訪問者満足度分布・購入者満足度分布
訪問者満足度分布・購入者満足度分布
訪問者満足・購入者満足は、本書に登場するさまざまなKPIの背景にある、重要な要素である。これを知ることにより、相対的な満足度を観察できる。
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定義
訪問者や購入者の満足度は明示的に収集しなければならないため、アクセス解析ツールで計測することはまれである。Foresee Results社、OpinionLab社、Usability Sciences Corporation社など、いくつかの技術ベンダーは、閲覧ページ単位や訪問単位で、満足度を把握する方法を提供している。こうした企業の協力を得られれば、「満足度・高」と「満足度・低」の閾値(ボーダーライン)を設定するだけでよい。
{満足度の高い訪問者の数}÷{計測された訪問者総数(*注)}={高満足訪問者率}
{満足度の低い訪問者の数}÷{計測された訪問者総数}={低満足訪問者率}
ECサイトでは、同じことを「購入者」に関しても計測したほうがいい。
{満足度の高い購入者の数}÷{計測された購入者総数}={高満足購入者率}
{満足度の低い購入者の数}÷{計測された購入者総数}={低満足購入者率}
注)ここで、すべての訪問者について満足度を計測することは難しいため、「計測された訪問者総数」は、「訪問者総数」とならないことに注意。
理想的には、このデータを自動的に収集して、普段使っているアクセス解析ツールに統合し、本書に述べるさまざまな他のKPIに使うことができるのが最良である。
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表現形式
満足度の「高」と「低」を分ける基準値については、説明をつけておいたほうが良い。
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想定される結果
ほとんどのWebサイトで、訪問者や購入者には高い満足度を得てほしいものだろう。しかし、そのような理想的状況はまれである。満足度を左右する要素は、サイトのユーザビリティ、訪問者の意思、(ECサイトの場合は)価格設定、競合の状況など多岐にわたり、ある訪問の際の満足度と、次の訪問の際の満足度が真逆になることもありうる。とはいえ、満足度を計測することはきわめて重要であり、収入、訪問頻度、訪問間隔、閲覧時間、クリック深度など、さまざまな計測値に影響を与えるので、値が急変しているときは、慎重な観察が必要である。
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行動
満足度の高い訪問者・購入者の割合が低下したら、いかなる場合も、原因追求と同時に「歯止めをかける」ための行動に移るべきである。幸いにも、満足度が測れるアクセス解析ツールの多くは、同時に問題発見機能も持ち合わせている。満足度の効果を座して待つことなく、その割合が持ち直すことを祈ろう。
注)このKPIは「緊急停止ボタン」になりえる。危急の事態が起こっているとき、問題がはっきりするまで、全員が急ブレーキをかけられるように。
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この記事の筆者
この記事は、Web Analytics Demystifiedの創設者でありシニアパートナーであるエリック・T・ピーターソン氏による書籍『The Big Book of Key Performance Indicators』の日本語版です。原著作者の許諾を受けて株式会社デジタルフォレストが翻訳し、同社の開催する「Web解析マネジメント実践講座」において参考書としているコンテンツを、Web担当者Forum向けに特別に公開しているものです。
※この日本語訳版に関するお問い合わせは、デジタルフォレストまでお寄せください。
エリック・T・ピーターソン 著
株式会社デジタルフォレスト 手嶋進、入谷聡、清水昌浩 訳
Original Author: Eric T. Peterson, Senior Partner and Founder, Web Analytics Demystified