
160万本のYouTube動画分析で見えてきたYouTube SEOの実践テクニック19個【SEO情報まとめ】
YouTube動画で検索上位を狙いたい人は、「尺は?」「エンゲージメント率は?」「説明文の長さは?」「外部リンクは?」など、気になることがたくさんあるだろう。
160万本以上のYouTube動画調査から見えてきた「上位の動画はどうやっているのか」をもとにした、YouTube SEOのテクニック19選に学ぼう。
ほかにも、「AI Overview」の有無と掲載による検索トラフィックの増減調査データや、ローカル検索の多様性アップデート、ReactやVue.jsとGoogleニュースの相性、生成AI、音声コンテンツなどなど、あなたのSEO力アップに役立つ情報を、今週もまとめてお届けする。
- 160万本のYouTube動画分析で見えてきたYouTube SEOの実践テクニック19個
- グーグル「AIによる概要」で検索トラフィックが増えるケースと減るケース
- グーグルのスパムポリシー強化で大手メディアのレビューサイトが大打撃!?
- Googleローカル検索で「多様性アップデート」が強まっている?
- 2025年2月のオフィスアワー: メタディスクリプションは一意?、身に覚えのないリダイレクト、特定ディレクトリ配下を一気に disallow解除など
- SEO業界の大御所がJSコンテンツに注意喚起「ニュースでは明確に禁止」
- “生成AIの登場で情報提供型コンテンツはオワタ”は正しくない!?
- 音声コンテンツを追加すると上位表示に役立つか?
- ニュースサイトの収益モデルは広告から有料購読へ、ペイウォールのベストプラクティスは?
- 教育企業がグーグルを提訴 ―― AI Overviewsがトラフィックと収益に悪影響
- NYTの事例から学ぶ、効率的で安全なAIツール利用法
- Bing AI検索を使ってみた、Google AI OverviewやChatGPT Searchとはどう違う?
今週のピックアップ
160万本のYouTube動画分析で見えてきたYouTube SEOの実践テクニック19個
YouTube内検索で上位表示するコツ (Adilo Blog) 海外情報
YouTubeのランキングシステムを解明するため、160万本以上のYouTube動画調査を、オンライン動画ホスティングプラットフォームAdilo(アディロ)が実施した。10のカテゴリそれぞれにおいて、競争の激しい非ローカルキーワードで上位3位にランクインしている300本の動画を分析した。
そして、この調査から得られたデータに基づき、YouTubeの検索可視性を向上させ、エンゲージメントを高め、再生回数を増やすための19の実践的なSEOテクニックを提案している。
YouTube SEO の実践的テクニック×19
ターゲットキーワードに対して複数の動画を作成する:
YouTubeではキーワードのカニバリゼーション(同じキーワードによる競合)は問題にならない。実際、19%のチャンネルが同じキーワードで複数の動画を上位3位以内にランクインさせている。複数の動画を作成することで、ターゲットキーワードでのランキングの可能性を高めることができる。チャンネルと動画のエンゲージメント率を高める:
上位3位以内にランクインしている動画は、平均2.65%のエンゲージメント率を持っている。また、これらの動画を持つチャンネルは、平均4.46%のエンゲージメント率を記録している。動画の視聴回数を増やす:
上位3位以内の動画の視聴回数は中央値で約30万回。視聴回数の増加は、エンゲージメント率や視聴時間の向上につながり、ランキングに直接影響を与える。長尺動画を避ける:
上位3位以内の動画の長さは中央値で536秒(約8分~9分)。10分未満の短尺動画が推奨される。動画説明欄の文字数は約200語を目安にする:
上位3位以内の動画の98%が説明欄を記載しており、平均の文字数は222語。YouTubeの動画説明欄は200~250語程度を目安にするとよい。※筆者注:英単語数であり文字数ではない動画説明欄に外部リンクを追加する:
上位3位以内の動画の78%が説明欄に外部リンクを掲載している。動画タイトルは検索意図を満たすものにする:
上位3位以内の動画のうち、検索キーワードと完全一致するタイトルを持つものはわずか6%で、75%の動画は関連キーワードを使用している。HD画質以上の動画のみを作成する:
上位3位以内の動画の68%がHD画質、22%が4K画質。高画質の動画は上位にランクインしやすい傾向にある。キーワードを含む書き起こし(トランスクリプト)を優先的に追加する:
上位3位以内の動画の94%が音声の書き起こしテキストを含んでいる。YouTubeのアルゴリズムは書き起こしテキストのキーワードを検索クエリと照合する。クローズドキャプションを追加する:
上位3位以内の動画の93.7%がクローズドキャプションを採用している。字幕を追加することで、アクセシビリティやエンゲージメントを向上させることができる。タイムスタンプを追加する:
上位3位以内の動画の63%がタイムスタンプを設定しており、視聴者の利便性を向上させている。サムネイルは必ずカスタム画像を使用する:
上位3位以内のYouTube動画の89.3%がカスタムサムネイルを使用している。カスタムサムネイルは視聴者に動画の内容を効果的に伝えることができる。動画ハッシュタグの使用は必須ではない:
上位3位以内の動画のうち、ハッシュタグを使用しているものは36.7%にとどまる。ハッシュタグは動画の発見性を向上させる可能性があるが、必ずしも必要ではない。忍耐が重要:
上位3位以内の動画が公開されてからの時間は中央値で29か月。また、91%の動画が公開から少なくとも6か月経過している。チャンネルを認証済みにする:
上位3位以内の動画の54%は、認証済みのチャンネルから投稿されている。チャンネルの認証は、YouTubeのランキングアルゴリズムにおいて小さな要因となる可能性がある。チャンネルをブランドとして確立する:
上位3位以内の動画の63%がブランドチャンネルから投稿されている。ブランドの認知度を高めることで、チャンネルの可視性を向上させることができる。チャンネル説明欄にリンクを追加する:
上位3位以内の動画の82%は、チャンネルの説明欄にウェブサイトやSNSのリンクを記載している。チャンネル登録者数を増やす:
上位3位以内の動画を持つチャンネルの登録者数の中央値は約52万人。チャンネルの所在地を「アメリカ合衆国」に設定する:
上位3位以内の動画の59%がアメリカのチャンネルから投稿されている。また、アメリカのチャンネルおよび国を指定していないチャンネルが、上位3位のYouTube検索結果の74%を占めている。※筆者注: 筆者たちの場合は日本を設定することになるか?
残念ながら、数値部分は「調査データ」というよりも、大規模な「調べてみた」レベルではある。上位に来た動画とそうでない動画を比較しているわけでもなく、順位との相関係数を示しているわけでもない。そのため、「このデータをもとに動画を作れば上位になる」というものではない。
それでも、自分のやり方と違う部分があればそこから他の動画を調べ始めるきっかけにできるだろう。試す価値がある施策は多いように思う。
- YouTube SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
グーグル「AIによる概要」で検索トラフィックが増えるケースと減るケース
検査順位と検索意図によって異なる (Terakeet Engineering Blog) 海外情報
グーグル検索のAIによる概要(以下「AIO」)がウェブトラフィックに与える影響をTerakeet(テラキート)が調査し、結果を公表した。
調査は、AIOへの露出が異なる3つのウェブページ分類における総クリック数を比較した。3つの分類は次のとおりだ:
- AIOなしページ ―― AIOが出ない検索結果に表示されたページ
- AIOあり当該ページ ―― AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われたページ
- AIOありその他ページ ―― AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われなかったページ
なお、この調査は、単なる相関関係の分析ではなく、因果推論(Causal Inference)の手法を用いて、AIOの露出とウェブトラフィックの変化との間に因果関係があるかを検証している(詳細は後述)。
調査結果から、AIOがウェブトラフィックに与える影響は、検索結果の順位およびウェブページの意図によって異なることが判明した。概要は次のとおりだ:
全体としてに、AIOに掲載されることでウェブページのトラフィックは増加する
情報提供型ページでは、AIOが表示されている場合、上位ページのトラフィックを奪うが、下位ページのトラフィックを増加させる
取引型ページでは、AIOへの掲載はすべての検索順位においてトラフィックを増加させる
主な統計結果をピックアップする。
AIOなしページ vs. AIOあり当該ページ
「AIOなし」ページ(AIOが出ない検索結果に表示されたページ)と「AIOあり当該」ページ(AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われたページ)の比較は次のとおり:
- 情報提供型ページのクリック数比較
- 上位:「AIOなし」では、「AIOあり当該」の1.4倍(有意性:弱)
- 下位: 「AIOあり当該」では、「AIOなし」の2倍(有意性:強)
- 取引型ページのクリック数比較
- 上位:「AIOあり当該」では、「AIOなし」の1.4倍(有意性:なし)
- 下位: 「AIOあり当該」では、「AIOなし」の3.6倍(有意性:強)
AIOなしページ vs. AIOありその他ページ
「AIOなし」ページ(AIOが出ない検索結果に表示されたページ)と「AIOありその他」ページ(AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われなかったページ)の比較は次のとおり:
- 情報提供型ページのクリック数比較
- 上位: 「AIOなし」では、「AIOありその他」の2倍(有意性:強)
- 下位: 「AIOありその他」では、「AIOなし」の1.8倍(有意性:強)
- 取引型ページのクリック数比較
- 上位: 「AIOなし」では、「AIOありその他」の2.3倍(有意性:強)
- 下位: 「AIOありその他」では、「AIOなし」の3倍(有意性:強)
AIOあり当該ページ vs. AIOありその他ページ
「AIOあり当該」ページ(AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われたページ)と「AIOありその他」ページ(AIOが出た検索結果で、AIOとして扱われなかったページ)の比較は次のとおり:
- 情報提供型ページのクリック数比較
- 上位:「AIOあり当該」では、「AIOありその他」の1.5倍(有意性:弱)
- 下位:「AIOあり当該」では、「AIOありその他」の1.1倍(有意性:なし)
- 取引型ページのクリック数比較
- 上位: 「AIOあり当該」では、「AIOありその他」の3.2倍(有意性:強)
- 下位:「AIOあり当該」では、「AIOありその他」の1.2倍(有意性:なし)
全体の考察
調査結果からは次のような考察を得られるという:
AIOが出る場合、AIOに掲載されることでウェブページのトラフィックは増加し、逆に掲載されないと減少する
AIOがウェブトラフィックに与える影響は、検索結果の順位とウェブページの意図によって大きく異なる
AIOの存在は、ウェブトラフィックのパターンを大きく変化させる
情報型の検索では、AIOは上位ページのトラフィックを奪うが、下位ページのトラフィックを増加させる
取引型の検索では、AIOへの掲載は検索順位に関係なくトラフィックを増加させる
調査概要
本調査では、因果推論を用いて、AIOの露出がウェブトラフィックの変化を引き起こすかどうかを分析した。この手法では、観測データに影響を与え得る交絡因子を一定に保ち、AIOの影響を分離する。
- 従属変数 ―― 1日あたりの総クリック数
- 独立変数 ―― AIO露出の3カテゴリ(AIOなしページ、AIOあり当該ページ、AIOありその他ページ)
重要な交絡因子として検索結果の順位とウェブページの意図を特定し、それぞれ次のように分類した:
- ウェブページの意図
- 情報型ページ(Informational)
- 取引型ページ(Transactional)
- 検索順位の分類
- 上位(3位より上)
- 下位(3位以降)
(データはSERP APIおよびGoogle Search Consoleから取得、ウェブページの意図は独自の分類モデルを使用して判定)
因果推論を用いることで、交絡因子を考慮した正確な分析が可能となるという。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルのスパムポリシー強化で大手メディアのレビューサイトが大打撃!?
収益大幅減、ライター解雇、サイトの閉鎖まで (WSJ) 海外情報
「サイトの評判の不正使用のスパムポリシー」をグーグルが強化したことで、アフィリエイト売上に依存するデジタルメディアに大きな影響がでているようだ。サイト内にレビューサイトを運営する大手パブリッシャーがコンテンツ戦略の見直しを迫られている。さらに、収益の大幅な減少に直面し、人員削減を余儀なくされたサイトも少なくない。
たとえば、次のような状況だ:
- Forbes Advisor(フォーブス・アドバイザー)は、2025年1月のトラフィックが前年同期比で83%減少
- CNN Underscored(CNNアンダースコアード)とWSJのBuy Side(バイサイド)は、どちらも25%以上のトラフィック減少
- Time誌のTime Stamped(タイム・スタンプト)やAP通信のAP Buyline(APバイライン)は、商品レビュー事業を完全に終了
影響を受けた出版社の多くは、新ポリシーに適応するためにコンテンツ戦略を見直しているという。たとえば次のような形だ:
- Forbes Vetted(フォーブスベッティッド)は、フリーランサーとの契約を打ち切った結果、グーグル検索結果での可視性が回復
- WSJのBuy Sideは、外部企業との契約を終了し、フルタイムのライターを起用する方向へシフト
- CNN Underscoredは、Marketplaceとの提携を終了し、フリーランサーが執筆した記事を削除
一方で、フリーランサーたちは収入減という深刻な問題に直面しており、「記事から自分の署名を削除してほしい」と要求するケースも増えている。多くのフリーランサーからは「対応策がなく、不満を募らせている」との声が上がっている。
ところが、すべての商品レビューサイトが影響を受けたわけではない。たとえば、
- ニューヨーク・タイムズのWirecutter(ワイヤーカッター)
- Vox Media(ヴォックスメディア)のThe Strategist(ザ・ストラテジスト)
などは、もともとフルタイムのスタッフを中心に運営されており、トラフィックの変動はほぼなかった。また、一部の出版社は、グーグルのペナルティを回避するために、既存のコンテンツを削除し、新たにフルタイムのライターが作成したコンテンツの可視性を高める戦略を模索しているという。
グーグルの検索ポリシー変更は、デジタルメディア業界のビジネスモデルを根本的に変える可能性があり、出版社やライターは急速に変化する環境への適応を迫られている。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
Googleローカル検索で「多様性アップデート」が強まっている?
地図結果とウェブ結果の両方では同時に表示されなくなった (サイト) 海外情報
グーグルのローカル検索に重要なアルゴリズム変更が発生しているようだ。2024年8月頃から影響が出始め、徐々に強まっているという。ローカルSEOの専門家であるジョイ・ホーキンス氏は、この変更を「多様性アップデート」と名付けている。
多様性アップデート導入後は、地図結果にビジネスがすでに表示されている場合、同じビジネスがウェブ検索結果に表示されなくなった。以前は、地図結果とウェブ検索の両方に表示されることがあった。同一ビジネスが検索結果で二重に表示されるのを避けるための仕様だと推測される。
地図結果とウェブ検索の両方に掲載されていたビジネスは、このアップデートによる悪影響を特に受けやすい。たとえば、あるホームサービス企業では、1つの拠点だけで3か月間に242件のクリックを失ったそうだ。
一方で、ビジネスプロフィールを持たない都市のサービスエリアページでランキングしていた企業は、順位がアップしたケースもあるらしい(ウェブ検索でも上位表示していた競合が、地図結果だけの掲載になったため空きができたためと思われる)。
ウェブ検索でのランキング低下への対策をホーキンス氏は提案している。このアップデートによる順位低下は、ページ単位で適用される。そこで、Googleビジネスプロフィールで設定しているURLをトップページ以外に変更するのだ。関連性のある別ページへリンクを変更することで、オーガニック順位を回復できる可能性があるという。実際のテストでは、リンクを変更することで、失われた順位を取り戻すことができたそうだ。
地図結果とウェブ検索上位の両方に掲載されていたローカルビジネスのサイト運営者は、状況を確認してほしい。場合によっては、ホーキンス氏が提案する対処策も検討した方がいいかもしれない。
- ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
2025年2月のオフィスアワー: メタディスクリプションは一意?、身に覚えのないリダイレクト、特定ディレクトリ配下を一気に disallow解除など
管理サイトに関係なさそうな質問でも回答をチェック (グーグル検索オフィスアワー on YouTube) 国内情報
2025年2月のグーグル検索オフィスアワーが公開された。今回あんな氏が回答した質問は次のとおりだ:
最近はユニークな質問が増えてきたように思う。管理サイトに関係しそうな質問ばかりではなく、SEOの知識を増やすためにも、少しでも気になった質問の回答はチェックしておこう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- ホントにSEOを極めたい人だけ
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