初代編集長ブログ―安田英久

ネットで成功するにはネットだけじゃ足りない

ネットを深く掘り下げていくと、ネット以外の部分の重要性も改めて見えてきます。いくつか例を挙げながら、ネット以外の部分を組み合わせることの大切さを紹介してみます。
Web担のなかの人
ネットで成功するにはネットだけじゃ足りない

Web担当者Forumは、ネットマーケティングやWebサイトのビジネス活用を解説する情報サイトです。企業にとってケータイを含めたネットの重要性はどんどん高まってきているのはご存じのとおりでしょう。しかし、そういったテーマを掘り下げれば掘り下げるほど、ネット以外の部分の重要性も改めて見えてきます。

たとえば、製品やサービスを知ってもらうための広告。

ネット広告は費用対効果が数字で見えることや地域に関係なくリーチできるメリットはあります。しかし、消費者がインターネットに触れている時間は1日あたり75.9分しかありません※1。つまり、インターネット広告でリーチできるのは、あくまでも生活のごく一部分でしかないのです。

※1 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査」より、2007年の数値。東京エリアに住む15〜69歳の男女個人の、週平均・1日あたりの分数、PCとモバイルを含む。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/09/09/3869

本当に効果的な広告をプランするならば、ターゲットの生活パターンからどんなポイントでメッセージを伝えられるかを考えるはずです※2。そうなると、ネット広告だけでなく、交通広告、駅看板、チラシ、ダイレクトメール、さらにはテレビなどの、オフライン広告も当然併せて検討すべきになります。

※2 ネット広告/マス広告とかの区別よりも、大切なのはコミュニケーションデザインでは?
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/10/31/4321

みなさんご存じのモバゲータウンは一時期交通広告やテレビCMを活用していましたが、あれは、広告クライアントの決裁者に対する認知を高めるためのアクションだったといわれています。ユーザーである若年層に利用してもらうためならばケータイを通じたアクションがいいのでしょうが、広告主に媒体として認知してもらうためにはオフラインの行動が必要だったわけですね。

ネットで何かをするからといって、ネットの世界だけで物事を考えていくわけにはいかないのです。

Web担当者Forumでは先日、「忘年会」として読者交流のためのオフ会を開催しました。平日の夜にお台場方面という交通アクセスの悪いところでしたが、80人以上の方が参加してくださいました。

このオフ会の開催目的は、

  • 読者さんどうしで悩みを話し合ったり情報交換したりしていただく
  • Web担のなかの人の顔が読者さんに見えるようにする

といったところです。やはり人と人のコミュニケーションは、直接顔を合わせておいしいものを食べながらが一番ですから。オフ会では、読者さんどうしで非常に活発にコミュニケーションされていたため、編集部から何かスピーチをしたり、プレゼント大会をしたりという時間が不要なほどでした。終了後も、通常のイベントに増して「参加してよかったです」という反響をいただきました。

ネットでの情報発信がメインのWeb担ですが、こういった形でオフラインでの活動を組み合わせることで、提供できる情報の幅を広げ、読者さんとのつながりを強められたと思っています。

Web担当者Forumの人間が言うのもおかしな話ですが、ネットは万能ではありません。ネットが有効な部分は当然うまく活用するべきですが、ターゲットとなる顧客のニーズを満たすためには、ネットに固執せずに物事を考えてみるのが大切なのではないでしょうか。

この記事は、インプレスビジネスメディアの発行するメールマガジンに掲載されたコラムをWeb担サイト上に再掲したものです。

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