検索の分野で僕が気に入っている(たくさんいすぎて、1人を選ぶのは難しいな)カナダ人の1人Andrew Goodman氏が、気になる記事を紹介していた。問題の記事はiMedia ConnectionのJamie Roche氏が書いたもので、「A ReDesign Worthy of Google De-listing(Googleから消えてしまうデザインの手直し)」というものだ。僕の記憶が正しければ、Roche氏はインタラクティブマーケティング分野の第一人者Jon Mendez氏と一緒に仕事をしている人物だが、なかなか貴重なアドバイスをしている。残念なことに、遠い昔の検索エンジン最適化(SEO)神話時代に、取るに足らない話として片づけられた意見だ。
Roche氏によると、SEO界には「無数のサードパーティー」が支持する「常識」があるという。この無数のサードパーティーっていうのは、僕らのことなんだろうな。Roche氏の主張は次のようなものだ。
ページにおけるキーワードやフレーズの出現度合いと配置は、検索結果のランキング上昇に寄与し得る。
自分のサイトにリンクを張っているサイトの数と質が、最も重要なファクタとなり得る。特に、そのリンクに自分のキーワードやフレーズが入っている場合はなおさらだ。
SEO専門会社には、特別な魔法のようなノウハウがある。たとえば、サイトやページをインデックスに登録するとか、ページ内にメタタグやイメージタグなど見た目にわからない要素を埋め込んで、検索スパイダーに自分のページと求めるキーワードやフレーズを結び付けさせる、といったことだ。
そして、おそらく最も一般に信じられているのは、ページの表示順位が高ければ、余計なことをするなという点だ。
え、なに? こんな、誰でもわかる大嘘を吹聴している神秘主義者は誰だって?
確かに、1つ目と2つ目については一般的に有効だし、まさにそのとおりであって、SEO屋なら誰でも料金に見合う仕事をする上で、実現しなくちゃならない話だ。しかしRocheさん、3つ目の話については、もうちょっと説明が必要なんじゃないかな。
僕らの知ってる「特別な魔法」は、あなたたちコンバージョン率の専門家が会得している「特別な魔法」とよく似ているんですよ。いくつか例を示しましょう。
検索結果におけるブランド化は、クリックスルー率(CTR)で成果をもたらし得る。
サイトのアーキテクチャによっては、検索結果ランクや検索データベース登録で問題が起きる可能性がある。
慎重にやらないと、検索エンジンはせっかくカッコよく決めたコピーも台無しにする。
検索エンジンは、リンクの解釈について非常に目が利く。
僕らはブログのトラフィックを増やせる。
結局のところ、月齢と潮の満ち引きがSEOに関係している。
ひどく困難な質問や問題に出くわしたら、僕より頭のキレる人がその答えを出してくれる。
言うまでもなく、隠しタグとインデックス登録の秘術は、もはや遠い過去のものだ。コンバージョン問題のコンサルティング業務が、いかにして市場でたくさんのニワトリを売るかって話ばかりだった時代のことを覚えているかい? それと同じこと。
ところで、僕がいちばん取り組んでみたいご神託は、「ページの表示順位が高ければ、余計なことをするな」これだね。たしかに周囲を見回してみると、Roche氏の言うとおりかもという不安が首をもたげてくる。どうやら、SEO屋さんとそのクライアント(あるいは僕のクライアントかも)の中に、いったんページがランクインしたら、いじくるのなんて畏れ多いことだと信じている人たちがいるようだ。しかし、これは完全な間違いなんだ。
現代の検索エンジンでは、ほんのちょっとの要素が中心になってランクが決まる。ランキング決定3大は次の要素だ。
- ドメインの強さ(リンク、信用度、期間、そしてもしかすると何らかの用法因子で評価する)
- 該当ページに張られている内部リンクおよび外部リンク
- タイトルタグ内のキーワード
この3点に全力で取り組んでいるなら、80%から90%の水準で、可能な限りの最適化が達成できている。
このように、コンバージョン率の専門家が加えるだろう変更はすべて(それはおよそ例外なくページ内容、つまりコンテンツの配置、見出しの文言、グラフィックの見た目、埋め込みコンテンツやアニメーションやJavaScriptの動きっぷりなんだが)、十分な満足が得られるまで徹底的にテストされる。僕らは何十回となくこれを繰り返し、一般的にはコンバージョン率が上がり、利用者にとってより良いページが出来上がれば、ランクが上がる。
ただし、1つだけ注意しなければならないことがある。コンバージョン率の専門家は、思い切った提案をする場合があるが、その内容がコンテンツのインデックス化を阻害する場合(Flashの中にコンテンツを入れるとか)や、タイトルタグを変えようなんて話だった場合、逆効果になり得る。結果として、トラフィックをもたらすキーワードにターゲット化していないことになる。こうした過ちさえ除けば、JamieやJonのような有能なコンバージョンてこ入れ屋さんたちのことも、高く評価するんだけど。
ちょっとここで、おもしろいイラストを使って、われらが親愛なる怪物Googleくんが、状況をどのように捉えているかを見てみよう。
検索トラフィックを最大限に取り込もうとするなら、折角得たランクを失うんじゃないかと心配して「最適化された」ページに一切手を加えないよりも、できるだけページの改良に努めるべきだ(書き添えておくと、これがSEOで最も見落とされがちな戦略だ)。
Jamieの会社みたいなところに依頼するのも良いだろう。だが、まずは自分で取り組み、コンバージョンに繋がる要素の配置、画像、ボタン、新しいテキスト、ヘッドラインなど、あれこれ試してみるといい。
もちろん、むやみやたらとページを変更してみれば、と言ってるわけじゃない。だが一般論として、テキストのコンテンツ、画像、埋め込みアイテム、ヘッドラインすべてに手を加えても、ランキングに何か問題が起きたことなんてない。タイトルタグのターゲット化、リンク構造、いくつかのキーワードの存在、そして全体的なアクセシビリティを保っていれば、痛い目には遭わない。あとは、果報は寝て待て、だ。
追記:これは決してJamieを非難したものじゃないよ。話題を提供してくれたことに、本当に感謝してるんだ。
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