NTTとNTTドコモは販促施策に活用するAI(人工知能)技術「大規模行動モデル(LAM:Large Action Model)」を確立し、1人ひとりのニーズに応じた「1to1マーケティング」を実現したと11月12日発表した。オンラインや店舗などの多様な顧客接点から得た「4W1H(誰が、いつ、どこで、何を、どうした)」形式に整理された時系列データをもとに、顧客の「どうしたい」を正確に予測する。
ドコモは顧客接点データを「4W1H」形式の統一的な時系列データに変換する「CX分析基盤」を開発。一方、NTTは数値データと時系列データから行動順序のパターンを学習・予測する「LAM」の研究開発を進めてきた。これらの技術を融合して、ドコモのCX分析基盤を活用して顧客データを時系列に統合し、NTTのLAMをもとにチューニング手法を工夫して計算コストを削減したドコモ独自のLAMを構築した。
LAMは生成AIで話題の「大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)」と類似の構造を持ち、行動の持つ意味を見分ける。大規模モデルやデータを扱うと計算コストが増加するが費用対効果の高いLAM構築ノウハウを蓄積した。テレマーケティングの業務改善では必要性の高い顧客に1to1マーケティングで優先的に提案したところ、サービス受注率が従来比で最大2倍に向上する効果を得た。医療やエネルギー分野への応用も検証している。
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