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Instagram運用者必読! 戦略ありきで効果をあげる“サントリー担当者”推薦の6冊

初めてInstagram担当者になった人、制作会社とのコミュニケーションに悩んでいる人、うまく世界観が伝わらず悩んでいる人、投稿がマンネリ化している人など、さまざまな悩みに答える本を紹介!
よろしければこちらもご覧ください

今、最も影響力のあるSNSといえるInstagram。投稿だけでなくショップ機能など、ビジネス向けの機能も充実しており、企業公式アカウントも増えている。一方で、運用者の中にはInstagramを使ったブランドの世界観の伝え方や、ユーザーの共感を得るコミュニケーションノウハウなど、悩んでいる方も多いだろう。

今回は、サントリーの公式アカウントや一部のブランドアカウントの運用にたずさわる、サントリーコミュニケーションズの神藏ほのかさん(前任)、大坪早紀子さん(現任)に、Instagram運用にあたって役立つ書籍を紹介してもらった。

*取材を行ったのは2020年12月。撮影時のみマスクを外し、インタビュー時には距離を保ってマスクを装着し、コロナ対策に考慮して行っています。

撮影:永友ヒロミ

右から、サントリーコミュニケーションズ株式会社 デジタルマーケティング本部 神藏ほのかさん、同 大坪早紀子さん

Instagramの運用は初めて。手探りで運用方法を探る中、参考になった書籍を紹介

同社のデジタルマーケティング本部が組織されたのは2017年。部署内にSNSの開発・運用を行うグループができ、神藏さんは立ち上げ時に配属された。当時は、サントリー公式や自身が担当するブランドののInstagramだけでなく、Twitter、LINEも任されており、目標設定、コンテンツ企画、分析などに携わった。

SNSの運用は初めてでわからないことが多かったです。しかし、複数のSNSを同時に任されたことで、使い分けが明確になりました。Instagramは戦略が立てやすいSNSだと思いました(神藏さん)

サントリーのSNS立上げ時から関わってきた神藏ほのかさん。SNSの複数運用に携わった

そして2020年4月に、運用が神藏さんから大坪さんに引き継がれる。大坪さんも公式アカウントの運用は初めての経験だ。時は、新型コロナウイルスの感染拡大による、緊急事態宣言下であったため、引き継ぎはオンラインで行われたという。

最近よく聞く悩みの1つが、リモートワークの場合、引き継がれた後に疑問点などがあっても、前任者が物理的にそばにいないので相談しにくいということだ。この連載では、そうした悩みを抱える人にも参考になるような書籍を紹介していきたい。

コロナ拡大中にSNS運用を引き継いだ大坪早紀子さん。テレワークですぐそばに先輩がいない環境の中、書籍は大きな助けだという

1冊目 お手本はゆうこす! Instagramの戦略がわかる、読みやすさ抜群の1冊

神藏さんが1冊目に紹介するのは、大人気のインフルエンサー、ゆうこすの書籍だ。神藏さんがこの本を手にとったのは、担当になってからしばらく経ち、戦略的に運用しないとグロースできないと気づいた時だった。

  • 『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(ゆうこす:著、 幻冬舎:刊)

神藏さんが推薦するポイント

神藏さん

コンテンツ作りの前に、まずは戦略を!

この本には、Instagramの戦略を立てるための考え方の全てが詰め込まれています。KGI、KPIの設定、ターゲット設定、PDCAの回し方を学ぶのにとても役立ち、これを読めば一定の戦略は立てられると思います。
Instagramはコンテンツから入る人が多いですが、戦略がないと方向がぶれますし、広告のような投稿になりがちです。広告なら広告として配信したほうが効率的なので、SNSでは共感を得られるようなコミュニケーションでファンになってもらわないといけません。
この本は重要なポイントを赤字で大きく書いているので、そこだけ見てもエッセンスがつかめると思います。

2冊目 制作会社に的確な指示を出すために知っておきたい写真撮影の基礎知識

戦略を立て終わったあと、実際のコンテンツを制作していく時に必要になるのが写真の基礎知識だ。Instagramは、テキスト、ハッシュタグなども重要だが、やはりユーザーの印象に残りやすいのは写真になる。

同社では、写真撮影、編集などは、広告代理店を通してカメラマン、デザイナーに依頼しているが、具体的な指示を出すためには、彼らと対等に話すための知識が必要だと神藏さんは話す。その知識を身につけるのに役立った書籍がこちら。

  • 『#なんでもない日常に物語を CURBON 写真の教室』(CURBON:著、 インプレス:刊)

神藏さんが推薦するポイント

神藏さん

やりたいことを言語化できる最低限の知識が必要!

恥ずかしながら、始めた当初は納品された写真を見て「なんか違うんですよ」という曖昧なフィードバックをしていました。カメラマン、デザイナーと同じ方向を向いてディレクションするためには、やりたいことを言語化できる最低限の知識が必要です。
この本には写真についてわかりやすく書かれていて、構図や光などをどう使ったらどういう写真が撮れるのかを理解するのに役立ちました。おかげさまで撮影現場でも指示を出せるようになりました。

3冊目 SNS担当者はデジタルの最新事情を知っていなければならない

神藏さんの最後のおすすめは、SNSの本ではなく、中国のDXを紹介した次の本だ。

  • 『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(著者:藤井保文・尾原和啓、出版社:日経BP)

神藏さんが推薦するポイント

神藏さん

広い視野から戦略を考える!

SNS運用担当者は、日本のSNS事情に通じているだけでは不十分で、海外のデジタル業界など、さまざまな企業でどんな取り組みが行われているのか、最先端の情報を知っておく必要があると思います。この本は、世界でも特に進んでいる中国の事例が豊富にあって、わかりやすいので参考になりました。
特に印象に残ったことは、製品だけでなく、製品に関連する体験をどう作るか、ということ。SNSは製品を疑似体験する場でもあるので、体験を意識した投稿を考えるようになりました。
続編の『アフターデジタル2 UXと自由』もおすすめです。ただ、続編から読むよりも、まずは紹介した方を先に読んで理解を深めてみてください。

神藏さんが紹介してくださった3冊

4冊目、5冊目 ファンを作るInstagram運用のために読みたい2冊

続いて、2020年4月から担当になった大坪さんおすすめの書籍を紹介する。大坪さんは、サントリーウエルネスで、テレビや新聞・雑誌などのオフライン媒体を使った広告宣伝を担当した後、営業を経てデジタルマーケティング本部に。企業公式SNSの運用はもちろん、デジタルマーケティングも初めての経験だったが、考え方として参考になったのが、次の2冊だった。

  • 『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために』(佐藤尚之:著、筑摩書房:刊)
  • 『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー』(佐藤尚之・津田匡保:著、日経BP:刊)

『ファンベース』でその考え方を理解し、『ファンベースなひとたち』によって企業での実践例を学べたという。両方読むことで理解が深まり、ファンベースを社内に浸透させるのに役立ったそうだ。

大坪さんが推薦するポイント

大坪さん

ファンに響くコンテンツとコミュニケーションを考える!

Instagramは、お客様の情報収集媒体としても使われています。企業アカウントをフォローしてもらうためには、お客様のためになる情報や見るとワクワクするような内容を発信し、次もまた見たいと思ってもらう必要があります。どういう意図でフォローするのかを考え、お客様、ファンに響くコンテンツとコミュニケーションを考えるために、この本の内容が参考になりました。
特に印象的だったのは、商品を軸にコミュニティが生まれることはなく、ファンは商品が大切にしている「価値」を支持しており、「価値」にファンがつくということです。

Instagramライブでブランドの価値観を伝える

本書を読み、大坪さんが実践したのがInstagramライブでのクリスマスレシピ紹介(2020年12月実施)。「クリスマスパーティで使えるフードレシピやドリンクアレンジの紹介を通して、アカウントが大切にしている価値観やお客様への想いを届けたい」と企画したのだという。

Instagramライブのテーマは、事前の投稿で、どういう内容を知りたいかをフォロワーに聞いて決めた。想定以上の180件を超えるコメントがあったそうだ。

1時間弱のライブを最後まで見ていただくというのは、かなりハードルが高いことだと思うのですが、約350人のユーザーがほぼ離脱なく最後まで見てくださったのには感動しました。コメントもたくさんいただき、ファンと一緒にイベントを共創できた事例かなと思います(大坪さん)

Instagramライブの成功に、思わず微笑みあう神藏さん(右)と大坪さん(左)

6冊目:ブランドの世界観をどう伝えていくか

そして6冊目が、アメリカを中心としたD2C(Direct to Consumer)ブランドの事例を集めた本だ。スタートアップでもファンを獲得していくことで急成長する企業の事例が紹介されている1冊だが、大坪さんが特に参考になったのは世界観づくりだという。

  • 『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』(佐々木康裕:著、ニューズピックス:刊)

大坪さんが推薦するポイント 

大坪さん

「会社が大事にしてきた思いをどう伝えていくか」を大事にしたい!

引き継ぎのときに、神藏から世界観を大事にしてきたと教えられました。そして「ノウハウは引き継げるけれど、ここからは大坪さんがこれまでのやり方にとらわれずに考えてほしい」といわれました。この言葉が、これまでと同じことをやるのではなく、主体的に考えようと思うきっかけとなりました。
私が最も重視したのは、会社が大事にしてきた想いをどう伝えていくかということです。サントリーには、創業以来お客様におもしろいものを提供したいという思いがあります。
Instagramでお酒や清涼飲料を紹介する上でも、新しい飲み方、食べ物の組み合わせなど、新しい発見を提案して、見た人のワクワクを作り出していきたいと考えましたし、それは神藏がやってきたこととも通じるものがあると思います。

大坪さんが紹介してくださった3冊

番外編:参考になるInstagramアカウント

最後に、お2人に参考になるSNSアカウントを聞いてみた。

Instagram「RiLi」

神蔵さんが紹介してくれたのは、ガールズメディア「RiLi」のInstagramアカウント。

神藏さんがInstagram運用を開始した当初、ターゲットは主に20-30代女性と設定した。RiLiのターゲットは10-20代女性だが、若い世代の女性が何を考えているのか、何に注目しているのか、どうやってアプローチするのかを把握する上で参考になったという。

このアカウントは、Instagramライブ、ストーリーズなどの機能もいち早く使うので、そうした活用方法も参考になりました(神藏さん)

Twitter「Instagram & Facebook マーケティング JP」

神藏さんがTwitterで参考にしているのは、「Instagram & Facebook マーケティング JP」のアカウント。

運用担当者でも、「実は公式はあまり見ていない」という人も多いようだが、これは盲点だ。

公式発信なので最新情報をキャッチアップするのに役立ちますし、SNSアカウント担当者であれば知らなかったらまずい基本情報をおさえられます(神藏さん)

Instagram「Petrel」

大坪さんが紹介してくれたInstagramアカウントは、「Petrel」。「RiLi」とともに、参考にしているという。

RiLiとも近い雰囲気だと思いますが、テーマにそって写真を紹介していて、投稿の意図がわかりやすいですし、写真や雰囲気がかわいくて好きです。世の中の流行把握、テーマの取り上げ方などで参考にしています(大坪さん)

「コロナ禍でリモートワークが多いからこそ、ぜひ書籍で学んでほしい」と快く取材に応じてくださった、神藏さん(右)と大坪さん(左)
◇◇◇

年々進化するInstagram。ユーザーの共感を得るのに適しているSNSの1つだ。今回紹介した6冊の書籍は、初めて運用担当者になる人から、制作会社とのコミュニケーションに悩んでいる人、うまく世界観が伝わらず悩んでいる人、投稿がマンネリ化している人など、さまざまな悩みを抱えた運用者に参考になるのではないだろうか。ぜひ手にとって読んでみてほしい。

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