10年前のサイトはGoogle検索に表示されない!? ⇐ 100%間違い、信じちゃダメ【SEO記事12本まとめ】
「グーグル検索では、10年以上前の古いコンテンツは表示されない」そんな話を聞いたことはないだろうか。気がつくと広まっているこの話題、完全に間違った情報だ。信じてはいけない。
ほかにも、Discover(Google砲)、健康系コンテンツ、ローカルSEOといったトピックや、グーグルSEOのランキング要因や技術的な話題など、SEO関連のさまざまな情報を次のようにまとめてお届けする。
今週は良記事がそろっているので、ぜひ全体をチェックしてほしい。
- Google検索の正統進化系「Discover」の重要性と最適化
- 健康系コンテンツは、専門家でなきゃ信頼できるコンテンツではない
- JavaScript活用の大規模サイトはGooglebotにレンダリングを任せるべきではない
- ローカルSEOのエキスパートに聞いた、グーグルマイビジネス攻略法
- 文字数やキーワード密度はランキングに影響するのか? ⇒ しない
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今週のピックアップ
10年前のサイトはGoogle検索に表示されない!? ⇐ 100%間違い、信じちゃダメ
情報の正確性には発信者・一次情報・検証が大切 (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
こんなことを最近聞いたことはないだろうか(これは完全に誤った情報だ)。
10年前のサイトはGoogle検索に表示されない
この情報は、ある著名情報サイトで「10年前のサイトはGoogle検索に表示されない」という記事として公開されたもの。記事が公開されたのは2019年4月末なのだが、8月時点でも依然としてソーシャルメディアを中心に拡散されており、グーグルの金谷氏が困っている(というか憤慨している?)
"10 年前のサイトも Google 検索に表示されます。少し、事実として信じてる方がいらっしゃるようなので一応コメントしておきます。"
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) July 18, 2019
間違った情報が拡散されているようですのでコメントしておきます。
ぜひこちらのスレッドをご覧ください。https://t.co/DtC9K2qbpG https://t.co/gXsMhxRQi2
たしかに、クエリによっては新しい情報が上位表示されることは珍しくない。しかし、だからと言って、昔の記事がグーグルの検索結果から消去されるということはありえない。事実、10年以上前に公開された古い記事を探す方法を金谷氏は説明している。
期間を区切った Google での検索方法としては、検索ツールにある期間を指定するか、「before:2009-05-02」と加えていただくとその日付以前のページに限定して検索することができます。 pic.twitter.com/gSNKk99AnG
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) May 2, 2019
この不正確な情報を広げてしまった元記事で論拠としている情報は、2018年1月に投稿されたものだ。それらの記事で指摘している現象を確認してみたところ、どれもすでに解消されていた(おそらくグーグル側またはサイト側の一時的な問題だったのだろう、ただし日本語版の記事が公開された2019年4月時点でどうだったのかは確認できていない)。
ちなみに、この不正確な記事は翻訳記事で、原文タイトルは「Google検索に表示されない古いサイトを見つける方法」というものだったのだが、なぜか日本語版の記事では「10年前のサイトはGoogle検索に表示されない」という、明らかに誤解を招く表現に変えられていた。
いずれにせよ、本記事の執筆時点で、元記事のタイトルが修正され、古い情報も検索できる旨の追記がされたので、当該記事へのリンクは控える。まだ記事では「10年前のサイトはGoogleに表示されなくなった?」といった表現は残っているが、翻訳ライセンス上、内容を大きく変えるわけにはいかないなどの都合があるのだろう。
とにもかくにも、「10年前のサイトはGoogle検索に表示されない」というのはまったくもって誤りだ。もし騙されている人が身近にいたら正してあげよう。
最後に、情報の正確性を判断する際の金谷氏からのアドバイスを載せておく。
皆さんのご協力により、多くの方に正しい情報を広めることが出来ています。ありがとうございます!ただ、間違った情報の方が2桁くらい多くシェアなど増えてるのですが。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) July 18, 2019
おや?と思う情報を見かけたら、
★発言者を確認する
★一次情報を確認する
★検証する
などを心がけたいなと改めて思いました。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報
Google 検索の正統進化系「Discover」の最適化を元グーグル社員が伝授
Discoverで配信されやすいページを作るには (Media x Tech) 国内情報
ときに爆発的なアクセスを生み出すため、「グーグル砲」とも呼ばれるDiscover(ディスカバー、「おすすめ記事」)についてJADEの長山氏が解説記事を寄稿した。
「Discover はいいぞ」から始まるこの記事は、Discoverの概要説明に始まり次のような構成で解説が展開されている。
- Discover は Google 検索の正統進化系である
- Discover は読者に新たな世界をもたらす
- Discover は実際に流入の多くを占めるようになってきた
- Discover で配信されやすいページを作るには
Discoverからのトラフィックを増やすことを望んでいるなら読んでみよう。
もしあなたが「Discover? 検索じゃないんでしょ?」と考えているのならば、長山氏の次の言葉の意味をかみしめてほしい。
「クエリ」と「文脈」両方を参照し URL のリストを吐き出す機械から、「文脈」のみを参照して URL のリストを吐き出す機械への進化は、とても自然なものです。
Discoverはあなたの知っている「検索エンジン」ではないかもしれない。しかし、あなたが生活者に情報を届けたいと願っているのであれば、無視するともったいないもののはずだ(そしてDiscoverは原則として広告ではなくオーガニックなものだ)。
- Discoverがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
健康系コンテンツは、よく知ってても専門家でなきゃ信頼できるコンテンツではないと思うべし
健康系コンテンツでなくても本来はそうだけど (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
健康に関するトピックをWebコンテンツで扱う際の留意点について、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のようにコメントした。
その分野についてよく知っていたとしても、専門家でないのならばその時点ですでに根拠を信用できないようなものだ。専門家に協力してもらい、本当に専門的なコンテンツに仕上げたほうがいいかもしれない。そうすればその記事を読んでいる人には、情報が正しく、信用できることが明らかになる。
専門家が書いたり、専門家にレビューしてもらったりしているのであれば、人々は受け入れるだろうし、知り合いにも教えてあげるだろう。
いくら知識があるとはいえ、本当の専門家(たとえば、医師や研究者)でなければその人が作った健康関連のコンテンツは信頼性が不十分だということだ。とはいえ、これは驚くことではないように筆者は感じる。あなただったら、自分が(特に生命に関わるような)医療関連の情報を調べているときには、絶対的にその道に精通した専門家の見解を知りたいのではないだろうか――表面的な知識を少しかじっただけの人が検索エンジン向けに書いた情報ではなく。
健康系コンテンツの信頼性に対する基準は、今後さらに厳しくなることはあったとしても、ゆるくなることはないだろう。専門家でない、あるいは専門家の助力が得られないのであれば、健康系の情報を扱うサイトを安易に運営すべきではないように思える。
そして、健康系のコンテンツでなくても、同様の観点でプロフェッショナルな情報をみんなが届けるようにしていくと、もっと良いWebの世界になっていくのではないだろうかと、筆者は思う。
- 健康系コンテンツを扱うすべてのWeb担当者 必見!
JavaScript活用の大規模サイトはGooglebotにレンダリングを任せるべきではない、と元グーグル社員
クロールバジェットならぬレンダーバジェットとは? (株式会社JADE) 国内情報
JavaScriptを活用したサイトを運用しているSEO担当者に「クロールバジェット」ならぬ「レンダーバジェット」という概念で次のように警鐘をならす記事を、元グーグル社員で現JADEのCEOである長山氏が公開した。
Googlebotにレンダリングを任せるのではなく、最初から静的なHTMLを返すことがインデックスを考慮するとベストである。
グーグルはここ数年で、ユーザーがブラウザで見るときと同じように、JavaScriptやCSSを含めてページを表示して内容をインデックスできるようになっている。この表示再現の処理を「レンダリング」というのだが、レンダリングを実行するには、HTMLから内容を読み取るのに比べてかなり多くのコンピュータ処理が必要だ。グーグルがいくらクラウドの王者だとはいえ、検索のために使えるサーバー資源は無限ではなく、すべてのURLを分け隔てなくレンダリング処理できるわけではない。
そのためグーグルは、「どのページをレンダリングするか」の優先度を決めなければいけない。サイトごとに定められているであろうそうした制限を長山氏は「レンダーバジェット」と名付けているのだ。
「レンダーバジェット」は、クロールに関する「クロールバジェット」になぞらえた用語なのだが、
- 「クロールバジェット」はサイト側のリソース問題が中心
- 「レンダーバジェット」はグーグル側のリソース問題が中心
という違いがあり、「レンダーバジェット」に関してサイト運営者が何か改善するのは難しいという特徴がある。
特に大規模サイトでページの主なコンテンツの表示にJavaScriptが必須になっていると、レンダーバジェットを十分に確保できず、結果としてコンテンツが思うようにインデックスされなくなってしまう可能性が高い。
そう考えると、レンダーバジェットを気にかける必要がない静的HTMLのほうがはるかにインデックス効率がいい(サーバー側でレンダリングを完了してGooglebotに見せるほうがいい)のだという説明だ。
技術的な詳しい背景は元記事を参照してほしい。元グーグル社員ならではの深い解説記事だ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- 技術がわかる人に伝えましょう
ローカルSEOのエキスパートに聞いた、グーグルマイビジネス攻略法
正攻法のローカルSEOに取り組むべし (アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ) 国内情報
ローカルSEOに精通しているグレッグ・ギフォード氏のインタビュー記事を、SEO Japanブログが日本語で提供してくれている。ギフォード氏は、米国でも屈指のローカルSEOエキスパートだ(筆者は個人的に親交があり、彼がローカルSEOに実に詳しいことを保証する)。
グーグルマイビジネスの注目すべき新しい機能やテクニックをギフォード氏は語っている。レビュー管理やカテゴリ選択、Q&A機能の利用など、実践的な情報を手にできる。
物理的な拠点をかまえてビジネスを営んでいる人ならば、きっと参考になるはずだ。“MEO対策”を謳う怪しげな業者に頼ることなく、こうした正攻法のローカルSEOに取り組んでほしい。
- ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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