Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

SEOに関するグーグルの“公式回答”にSEOmozが+αしてみたよ(中編)

この記事は、前・中・後の3回に分けてお届けしている。前編に引き続き、グーグルのライブチャットに関するランドの意見に耳を傾けてみよう。

今回は、地域ターゲティングの問題、CSSによるナビゲーション用アイテムの非表示に関する問題、通常の検索と特殊検索で検索順位が大きく異なるという問題を取り上げる。

Tim Dineen − 5:22 pm
質問:ccTLD(国別コードトップレベルドメイン名)が利用できない場合、正しく地域ターゲティングを行うにはどうすればいいのでしょうか? (3~4か月前ですが)Webmaster Toolsで地域のターゲットを設定しても何も起こりませんでした。

マット・カッツ氏 − 5:26 pm
答え:Tim Dineenさん、その機能は、フロントエンドでの提供開始から少し遅れて、バックエンドでも対応を開始したはずです。それに最近は、ウェブマスター用コンソールで地域のターゲットを指定すれば、すぐに反映されるはずです。

ランドからひとこと:ある国を対象に正しく地域ターゲティングを行うには、グーグルの Webmaster Toolsで設定するだけでなく、それ以外にも役立つ要素がたくさんある。

まず思いつくのは、適切なccTLDを持つドメイン名を使用することだ。この人は、適切なドメイン名が利用できないと言っているが、僕なら諦める前に別の代替案をいくつか考えるね。

それから、サイトのホスティングは、(TLDが何であれ)絶対に自分が対象にしようとしている国のIPアドレスで行うこと。もちろん、言語はその国の言語を使用して、その国にある他ドメイン名からのリンクを獲得し、「Googleマップ(Googleローカル)」にその国における事業拠点の所在地を登録しておこう。その事業所所在地を自分のサイトに記載したり、現地のローカルディレクトリサイトに登録したりするのも役に立つ。

グーグルは、Webmaster Toolsでこの問題がうまく解決できると言っているが、僕らもWebmaster Toolsで地域のターゲット化を行おうとして、同種の問題にぶつかってきた。実際は、Webmaster Toolsで特定の国のオーディエンスをターゲットにしたいという「こちらの言葉を取り上げる」以前の段階でも、グーグルが考慮する要素は無数にあるんだ。


Jonathan Faustman − 5:21 pm
質問:CSSを利用してナビゲーション用のアイテムを非表示にする(ただし、別のページ/ディレクトリでは表示させる)と、グーグルがサイトをインデックス化する際に悪い影響を与えるのでしょうか?

マリヤ・ミーバ氏 − 5:26 pm
答え:サイトを構築していて、ナビゲーション用アイテムを非表示にすることを考えているのなら、「これは、私のユーザーにとって本当に良いことだろうか?」ということと、「もし検索エンジンがなかったら、私はこんなことをするだろうか?」ということを常に考えるようにしてください。それが一番です。

ランドからひとこと:もし検索エンジンがなかったら、私はこんなことをするだろうか?」という言葉について、声を大にして言いたいことがある。実際、こんなセリフは検索エンジンの辞書からなくすべきだよ。検索エンジンがなければ、Webmaster Toolsには登録しない。複製コンテンツにnoindexを指定することもしない。メタタグを(そして、多くの場合タイトルタグさえも)使用しない。有料リンクにnofollow属性は付けないし、サイトマップも作らない。Flashで構成したページのHTMLバージョンなんかも作らない。CSSの問題もAjaxのことも心配しないよ。検索エンジンがなかったらこんなことをするだろうか、なんてことを尋ねるのは、現代においてSEOやウェブサイトのアクセシビリティを考える上で何の役にも立たないのさ。

ということを踏まえてだね、Jonathan、ページ上のコンテンツの量に比べてナビゲーション用アイテムの数が非常に少なく、さらに、そうしたアイテムを利用できる簡単かつ直観的な方法をユーザーに提供できるのであれば、ナビゲーション用アイテムを非表示にしても“おそらく”問題ないんじゃないかと思う。というのも、SEOmozでは以前、あるページで大量のコンテンツにCSSを使って「display:none」に指定しておいたたら、ペナルティを受けたことがあるんだ。完全に正当で、ユーザーフレンドリーなやり方だったのにさ。検索エンジンがどんな誤解をするかわからないのだから、コンテンツをユーザーの目から隠す場合は慎重にやらないとね。

SEO戦略的に成功したいのであれば、ユーザーも検索エンジンも、どちらも大事だからね。実際にそのページを見てみなくちゃ正確に判定することはできないけれど、一般的なアドバイスとしては、CSSでナビゲーションを非表示にする場合は、慎重にも慎重を重ね、ごく控え目にやることだよ。


Peter Faber − 5:11 pm
質問:教えてください。「inanchor:」「intitle:」「intext:」などの特殊検索では1位を取っているのに、キーワードそのものでは検索結果の2ページ目にしか入らない場合、そのキーワードで検索順位を上げるには、どうすればいいでしょうか?

マット・ドハティ氏 − 5:29 pm
答え:マリヤがさっきJonathanに答えたことの繰り返しになるけど、コンテンツをユーザーにとって有用なものにすることが最良のアプローチだと言っておきたい。

ランドからひとこと:ドハティ氏の回答にはがっかりだな。これじゃ、ほとんど質問の答えになってないよ。Peter、僕らも検索順位がそういう風になるのをよく目にするし、非常に多くの場合、それは通常の検索と特殊検索におけるグーグルの順位決定方法の違いが関係してるに違いないんだ。

こうした検索結果をたくさん見てきた経験に直感を交えて考えてみると、特殊検索の場合には、信用度を表す要因やドメイン名のオーソリティを算出するアルゴリズムの中のいくつかの要素が、それほど強く作用していないんじゃないだろうかと思える。一般に、このような結果を見かけたら、目標の検索順位を達成するまであと一歩のところに来ているけれど、質の高いドメイン名からもう少し「信頼度の高い」リンクを獲得する必要がある、ということを示している。

それから、サイトがインデックスされてからさほど時間が経っておらず「サンドボックス」効果が働いている場合にも、検索順位がこのような結果になることがある。だとすると、君のドメイン名はそのうち低い順位から一気に検索上位へと「急浮上」することになるだろう(SEO業者はこれを「サンドボックスからの脱出」と呼んでいる)。

つまり、嬉しいお知らせとしては、君は正しいことを数多くやってきたということなんだが、通常の検索結果で同じような高い順位を獲得するには、(質の高いリンクから得られる)価値の高いリンクジュースか、(「脱出」するまでの)時間がもう少し必要だという残念なお知らせもしとかなきゃいけない。

この記事は前・中・後の3回に分けてお届けしている。後編となる次回も引き続き、ライブチャットで寄せられた質問とそれに対するグーグルの回答について、ランドの意見をお届けする。→後編を読む

用語集
CSS / Google Webmaster Central / HTML / SEO / SEOスパム / TLD / ccTLD / nofollow / アクセシビリティ / インデックス / ディレクトリ / トップレベルドメイン / ドメイン名 / ナビゲーション / リンク / リンクジュース / 地域ターゲティング / 検索エンジン
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

DX
Digital Transformationの略。企業におけるデジタル化・電子化 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]