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SEOに関するグーグルの“公式回答”にSEOmozが+αしてみたよ(前編)

グーグルは6月19日、ライブチャット・セッションを開催し、セッションにはスパム/検索品質/Webmaster Centralの各チームから優秀なエンジニアが多数参加した。バリー・シュワルツ氏が、チャットのログをSearch Engine Roundtableに掲載していたので、みんなに教えてあげられるおもしろい情報が何かないかと思って、目を通してみたんだ。

残念ながら、グーグル側の回答に割かれたスペースはほんの2、3行分しかなくて(これは、使っていたクライアントがWebEXだったせいなんだけど)、あまり詳しく解説できていなかった。

そこで、グーグルの回答と併せて、僕だったらこう答えるという回答を示せば、もっと役に立つんじゃないかと思ったんだ。こうすれば、みんなが両者の回答を比較してみることができるんじゃないかな。

◇◇◇

Andrea Moro − 5:08 pm
質問:スパムレポートに対するフィードバックはどうなっていますか? つまり、私がスパムサイトを見つけて報告すると、ご報告を承りましたというメッセージがすぐに返ってくるのだけれど、いつ調査するのかは知らされないし、報告したサイトに、あるいは自分の報告に問題がなかったのだどうかも知らせてもらえません。

マット・カッツ氏 − 5:15 pm
答え:Andreaさん、いただいたスパムレポートには、だいたいすぐに目を通すようにしています。けれども、もっとフィードバックをしてほしいというご意見ももっともだと思います。

ランドからひとこと:グーグルが受け取ったスパムレポートを基に行動を起こすまでには、1日から2年の幅がある。一般的に、その違反が相当ひどい(あるいは、メディアで公になっている)場合を除いて、グーグルはスパム問題について、アルゴリズムを利用したスケーラブルな解決策を見つけようとするんだ。したがって、グーグルは報告を受け取ると、同様の違反について多数の報告があれば一緒にまとめ、技術的な観点から、報告のあった1つのサイトやページだけでなく、同じ戦術を使っているところすべてに適用できる解決策を見出そうとする。

僕らも、クライアントを通じて何度となくグーグルにスパム報告を送ってきたけど、すぐに直接的な措置が取られたことはほとんどない。中には、1年以上前に送ったクローキングやキーワードの詰め込み、リンクの不正操作に関するスパムレポートが、今なお何も対処されていないケースもある。

僕にできる最良のアドバイスとしては、競合相手を、今すぐにインデックスから追い出されたり、検索結果でペナルティを与えられたりするような目に遭わせたいんだったら、相手の違法行為をメジャーなSEO関連のフォーラムに書き込むとか、Sphinnにスレッドを投稿する、あるいはYOUmozにブログ記事を投稿するとかするといいだろう。スパムが公になれば、グーグルは通常よりずっと迅速に、直接的な措置を取る傾向がある。

ところで、これと非常によく似た質問に、スーザン・モスクワ氏がずっと上手く答えているので、その回答を以下に掲載しておく。

答え:私たちは通常、それら(スパムレポート)をアルゴリズム改良のために使います。したがって、変化がすぐに起こるのではなく、ある程度の時間を必要とする場合もあります。けれども、私たちがこうした報告をきちんと考慮しているのは間違いありません。 (Webmaste Centralの公式ブログより)


seth holladay − 5:14 pm
質問:複製コンテンツはどのように見分けてペナルティを与えるのですか? コンテンツ提供契約をしている場合、例外として扱われますか?

マリヤ・ミーバ氏 − 5:15 pm
答え:ちょうど今、Google Webmaster Centralの公式に複製コンテンツの記事を投稿してきたところなんです。それを読んでもらえば、役に立つ情報がたくさん得られると思いますよ。

ランドからひとこと:残念ながら、コンテンツ提供契約をしていても例外扱いにはならないんだよね。でも、だからと言って複製コンテンツが常にペナルティを受けると言いたいわけでもない。ミーバ氏が言っているのはこの「盗用によるコンテンツ複製問題」という記事のことだと思うんだけど、なかなかしっかりと問題を論じているよ。記事によると、たいていの場合、コンテンツをコピーしたからと言って本当の意味で「処罰される」ことはなく、ただ、そういうページにはフィルタがかかって、検索結果から除外されるだけの話、ということだ。

でも、どんなコンテンツ提供契約であれ、予想される結果は慎重に処理しなければならない。コンテンツをどこかにライセンス提供しているのであれば、検索トラフィックの大半はやはり自分のサイトに取り込みたいのかどうか、立場を決めておく必要がある。もしそう望むのであれば、オリジナルコンテンツに対するバックリンクを張るべしというルールを、ライセンス契約に記載しておくこと。さらに、メタタグ(meta要素)で「noindex, follow」を指定してくれるように要請しておくともっといい。こうしておけば、検索エンジンがオリジナルとコピーの区別をつけやすくなる。

その反対に、コンテンツを提供してもらっている側であれば、同じコンテンツのライセンス提供を受けて掲載しているサイトが他にいくつあるか、オリジナルのサイトにバックリンクを張る必要があるかどうか、さらに検索エンジンのインデックス化にどんなルールがあるか、しっかり把握しておくのが賢明だ。多くの場合、新しいサイトやコンテンツの少ないサイトは、検索トラフィックの少なさを思い知ると、ろくに結果も考えず、焦ってより多くのコンテンツを獲得しようとする。この問題に関しては、上に挙げた「盗用によるコンテンツ複製問題」に加えて、以下の3つの記事を読むことを強くお薦めする。


brian vastola − 5:08 pm
質問:コンテンツ以外で、サイトが高い検索順位を獲得するのに必要なことを、上から3つ挙げてください。(手短に)

スーザン・モスクワ氏 − 5:22 pm
答え: http://www.google.com/support/webmasters/bin/answer.py?answer=40349

ランドからひとこと:モスクワ氏がリンクを張っているページは、検索エンジンにやさしいサイトの構築について説明しているんだけど、検索結果を決定するアルゴリズムにおける重要な指標は何かっていう質問に対して、どれほど答えてくれるというんだろうか? この問題について、非常に優れたSEO専門家たちの意見を知りたいのであれば、「検索エンジンが順位を決める53の要因(39人のSEOプロが評価した重要度とコメント付き)」をチェックしてみるといいだろう(または「SEOで効く! 検索エンジンが順位を決定する57個の要因 日米SEOプロ60人のグーグル&ヤフー対応版」)。

ただ、この質問への答えは、「確かなことはわからない」というのが正直なところだ。グーグルはそういった情報を、端的で正確な形では、気前よく教えてくれないんだ。だって、その情報こそ彼らの専売特許の一部なんだからね。でも、僕の個人的な意見がお望みなら、「検索順位の90%を決定付ける4つの要素(個人的見解だけどね)」という記事を読んでもらいたい。

この記事は、かなりの分量があるため、前・中・後の3回に分けてお送りする。次回も、ライブチャットで寄せられた質問と、それに対するグーグルの回答、それについてのランドのコメントをお届けする。→中編を読む

用語集
Google / Google Webmaster Central / SEO / SEOスパム / meta要素 / インデックス / クローキング / セッション / フィード / リンク / 検索エンジン / 複製コンテンツ
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