの回復には時間がかかる
  • CMSやプラグインなどのアップデートを怠らない
  • 検索以外の流入経路を確保する

また、サイトのハッキングに関しては、不正に作られたページを削除するだけでは不十分なことが多い。バックドアを仕掛けられていて、あとから何度でも改ざんされる可能性があるからだ。

  • なぜサイトに侵入されたのか
  • その経路・脆弱性は対処したのか
  • 不正に設置された裏口はないか

など、専門家に相談して対処するのが正しい。

★★★☆☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

悪質MEO業者によるトラブルが多発! だまされないための対策×3
「MEO」を名乗る時点で怪しい? (ローカルSEOの備忘録) 国内情報

悪質なMEO業者によるトラブルが多発しているという。ローカルSEO専門家の長谷川翔一氏が注意喚起している。

※筆者補足: 「MEO」はMap Engine Optimizationの略。主にグーグルマップの最適化を意味するが、日本だけで使われている独特な造語(グローバルでは「Local SEO」が一般的)

たとえば次のようなトラブル事例を長谷川氏は紹介している:

  • メインのオーナー権限が取られたまま連絡不能な状況
  • キャッシュバック案内と不透明な契約
  • 不審なMEOの営業手口
  • 複数サービス契約と未払いキャッシュバック、残された権限問題

長谷川氏が推奨する、悪質なMEO営業から身を守るための対策は次の3つだ:

  • メインのオーナー権限は決して外部に渡さない。
  • 電話でのMEO対策の営業には警戒する
  • インターネットで評判を調べてから判断する

筆者などは、「MEO」と聞いただけで怪しいと疑ってしまうのだが(偏見も入っていることを認める)、とにもかくにもローカルSEOに取り組むなら悪質MEO業者に捕まらないようにくれぐれも気をつけてほしい。

★★★★☆
  • ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

2025年8月のオフィスアワー: ハッシュタグをつけた検索機能、robots.txt でエンコード文字を使用、AI機能のためにマークアップするべきかなど
今までにはない質問もあり (#Google検索オフィスアワー on YouTube) 国内情報

2025年8月のGoogle検索オフィスアワーがYouTubeに公開された。今回、あんな氏が回答したのは次の質問だ:

  • ハッシュタグをつけた検索機能(4:07
  • サブドメインのファビコンが表示されない(5:30
  • ビッグワードにて掲載順位が下落した(7:02
  • ナレッジパネルの情報が更新されない(9:12
  • ページがインデックスされない(11:42
  • robots.txt でエンコード文字を使用(14:09
  • Googlebot のダウンロードサイズが減少(16:47
  • AI 機能のためにマークアップするべきか(19:08
  • デスクトップページもインデックスは必要か?(21:01

今までにでたことのない質問も多い。気になる質問の回答は自身でチェックしてほしい(明確な回答を提供してもらえないものがあるのが残念だが)。

次回のオフィスアワーの日にちはまだ決まっていないようだが、質問があればフォームから送っておこう。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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