東京商工リサーチ(TSR)は、2026年度の「ベースアップ」に関するアンケート結果を発表した。本調査は、例年冬に見込み調査、夏に確定調査というスケジュールで実施しており、今回は見込み調査となる。
賃上げ実施率は引き続き高水準、ベースアップ見込みはやや低下?
まず、2026年度の賃上げ実施見込みを聞くと、「実施する」と回答した企業は83.6%にのぼり、2025年度の実績を1.6ポイント上回った。年度推移を見ると、コロナ禍の2020年度(57.5%)を底に回復し、2022年度以降は5年連続で80%台での推移が見込まれている。
賃上げ内容別の実施率を見ると、2018年度以降は「定期昇給」が最も多く、横ばいで安定的に推移している。「ベースアップ」はコロナ禍で17.4%まで急低下したものの、2024年度には51.4%と半数を超える水準まで回復。2025年度は48.8%、2026年度は46.8%とやや低下が見込まれるが、引き続き高水準を維持している。なお、「賞与(一時金)」は2023年度に「ベースアップ」を下回って以降、おおむね横ばいで推移。「新卒者の初任給の増額」は微減となる見込みだ。
企業規模別にベースアップ実施率の推移を見ると、特に2023年度以降、大企業と中小企業の差が拡大。2024年度には大企業が67.1%まで実施率を伸ばした一方で、中小企業の伸びは2.9ポイントにとどまった。2025年度以降も、両者の差は20ポイント近く開いている。
産業別で見ると、2026年度の賃上げ実施率見込みが最も高かった産業は「運輸業(56.7%)」で、3年連続でトップを維持。ついで「製造業」が50.6%、「金融・保険業」が50.0%と続いた。一方、最も低かったのは「不動産業」の34.8%で、10産業で唯一の30%台にとどまった。
最後に、賃上げ率の推移を見ると、2024年度以降は「3~5%台」の構成比が伸びていたが、2026年度見込みでは最多レンジが「5%台」から「3%台」へと重心を落とした。「6%以上」の構成比も7.3%にとどまり、2025年度の15.0%からおよそ半減の見込みとなっている。
調査概要
- 【調査方法】東京商工リサーチが年2回(冬:見込み調査/夏:確定調査)実施する「賃上げ」アンケート調査の集計・分析
- 【備考】「定期昇給」「ベースアップ」「賞与(一時金)」「新卒者の初任給の増額」「再雇用者の賃金の増額」を賃上げと定義。資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」とする。
